株式会社ディシジョン
何でも叶うとしたら、どんな未来を置きますか?
そんな、本当に得たい未来を手に入れるためにサポートすることが私の仕事です。
宇野:セッション前のメンズ顧客の平均単価は、約16万円。当初は、それを17万円に上げられたら上々と見ていましたが、最終的に単価目標30万円、つまり約2倍の目標を設定しました。年間7,000組のお客様にお越しいただくことを踏まえると、達成時のインパクトは億単位。ちなみに、前年の30万円超の案件数は約30件、全体の0.5%未満でした。
同時に、定性面では従業員のロイヤルティを示す指標、eNPS(Employee Net Promoter Score)の向上も目標に、社員の働きがいと誇りを高める職場づくりを意図しました。
宇野:平均顧客単価は18.5万円まで伸びました。目標には未達ですが、単純計算で年間インパクトは約1億7,500万円。非常に大きな成果です。
現場の“基準”も明らかに変わりましたね。以前は、お一人につき2着決まれば満足という感覚でしたが、今は「もう1着、お色直しをご提案しよう」「さらに次も」と、先入観なくフル提案するのが当たり前に。結果として、あるスタッフは4カ月で30万円超を40件以上達成。最高単価は65万円まで到達し、スタッフ一人ひとりの力が飛躍的に伸びています。
しかも当社の顧客の約8割は、これまでどおりPlan・Do・See経由。顧客層を変えずに接客の意識と設計を変えただけで、この数字を取れたことが非常に大きい。固定概念が覆りました。

宇野:経営チームで『すごい会議』を導入し、売上・利益の最大化を目指すなかで、メンズ部門の伸びしろに着目しました。ウェディングは女性中心の市場だからこそ、メンズが次の成長ドライバーになり得ます。
そこで総勢20名弱のメンズ部門スタッフを集め、全員参加型の6カ月間のセッションを実施。狙いは、発想と行動の基準を引き上げ、部門に“革命的な変化”を起こすことでした。
宇野:ひと言で言うと「どのようにすればできるか」という思考です。不可能に見えるテーマについても、まず解決の道筋から考える。すると、“天井”だと思っていたものが実は幻であると気づき、発想が拡張して「もっといける」と、思考にパラダイムシフトが起こる。その体験が『すごい会議』の醍醐味ですね。

宇野:まず、未経験の「単価30万円」という目標を掲げ、達成までのKPIを明確にできたこと。さらに、営業戦略・商品管理・業務改善などの部署を横断し、ひとつのゴールに向けてメンズチームが一枚岩で動けたことが、『すごい会議』ならではでした。
また、毎月のセッションでは成功事例を共有することで、「こうすれば届くのか」「自分もやろう」と、連鎖的にチームの熱量も基準も急上昇。達成への具体策として提案パターンを台本化し、“販売タキシード+小物一式+2着目”といったように複数の型を接客シナリオに落とし込み、横展開したことも効果的でしたね。
非常にチャレンジングな目標に対してエネルギーを高く保ち、確かな成果につなげられたのは『すごい会議』でこそ、です。
宇野:私たちの根底にあるのは、「結婚式という一日の中で、お客様がいちばん輝く姿になっていただきたい」という思い。その上で、当社には“お客様が大好き”“自社の商品が大好き”というカルチャーが根付いています。
つまり、単価を上げる=「もっと売る」ではなく、お客様に本当に似合うものを、自信を持って提案するということ。タキシードから小物、ケアまで含めてお客様のいちばんいい状態、最高の体験を設計した結果、自然に単価が上がっていくという流れです。
単価はお客様満足の総和であり、数字はあくまで結果。これを全スタッフの共通認識にできたことに意味があります。

宇野:純粋に、“挑戦する”ことが楽しかったんじゃないかな。全員で一つの目標を追い、行動して報告し合う。自分が何を試し、どう成長したかを語り、「来月までにもう一歩やってみよう」と、試行錯誤するうちに視座が上がる。成長実感が最大のモチベーションになったように見えます。
また、自分の成果だけでなく仲間の成長を心から喜べるのが当社の強みです。採用の段階から人を大切にする土台があるからこそ、挑戦の喜びが連鎖していくのだと思います。
島袋(コーチ):この会社の素晴らしさは、まず“実績比倍”という目標に挑戦すると意思決定できること。かつ、毎回の会議で「この1カ月でうまくいったこと」をみなさんが共有する度に、エンロールが起きている様子が印象的でした。
仲間の成功を喜び、成功事例をすぐに真似する素直さと機動力があるからこそ、数字に違いが生まれる。人材と文化が最大の武器ですね。
宇野:いかに自分たちで限界をつくり、お客様を先入観で判断していたか、ですね。これまでは「ご提案してもこのお客様には通らないだろう」と、勝手に判断していたんです。
でも倍の単価を目指すなら、先入観ゼロですべてのお客様に“ベストな提案を100%する”ことが前提。お客様の理想に向けた“最適解”を、遠慮なく提案できるようになりました。

宇野:「ひどい真実(組織や自分自身の)」をテーブルに上げるパートです。リーダーにとっては耳が痛い話も出ますが、テーブルに上げることで初めて見える景色がある。次に「どんな問題を解くべきか」が、明確になることが価値ですね。
むしろ、ネガティブな要素を溜め込むほど溝が深まり、手遅れにもなりかねない。真実を語る痛みは成長のプロセスに過ぎないと経験できたことで、自社で定期的に「ひどい真実」を取り扱う筋力がつきました。
宇野:私が思う最大のものは、「どのようにすればできるか」という思考です。「できない」と決めつけずに、まずやってみる。現在は、毎月“セルフ『すごい会議』”を自走させています。モチベーションを落とさず行動し続ける仕組みと、“天井をつくらない”ポジティブなマインドが根付きました。

宇野:達成に向かう空気感をつくり、メンバーのやる気に火をつけてくれる。「これは無理かも」と思うときこそ、違う切り口から可能性を感じさせ、「やれる」「やろう」と思わせてくれるのがコーチの技。メンバーが本気で「やれる」と思えたら、成功ですよね。
すぐに現場で実践できるビジネスの知識やノウハウを伝授してくれることも、貴重な学びです。言語化してくれるので納得感が高く、再現性があって活用しやすい。コーチが並走してくれることでしか得られない成長があります。
宇野:限界をなくし、人の可能性を最大化してくれるものだと思います。ビジネスに限らず、自分に限界をつくらないことは、幸せな人生に近づく一歩。“その目標を立てなければ生まれなかった実現可能性を最大化する”のが、この会議の本質です。
私たちが成長するほどお客様の喜びも増える――その循環こそ接客業の最大の喜びであり、組織の成長の源。これからもその喜びを広げていきます。
