すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

「次代にバトンを渡す文化をつくりたい」 トップダウンから、“問題解決できる自走組織”への変革

株式会社RERISE

設立
2018年4月
資本金
1億円
従業員数
121名(2023年4月現在)
事業内容
2018年創業、ベストベンチャー100にも選出された実力企業。顧客に最適な「住まい」と「ライフプラン」を提供する不動産コンサルティング営業会社として、不動産・土地売買、収益不動産、リフォーム&リノベーションなど、不動産にまつわる多様な事業を手掛ける。顧客の「資産形成」までをトータルサポートし、最強の営業力を持つ会社として成長を続ける
担当コーチ
高橋 悠

圧倒的なトップダウンが及ぼす影響

田口社長は、過去に「すごい会議」を体験されたことがあると伺いました。

( 田口 )以前にいた会社で、セッションメンバーとして会議に参加していました。

体験として記憶にあるのは、ファクト(客観的事実)をベースに数字や物ごとを扱う点と、イシュー(問題)を見つけてテーブルに挙げる環境づくりができる点の素晴らしさです。

高橋さんのコーチとしての魅力も素晴らしく、堀越、鴨川は高橋さんと同年代なので、社外の優秀な方から刺激をもらえるいい機会になると考え導入しました。

何を手に入れるために、今回の導入を意思決定されましたか。

( 田口 )私は、上層部が固定化して留まり続ける組織はよくないと思っていて、若い世代にバトンを渡していく文化をつくりたかったんです。

ところが、2018年の創業以来走り続けるうちに、組織はいつしかトップダウンになり、社員はイエスマンばかりになっていた。

不動産営業にはお客様を瞬間的にクロージングできるだけの迫力が必要ですが、それが社内に働くと、会社のためになるイシューすら社員が口にできない環境をつくり出してしまう。

特に営業部隊を率いる鴨川は、会社愛も強く素晴らしい人材。ただ、私への忠誠心が強いばかりに、私が誤って「右」と言っても右に行き続けてしまうところがある。

これは鴨川の問題ではなく、私たちがつくり出した環境の問題です。

鴨川には、「もっとこうすべきだ」と、正しくアラートを発せるよう成長してほしい。私と堀越が経営や新事業に専念できるよう営業部署を自走させるべく、営業に特化した「すごい会議」セッションをお願いしました。

営業組織の課題は何でしたか。

( 田口 )“気合いと根性”を優先し、ファクトをおろそかにしがちだったことです。

私個人としては、アプリでのデータ取得など、データも重視しつつ蓄積させていたものの、その重要性を言語化して周知するまではできていなかった。

鴨川が50人の営業部員を率いてパフォーマンスを上げるには、“気合いと根性”だけでは無理がある。解決策の一つが、ファクトの活用でした。

リーダーが変わればチームが変わる

営業の鴨川部長は、セッションで意思決定者を務められたと伺いました。この1年で、ご自身や組織にどのような変化が起こりましたか。

( 鴨川 )私が感じる最大の変化は、ファクトを活用した文化の定着です。根性論の世界を脱し、事実データをもとに「どう成果を上げるか」と、掘り下げる手法が浸透しました。

以前の私は根拠のない自信と持論を頼りにしていましたが、ファクト起点に変わったことで、部下も納得して行動しやすくなり、成果も上がっています。

また、意思決定者を務めたことで、“聞く”ことも学べました。

以前はいわば独裁者。『自分が正しい。会社のためにやっているのだから間違いない』と、仲間の意見を聞こうともしなかった。自分と異なる視点の重要性に気づけたことでコミュニケーションが活性化し、これまで以上に成果が出ています。

営業セッションにオブザーバーとして入っていらした堀越専務。鴨川部長の変化の源をどのように感じていらっしゃいますか。

( 堀越 )鴨川も私も、自分と異なる意見に対して反射的にムっとしてしまうところがあるので、”聞く”、いい訓練になりました。

「すごい会議」は会社をよくしていくための意見が飛び交う場なので、耳を傾けさえすれば、自分にはない観点やいい提案があるとわかる。思った以上にみんなが真剣に会社のことを考えてくれていると知り、私自身も大いに学びがありました。

同時に、部下たちに思考力がない、と勝手に決めつけ、彼らの意見を抑え込んでしまっていたことにも気づかされましたね。

1年を経て、今ではセッションメンバーが一体になって問題を解決する、ボトムアップ型の組織に変化しつつあるのを感じています。

田口社長はこの1年の変化をどのように実感されますか。

( 田口 )社内の文化が変化したことはもちろんですが、鴨川の変化は特に大きいですね。

リーダーシップを発揮することと持論を押し通すことは違う、と伝えてはいましたが、データをよりどころにする新たな展開を見つけ、指揮の取り方が大きく変わった。周りに意見を求められるようになりました。

私や堀越がマネジメントしてきた人数は10〜20名程度、片や鴨川は50名のリーダーです。私たちが経験したことのない景色を見ている以上、過去にとらわれず、オリジナルの方法で組織をけん引してほしいですね。

問題も解決策も、「ファクト」にあった

「ファクト」の活用は、なぜそこまで御社にヒットしたのでしょうか。

( 田口 )私たちのセールストークに「事実を見ましょう」というフレーズがあるんです。不動産購入を一生に一度の決断だとイメージするお客様がいらっしゃる一方で、数年で買い替える方がいらっしゃるのも事実。購入より賃貸の方が合理的な場合もあります。イメージでなく“事実”で不動産を検討いただくためのフレーズです。

にもかかわらず、自社では事実よりも“根性”を優先し、蓄積したデータも使えていない。

「すごい会議」でファクトを扱ったことでその矛盾に気づき、点在していたファクトのパーツが一つの線につながって価値に目覚めた感覚でした。

「すごい会議」を使うと、なぜ組織の文化を変えられるのでしょうか。

( 高橋 )この組織は浸透力が素晴らしいんです。指揮系統の強さ、上司への強烈なリスペクトがあるからこそ高速で共通言語が行き渡り、僕が“ファクト”という言葉を投下した翌日には、メンバー全員がその言葉を使っている。瞬く間に文化が形成されます。

( 田口 )彼らの意識の高さや帰属意識の強さには、非常に助けられています。だからこそ、いい指導者でなければ会社はダメになる。

その上で私が効果的だと感じているのは、言語の統一です。

“ファクト”や“KPI”といった共通言語があるだけで、認識が一致し、伝わるスピードが格段に早まる。“イシュー”という単語を使うことで問題を挙げやすくなり、イシューは金脈だ、と捉える流れも定着しました。

本質的に理解してできるようになるまでしっかり並走してくれる、高橋さんの存在も大きいですよ。

「ファクト」の活用により、どのような成果が手に入りましたか。

( 田口 )問題と解決策が発見しやすくなりました。

例えば、ある社員のアポ取得率が低いが理由はわからない。そこでファクトを見てみると、ダイレクトメールを出していなかったり、見込み客がいないエリアに投下していたり。隠れていた問題が明らかになったんです。

離職率も同様に、データを見ると予想以上に離職率が高く、入社3カ月以前と以降で離職率を比較すると、3カ月経過後の方が低い。じゃあ、解決策として入社後3カ月間の教育を強化しよう、と、問題発見から解決策までが自動的に見えました。

( 堀越 )思考の転換も起こりましたね。「離職者を出さないためにどうするか」という思考から、「一定数の離職は起こるものとして、人員計画をどうするか」と転換できた。

なぜなら、ファクトが『何をしても離職者は発生する』と、物語っているからです。お客様のキャンセル発生についても、同様の発想のシフトが起こりました。

ファクトをもとに現実的な視点をもてば、思考も柔軟になる。結果、成果も変わる、という発見でした。

「憲法改正みたいなもの」それでも、変えることを選ぶ

1年を通して、最もインパクトのあった「イシュー」を教えてください。

( 田口 )役職規定の改訂です。弊社では、役職者を単月ごとに評価する仕組みを取っていて、その主な目的は売り上げの向上。設立当初は目の前の売り上げを増やすことが極めて重要で、そこを奮起させるための規定だったでした。

しかし、組織が成熟しつつある今となっては、「その仕組みが足を引っ張っている」というのが“ひどい真実”=イシューとして挙がりました。

短期的な成果を追求するあまり、付け焼き刃の指導が横行して長期的な人材育成やチャレンジができていない、と。

この指摘には、場が凍るほどのインパクトがありましたが、彼らの意見を受け入れると意思決定し、現在は制度を改訂中です。

( 堀越 )役職規定の改訂は、憲法改正に匹敵する事案でした。

この1年でオープンに意見し合うことに慣れたとはいえ、これほど核心に触れるイシューを口にするには相当の勇気が必要です。「自分が得をしたいがための発言では?」と誤解されるリスクもある。

それでも口に出せたのは、上層部に意見を受け入れる姿勢があると、この会議を通して実感できた背景が大きく影響しているはず。この会議でなければ、決して触れられなかった部分でしょうね。

「精霊が言うには」という独特のフレーズを使うことでも、言いにくい意見が言いやすくなったと思います。

憲法改正に近い提案を、「受け入れる」と意思決定した意図をお聞かせください。

( 田口 )この意思決定は、“変わることを選ぶ”上司の姿を見せる意図もありました。

聞いてくれない、任せてくれない、やらせてくれない、という組織が嫌でこの会社を立ち上げたはずなのに、いつしかトップダウンになり切っていた。

だからこそ積極的に若手の意見を聞き、「変える」姿を見せたい。それが、社員や堀越、鴨川のエンゲージメントをさらに高めることにもつながるからです。

会社のためになるなら愚痴も提案も言ってくれて構わない。すべてが未来への可能性です。

「すごい会議」の真価、コーチの存在感

「すごい会議」を導入した、一番の価値は何でしたか。

( 田口 )言語の統一ですね。理念が浸透するスピードが格段に早くなった。会議の効率化にもつながり、60分の会議の枠を30分にシェイプできていて、非常に効果的です。

( 堀越 )個々の意識が向上したこと、そして指示型組織からみんなで問題解決を自走できる組織に変わったこと、です。トップダウンで思考停止していた部下たちが、『問題は何だろう』と自分で考え問題解決する組織に変化しました。

過去に執着せず、今に依存せず、手渡す文化をつくってこそみんなのためになる。そう気づけたことは、私自身にとって最大の発見でしたね。

( 鴨川 )ファクトの重要性を全社員が理解したこと、ですね。“気合い”の論争や感覚的な持論を脱し、根拠を持って判断する癖がついた。新たな文化が生まれました。

御社にとっての、コーチの価値を教えてください。

( 田口 )コーチがいるといないとでは成果が全く違います。筋トレも、トレーナーがいると「ラスト2セット行きましょう!」と、自分ではやらない挑戦を突きつけてくれますよね。それと同じです。

コーチがいるから得たい目標から逸れず、厳しくも正しいプロセスを歩める。社内会議に特化したコーチというのは、画期的なイノベーションだと思います。

( 鴨川 )コーチは、中立の立場から客観的に意思決定の暴走や逸脱を防いでくれる唯一の存在。コーチがいなくては成り立ちません。同年代でこんなに優秀な人もいるんだ、と、刺激をもらいました。

経営メンバーに切り込み、ブレイクスルーを起こす

2年目は「すごい会議」プロジェクトを拡大し、経営チーム、営業、新規事業など、プロジェクトごとにセッションを構えると伺いました。

( 田口 )営業セッションが効果的だったので、他部署を交えるとどうなるのかを試します。なかでも高橋さんへの一番のリクエストは、経営チームの「すごい会議」

私と堀越、鴨川、人事部長の4名の会社の中核を担うメンバーが、本音でリクエストし合い、高め合える環境をつくりたい。私の望みは成果を上げて会社と社員を豊かにすることのみ、です。

これまで以上に厳しい問題と向き合い鍛え上げられる1年になることは確実。使っていない筋肉も、使わないと決めた筋肉も、鍛え直すことになるでしょうね。成長への痛みは喜んで引き受けます。

( 高橋 )経営チームの意思決定は、一つひとつのインパクトが大きく、厳しいイシューと向き合っていくことになるので、僕も緊張感があります。

同時に、コーチとして“意思決定者の意思決定を正しくする”という信念を持ちながらも、あくまで会社の成功に効果的であれ、という観点を逃さずにいきます。

「“すごい会議”って何ですか?」と聞かれたら、どのように回答されますか。

( 田口 )未来を創造する、ワクワクする遊園地みたいなイメージです。ドラマが起こって人が変化し、感情を揺さぶられて環境が激しく変化する。

ファクトを使えるようになったと思ったら、データの見過ぎで意志が弱くなったと言われ、また、次の課題が見えてきた。

成果を出すのは自分次第、やればいいだけです。

「将来とかじゃない、今、楽しいからやる。それだけ」

今後のビジョンを教えてください。

( 田口 )日本で初めての総合不動産グループとして、不動産業界のトップになります。理想が“100”だとすると、まだ“5”しか実現できていないような状態なので、悩んでもがいての成長ゲームですね。

自宅購入からワンルーム投資、富裕層向けから低価格帯まで。土地開発や内装オプション、リゾート開発もやりたいので、すべてを自社グループ傘下で手がけて、シナジーを最大化します。

それには今の事業を早く下の世代に渡し、新規事業を加速させる必要がある。とにかく行けるところまで行く、ただ楽しいからやり続ける、それだけです。

ありがとうございました。

高橋 悠 たかはしゆう

株式会社U-Leading

経営チームに大きなインパクトをもたらす。
そうすると、組織が変わり、人も変わる。
その変化への挑戦のきっかけを創り続けるのが私の使命です。






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