社長にとって、最も記憶に残る問題解決は何でしたか。
柚木﨑: 売上・利益へのインパクトもありますが、私の中で印象的なのは、インターネット事業です。
我々は高級商材を扱うため、あくまでFace to Faceの店舗ビジネスを大事にしてきました。ECサイトはありますが、ほとんど機能していない状態。
でも、せっかく「すごい会議」を導入したのだから「すごい」目標を立てたい。導入して数ヶ月経った頃に『1年後にネット事業の売上を10倍にするぞ』と(笑)。
普通に考えれば、どんな事業でも急に10倍は、ほぼ不可能です。でも私が尊敬する経営者も「目標は高ければ高いほどいい」と言っている。高い目標にすれば、10倍は難しくとも5、6倍にはなるだろうと思ったんです。
結果、1年で約6倍。「すごい会議」を入れなければ『10倍』の目標もなく、6倍の成果も手に入らなかったと思うと、印象深いです。
ネット事業の売上『10倍』化計画。上手く機能したポイントはどこにあると思いますか。
柚木﨑: 『10倍にする』と決めたことで、ぜい弱だったネット事業の体制を整え、良い面と悪い面を整理し、改善することができました。
以前であれば、有名なポータルサイトに出して終わりだったかもしれません。でも『10倍』を目指すには、それでは不十分。
他にも出店するサイトを探したり、多少面倒でも海外のサイトにも載せたりと、今までと違うことにチャレンジする行動が社員にも生まれ、彼らも力をつけたと思います。
久保田: ある意味、現場の方は真面目さ故に、今あるリソースで何とかしようとする。でも、それで『10倍』は難しい。本気でコミットするのであれば、現場からも「達成には予算や人員がこれだけ必要」とリクエストするのが正しいんです。
今はそういう意味でのコミットが浸透しつつあり、社員の方の行動も変わってきましたね。

会社全体の売上・利益の向上に対して、インパクトがあった問題解決を教えてください。
柚木﨑: 思いつくことを次々に試しました。お客様への挨拶の見直し、着座率や成約率を高めるアイデア。特に効いたのは、商品戦略です。
経験と勘を頼りにした仕入れでなく、数字やデータを調べた上での戦略的な仕入れ。「これだ」という商品に焦点を当てたところ、ある種の神風が吹いたというか(笑)。運が味方した面もありますが、試行錯誤したことが徐々に結果につながったと思っています。