中長期ビジョンを設定したことで、どのような変化が生まれましたか。
( 勝沼 )かなり大規模な“可能性”の断捨離ができています。“何もしなくて黒字”と、“やるだけやって黒字”は、意味合いが大きく違う。
意思決定のサイクルを早めたことで、進捗の数字をもとに最短でPDCAを回し、やり切って進めている手応えがある。「やったからこれだけ伸びた」「やりきってこれなら仕方がない」と、客観的に可能性を判断できています。
全幹部メンバーが「やるべきこと」を共通認識として持てていることも大きな違いですね。経営陣の視座がそろい、ベクトルが太くなりました。
( 久保田 )ダメならダメと、はっきりさせて次に進む。状況が厳しいときほど明確化させる覚悟が必要です。その重みに耐え得るメンタリティを持つ勝沼さんだからこそ、断捨離しながら次の一手に挑める。勝沼さんの素晴らしさです。
検証サイクルの加速に、「すごい会議」のどのような仕組みが影響していますか。
( 勝沼 )「やる」と決めると同時に期日を設定することですね。期日を決めれば、進捗や結果が必ず問われる。しかも会議というオープンな場でタスクを分担してコミットしているので、やらないとみんなにバレてしまう(笑)。
やってできないならまだしも、「やっていない」とは言えません。この仕組みが効力を発揮し、「絶対にやる」というあり方に変わるんです。
今回のプロジェクトを経て、他の参加者にどのような変化が現れましたか。
( 勝沼 )中長期目標を言語化することで、意識すべき点、やるべきことについて共通の理解を持つようになり、彼らから出るアイデアが目標やコミットメントの基準に基づいた効果的なものへと変化しました。
面白いことに、創成期はそうした“基準”すらも持たない方が有利だったんです。未成熟でノールールな市場では、多少の無茶をしてでも大胆に走り続けることが成功の鍵。失敗も一つの成長痛と捉えました。
しかし、1,000人規模になった今は状況が違う。組織のビジョンを基準に、従業員のベクトルをそろえる重要性を学ばせてもらいました。
( 久保田 )ここまで急激な市場変化を見せる業界は、そう多くはありません。しかもその沿革に沿って「すごい会議」を実施し続けている企業は、非常に珍しい。成長フェーズに合わせてこの会議をどう活用できるか、私自身も多くの学びを得ています。