西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)の実施例

『ぼっけえ会議』で
職場の「永遠の課題」に着手し事故を半減!
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)
岡山支社 安全推進室 室長
谷口 雅信 様
プロフィール
鉄道にとって最優先事項である「安全」に関わるすべてのことを担う部署の長。セッション当時は岡山運転区 区長として約200人の運転士を束ねる立場にいた。『すごい会議』を岡山弁に訳して『ぼっけえ会議』と命名。「鉄道会社は外部の人と接する機会が少ないので雨宮さんとの出会いは一層新鮮でインパクトがありました」
ずっと気にしながらも置いたままになっていた問題に対するジレンマ

もともとは、支社幹部が東京で『すごい会議』のセミナーを受け、会社のために非常にいい仕組みづくりができそうだということで導入を決断し、モデルケースとして私がいた岡山運転区、広範囲な駅を管理する瀬戸管理駅、線路の保守を担う岡山保線区の3部署で2006年12月から『すごい会議』がスタートしました。それと平行して、岡山支社で何回かに分けて主な現場長や助役を中心にセミナーも開催されました。
岡山運転区は、約200人の運転士の指導や列車を走らせる“現場”の部署です。分単位、秒単位で列車を走らせる中で、私を含め運転士を指導する管理職8人が電話など外部からの情報は一切受け付けないで会議に集中する、隔離された数時間を毎月もつというのには、やはり抵抗感はありました。日々のことで手一杯なのに、負荷のかかる取り組みですし、メンバー以外の理解が得られるのかというのもね。ただ同時に、ずっと気にしながらも問題を置いたままにしているジレンマ、現場長としてのジレンマもあって、なんとか手をつけるひとつのきっかけになればという気持ちもありました。
過去のトレースや個人把握で次につながる仕組みづくり

戦略的フォーカス、つまりこの『すごい会議』で何が主な成果としてつくりだされるかという宣言文は「2007年9月30日までに重大事故0件、運転事故半減、無事故継続100日を達成することによって、お客様に安全・安心を提供し、達成感を分かち合える岡山運転区となる」というものでした。『すごい会議』取り組み前から職場目標として「重大事故ゼロ、運転事故半減」というのは当然ありました。でも後半の、達成感〜というのは、『すごい会議』ならではのポイントですよね。目標の先に目指すものがあり、今までにない発想でした。
目標へのアプローチもまったくちがいます。従来は無事故に向けて日々の乗務員の指導がメインでしたが、過去の事故の振り返りやそのときの対策が機能しているか、今の職場環境に適したものなかという検証と分析、そしてなにより運転士の個人把握、運転士一人ひとりの知識技能をトータル的に整理してデータベース化し、人材育成につなげる仕組みがつくれたことは非常に大きかったです。
共通のベクトルが働き職場に一体感が生まれた

個人把握や人材育成については、いつかはやらなくてはというのがいつも頭のどこかにある問題でした。例えば教育でいえば、月1回訓練するというのに忙殺され、それ以上つっこんでの、次につなげるような大きな課題は置き去りにされていたんです。
最初に戦略的フォーカスをきちっと設定したことで、メンバーのベクトルがひとつになりました。職場の永遠の問題はやっぱりちゃんと解決した方がいいというベクトルが。日々の忙しさは変わらないのに、問題に着手できたというのは、そこだと思います。
『すごい会議』はボディブローのように効いてくる

当時岡山運転区ではいろんな取り組みをしていたので、事故半減達成というのが『すごい会議』だけによってもたらされた成果ではないかもしれない。ただ他と圧倒的にちがうのは、継続できる、ということです。事故を減らす仕組みづくり、土台作りに着手できたんです。長い目で見たときに、それがボディブローのように効いてくるんだと思います。
メンバーに対する導きや育てるということも、上に立つ人間の役割だということも改めて思いました。これまでスケジュール管理はあまりしてこなかったのですが、期限付きのコミットメントがあり、それを管理することを通して、メンバーが育っていくのを実感しました。メンバー自身が自分で自分を育てるということもありました。私もメンバーも成長した、一皮むけたと思います。






