株式会社アンカーマン
どのようにすれば今までの延長線上にない未来を創れるだろうか?
大越:当社は、売り上げの9割を代理店に依存するビジネスモデルです。一次代理店だけで約60社、そこに所属するメンバーを含めると約500名の組織で、正社員はほぼバックオフィスメンバーのみという人員構成。
課題は、ビジネスモデルに起因する一体感の希薄さにありました。代理店同士のつながりが薄く、それぞれが個の目標に向かって動くので組織理念を共有するのが難しい。もっと同じ方向を向いて走る状態をつくりたかったんです。
それに加え、会議やマネジメントの仕組みが未整備なために情報が階層で薄まり、裾野まで一定水準を保てないことも課題でした。
大越:一つは、組織然とした一体感を示すことで、クライアントや代理店により安心感と信頼感を与えられること。売り上げ10億円を突破し、100億円を目指すフェーズに入った今、今後の成長には、マンパワーを超えた組織力が必要です。
また、このまま拡大を続ければ、理念もカルチャーもない「稼ぐためだけの集団」に傾きかねないリスクも感じていました。
僕はマネーゲームをしたいのではなく、社会のためになることに本気で取り組んで収益を得る集団でありたい。扱う商材が金融商品だからこそ社会性との連動性は不可欠です。
今が、組織づくり、カルチャー醸成に注力すべきときでした。

大越:僕たちと大きく違うのは、そのカルチャーの徹底ぶりです。『すごい会議』のコーチは誰が見ても「“すごい会議”の人間だ」と、わかる色濃い理念が浸透しきっている。
当社も組織づくりを意図して役員制度を構築し、「組織らしさ」を演出しようと試みましたが、内実の理念浸透は進みませんでした。プロの手を借り、本気で組織づくりに取り組むために『すごい会議』を導入しました。
大越:「僕ありき」の売り上げ構造を脱却できたことが最大の変化です。昨年までは、売り上げの8割を僕がつくっていて、僕のセミナーの登壇回数が達成計画の最重要項目でした。
それが今では、僕のセミナー登壇回数は昨年の1/10以下。それでも売り上げが安定して伸びていることが期待以上の成果です。チームが自走してメンバーが積極的に発言するようになり、「大越さんがいなくてもいける」と、彼らから声が上がりました。
結果、僕は新規事業に全力を注げるようになり、日本中を飛び回って属人的に売り上げを積み上げる状態を抜け出せた。次のステージに進めた手応えを感じています。
大越:僕が現場でフル稼働して年間10億円の売り上げだったのが、他のメンバーに任せた上で売り上げを120%まで伸ばせている。明らかな進化です。しかも、『すごい会議』を通して、理念を共有した上で任せられていることが、僕自身の安心感につながっています。
新規事業に集中できたことで、新規の伸びも抜群にいい。来年には、既存事業の収益を束ねた額を抜ける可能性すら見えていて、新規事業の投資時期にありがちなマイナスを生むこともなく、最高の状態でシフトチェンジできています。

大越:一番のポイントは、個人の役割やKPIを明確にしたことですね。これまでは、運営を各代理店に任せてきたため、全社的なKPIは設けてきませんでした。だからこそ、彼らも当初は『すごい会議』でマネジメントされることに抵抗を感じたはず。ただ、すべてのことには基礎の型がある。彼らには「制限付きのプロセスでしか得られない成長がある」と、伝えて進みました。
結果、KPIを設定してPDCAを管理するというプロセスを通じ、彼ら自身が「行動が成果に直結する」と、効果を体験できた。いま成果を上げているのは、『すごい会議』をうまく活用し、オリジナリティと型のいいバランスを見つけたメンバーです。
大越:控えめで主張の少なかったあるメンバーは、会議での発言と承認のサイクルを通じて「自分のアイデアには価値がある」と、自信を獲得したように見えます。今では、役員会議でもやかましいほどに発言するように(笑)。
もう1名は、天才型で型にハマらない自由奔放なタイプでしたが、この1年で自ら会社を立ち上げ、売り上げで全社No.1を達成するリーダーに激変。僕が思うに、彼の成長のきっかけは『すごい会議』の「型」です。

大越:僕が思う『すごい会議』の最大の価値は、まさに「型」。『すごい会議』には、会議を効果的に実施するための細かなルールがいくつもありますよね。
たとえば「3分間で全員が思うことを紙に書く」「発言のフォーマット通りに発言する」。実践すると参加者の意見が活発に挙がり、その多様さが組織の可能性を広げてくれる。
「会議に型がある」ことを知らずに生産性の低い会議をしている企業も多いと思いますが、その効果は絶大。今後は、社員や代理店メンバーを『すごい会議』のコーチ育成プログラムに参加させ、組織の土台として浸透させていく予定です。
大越:仲間の豊かさを保つための収益は必要ですが、それ以上に「人の成長率」を基盤に進むべきだという思いが強くなりました。
僕の喜びは、理念を共通項に同じゴールを見て進む仲間が大勢いること。売り上げがゼロでも人柄が素晴らしければ、その才能の生かし方を考えたい。『すごい会議』で急成長する人もいれば、そうでない人もいて、そこにはさまざまな個性や価値観、選択があっていい。
人の成長があってこそ組織は続く──進むべき方向性が明確になり、「どうすればその人の力を生かせるか」と、今まで以上に考えるようになりました。

大越:僕たちのコンセプトは、「顧客資産の最適化かつ最大化」です。日本の金融機関は、商品ありきの営業スタイルが主流ですが、それは医師が患者の健康状態をチェックせずに「この薬効きますよ」と、すすめるようなもの。
一方、当社のビジネスは、僕自身が学び、実践してきた資産形成の実体験が源です。どう収益化して伝えるかを考え抜き、本当にいいものだけを集めたのが『UNITED STYLE』。
必要なのは、その人に合った処方箋。クライアントの資産を徹底的に可視化し、将来の理想のライフスタイルから逆算して理想的なソリューションをフルオーダーメイドで提案します。
アメリカでは当たり前のゴールベース・アプローチを日本に根づかせるための『UNITED STYLE』です。
大越:この1年、代理店メンバーと『すごい会議』を実施した結果、今のビジネスモデルでは理念の浸透に限界があることを痛感しました。代理店は組織全体のアイデンティティー以上に、短期的な自社のメリットを優先したくなる仕組みです。
そこで代理店依存から脱却し、1年で自社組織の強化に舵を切ると決めました。自社で人を雇用、教育し、理念を浸透させる。当事者意識を強めながら継続的にノウハウを蓄積することで、中長期的にも利益率を高められます。
『すごい会議』の導入前は想定していなかった選択なので、導入の最大の効用ですね。
現在は、採用や育成に注力し、自社メディアやSEOによる発信力も強化しています。すでに金融畑の超エリート人材の採用も決まっていて、この調子で優秀な人材が増えれば爆発的な成長が期待できる。
代理店に頼らず、自社母体を強化して市場にインパクトを与える、新たなフェーズに入りました。

大越:第三者のコーチが会議の「枠組み」をつくり、案内人として導いてくれることで議論の質が格段に上がります。特に助かるのは、僕が目指したいゴールへと議論を自然に導いてくれること。当事者だけでは、こうはいきません。
和田さんのカッコよさ、「熱さ」も魅力です。僕たちのことを本気で考えてくれた上で、厳しく、熱くコミュニケーションしてくれる。信頼しています。
大越:どんな企業も一度は受けた方がいいと思います。『すごい会議』は、先人たちがつくり上げた「問題解決の型」を、誰でも使える形で提供してくれるもの。特に強力なのは「問いの型」。問題が起きたときに、「どのようにすれば解決できるか」と問うだけで、未来の描き方が変わるんです。プラスの言葉が自然と引き出され、前に進む思考に転換できる。
改めて僕が思うのは、経営にこそ型が必要だということ。成功している経営者ほど、自然とその型を実践しているはずで、その習慣をロジカルに言語化し、誰もが習得・再現できる仕組みとして根づかせてくれるのが『すごい会議』。必ず、学びがあるはずです。

大越:自社の営業メンバーの採用を進め、5名、10名とそろえた後で、改めて『すごい会議』を回したいですね。マネージャーの問題解決力を高めると同時に、人員が充実することで利益が拡大し、教育にもっと投資できるようになる。組織が一気に強くなります。
僕たちは海外の金融商材を扱っているため、海外市場の強いニーズも感じています。今後は僕個人の海外移住も視野に入れつつ、国内と海外の両輪で成長を加速させます。
大越:当社の組織モデルを、各代理店が再現できるよう進めていきます。少人数で強固な組織を築く僕たちのノウハウを提供し、各代理店が『mini(ミニ)UNITED』として組織を構築できるよう支援していきたい。来年はまず、その状態の代理店を5社つくることが目標です。
このモデルで年商10億円の組織をつくれることは僕たちが実証済みなので、その先に目指すのは「100億企業」。そこを僕たちが実現できれば、そのノウハウも代理店やクライアントに転送できる。『すごい会議』の型を土台に、顧客の理想をかなえる存在として走ります。
