すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

三代目が描く組織変革。「現場の本音が未来への鍵」ボトムアップ型経営への転換と挑戦

株式会社ハートフレンド

設立
1987年3月
資本金
5,000万円
従業員数
約4500名(社員・パートタイム含)
事業内容
関西を中心に生鮮食料品強化型の総合食品スーパーマーケット【FRESCO(フレスコ)】を116店舗(2024年4月現在)展開。地域密着型のスーパーコンビニ(従来のスーパーマーケットとコンビニの利点を活かした存在)という新しい業態を確立し、加速度的にチェーン展開を進める。リージョナルチェーンを目指し、京滋・大阪・阪神地区への出店を強化している
担当コーチ
鈴木 智大

トップダウンからの転換。隠れた問題をあぶり出す

約1年前に導入いただきました。代表就任から3年、どのようなタイミングでの導入でしたか。

井上:これまで長い間トップダウン型の経営方針をとってきた結果、部下や現場の意見やニーズを把握しにくい風土が形成されてしまっていたんです。問題は現場で起こるものなのに、悪い報告ほど僕まで上がってこない

もちろん、トップダウン経営にも利点はあり、ボトムアップが万能でないことも理解しています。しかし、僕自身がトップダウンの弊害を社員時代に痛感したからこそ「悪い情報ほど早く知らせてほしい」と、就任早々から伝えてきました。

しかし、長年積み重ねてきた文化はそう簡単には変わらない。

第三者の力を借り、社内に本音を言い合える組織文化を醸成しながら業績向上の問題を解決するために「すごい会議」を導入しました。

「すごい会議」の導入は、単年ではなく数年間で想定されたそうですね。

井上:3年かけて理想の状態に行き着いたという他社のケースを聞いていましたし、組織文化の変化や業績向上が一朝一夕で手に入るとは、僕自身も思いませんでした。

理想は、この会議のスタイルを自社内で運用していける状態。その状態にはまだ程遠いので、当分の間は鈴木さんに並走してもらうことを想定しています。

他では口にできない「問題」に触れられる価値

この1年間で、どのような変化を感じましたか。

井上:現場により近いマネージャーを集めて会議メンバーを構成したことで、現場で起きている課題をリアルタイムで把握しやすくなりました。

また、以前と比べ、本音に近い意見を社員から聞けている実感もあります。全く忖度(そんたく)がないとは言いませんが、全員が必ず発言するルールのもとに、僕とは違う考えが彼らから出てくるのがいいんです。多様な意見を「言える環境」があるというだけで、今までにない場をつくれている手応えがあり、「すごい会議」を導入して圧倒的によかったですね。

どんな問題と向き合えたことに価値を感じましたか。

井上:人事労務の問題です。当社の最大の問題は人員不足。人件費を抑えて利益を上げる方法を取ったこともありますが、それでは現場に負荷がかかり悪循環に陥ることは目にも明らか。

「すごい会議」で問題点を共有し合って初めて、人事労務がボトルネックだと全員が感じていたことが判明し、これまで触れずにいた問題を可視化できました。

採用活動や社員教育、職場環境の整備などの問題が山積するなかで、責任を押し付け合うのでなく、成長のために「どう解決していくか」と、前向きに問題と向き合える。過去の停滞から抜け出せました。

なぜ「すごい会議」では、触れにくい問題にも踏み込めるのでしょうか。

井上:まず、遠慮や気遣いが邪魔して本音が出にくい組織体質があり、さらに「問題」としてテーブルに挙げれば特定の個人を責めているかのようにも聞こえかねないので、繊細な話題ほど触れにくい。

一方、「すごい会議」では発言のルールのもとに「問題は何か」と問いかけるコーチが中立的に議論を推進してくれるのが肝ですね。鈴木さんの存在がなければ、こうは進まなかったはず。

その「問題」は会社の成長への「金脈」である、という文脈でリードしてくれるので参加者も安心して発言できる上に、「どうすれば解決できるか」「何かできることはないか」とプラス思考で向き合うのが「すごい会議」だとマインドセットされているので、「問題」と恐れずに向き合える。コーチがいてこその場ですね。

「言わないほうがいい文化」から「言ったほうが会社のためになる文化」へ

業績向上の目標に対して、「すごい会議」はどのように貢献できましたか。

井上:物価上昇などの環境要因や市況の影響で、業績は想定以上に好調でした。ただ、外部要因だけではここまでの成果は生まれません。業績アップの鍵は、会議を起点に主要メンバーに全体最適の視点が生まれたこと。

以前は、部門ごとに施策を進めていたため、ときにはそれぞれの施策がぶつかり合い、方向性に一貫性が感じられないこともありましたが、この会議で全社の方向性を明文化したことで、全体最適の思考が癖づき施策に連続性を生みだせた。成果への流れがスムーズになりましたね。

コーチから見て、この組織の成長ポイントはどこにありましたか。

鈴木(コーチ):本音が出にくい体質ではありつつも、メンバーの方々はご自身なりの考えをしっかり持っていらっしゃるように見えたので、然るべき場所で集まりさえすれば自ずと事は進むように感じました。

事実、会議で意見を表明するだけでも、このチームにとっては新たな体験。「言わないほうがいい文化」から「言ったほうが会社のためになる文化」への変化を体験する場であると同時に、井上さんにとっては、現場の意見を聞くことで今まで以上に意思決定しやすい環境ができつつあるように見えます。

「すごい会議」が育む力。意思決定力&実行力

改めて、効果を感じるメソッドやコンテンツをお聞かせください。

井上:ポストイットに思っていることを書く、書いたことをそのまま発言する、というルールだけでも非常に効果的な仕組みです。書かずに発言すると、他人の意見に合わせて本音からズレていくんじゃないかな。

「ひどい真実(組織や自分の)」を口にすることも本音を引き出す重要なテーマであり、どんな質問に対しても、考える時間が1分、2分と短い点も思考する訓練になっています。

井上社長ご自身には、どのような変化が生まれましたか。

井上:僕は、熟考するタイプなので即断での意思決定は得意ではないのですが、「すごい会議」では限られた時間で「決める」ことが意思決定者の役割。そこを訓練してもらいました。

極端な話、考える時間が5分でも5時間でも結論はさほど変わらず、早く行動した方がプラスの何かを生み出せると教えてもらえたことは大きな収穫。

メンバーと共に問題に向き合い、彼らの本音を聞きながら進んでいけることも心強いですね。彼らが動いてくれると確信できるからこそ、安心して意思決定できる。この1年で、今までにない数の取り組みが動き出しました。

決めた取り組みを形にする実行力は、何を起点に生まれましたか。

井上:この会議のメリットは、僕がトップダウンで指示するのでなく会議メンバーが主体的に決めていけること。全員が納得して役割にコミットできるので、「これは自分の仕事だ」と、責任感を強く持ってくれるんです。

その責任も、一人であれば重くとも、仲間とサポートし合いながら達成を目指せるからこそ行動が前に進む。団結力も上がり、圧倒的に実行のスピードが上がります。

社を背負うトッププロジェクトとして、最前線の施策にかかわる誇らしさも感じてくれているんじゃないかな。

ボトムアップ型組織への加速と経営チームの強化

完全なトップダウン型組織からボトムアップ型組織へと移行できつつあるとすると、導入2年目の今後は、どのような変化を目指しますか。

井上:文化が変わりつつあるとはいえ、それはピラミッドのごく一部。組織全体に波及させるためにも、会議メンバーが会社の方針や施策の成果を、部下たちに積極的に伝えていってほしいですね。

会社が社員の発言に耳を傾け、問題と向き合おうとしていることも、もっと広めていきたい。現場の本音にこそ、未来への成長課題が眠っています

鈴木(コーチ):例えば、セッションにエリア長や店長を入れて現場意見の吸収をより迅速化させることでもボトムアップを後押しできます。と同時に、現会議メンバーを課題設定から意思決定までできる人材に育成すれば、経営チームも強化できる。今後の進化が楽しみです。

さらなる業績向上に向け、会議メンバーにはどのような成長を期待しますか。

井上:「すごい会議」は、さまざまな部門の担当者が集って解決策を出し合える点が最大の魅力。自分の領域を全うすることだけにフォーカスするのでなく、役割を越えて「会社全体として」利益を上げるために何ができるか、と思考が変わる。

その視座の転換こそ組織の可能性を最大化する一つの鍵であり、会議メンバーに期待する成長要素です。

このプロジェクトでの、鈴木コーチの貢献ポイントをお聞かせください。

井上:当社に深く入り込み、悩みを一緒に解決してくれる仲間のように感じています。当社に寄り添い、メンバーの表情を細かく観察して意見を引き出し丁寧にフォローしてくれる鈴木さんがいるからこそ、僕は意思決定に集中できる。

さらに言うと、鈴木さんはマイナスのエネルギーを一切感じさせない人なので、僕らにもプラスの影響しかありません。「会社にとってプラスであるか」ということを大切にしている僕にとって、鈴木さんは人としても魅力的です。

鈴木(コーチ):すべての物ごとに二面性があるように、長い歴史を持つ企業にはいい文化もあればそうでない文化もある。過去の風習にとらわれ変化を起こしにくい場合でも、僕のような第三者が入ることで、新たな風穴を開けやすくなります。

本音を出し合い、普段は触れないような問題に触れながら、社長と社員を橋渡ししていくのが僕の役割。引き続きサポートに尽力します。

地域社会への貢献と持続可能な経営に向けて

「すごい会議」をどのような経営者におすすめしますか。

井上:僕が感じる「すごい会議」の最大の価値は、組織の問題点を抽出できること。会社を「変えたい」と思っているタイミングで「すごい会議」とコーチの存在があると、非常に頼もしいはずです。

また、経営者は孤独でもあるので、社員の本音はどうか、自分の意思決定が正しいのかと、不安にもなる。そんなときにチームとして正解をつくりにいける「すごい会議」があると心強いですよ。

貴社のビジョンをお聞かせください。

井上:当社が、いかに地域コミュニティに貢献し続けられるか、に尽きます。地域のお客様の生活に欠かせない存在として役立ち続けることが、この会社を未来に導いてくれる。

ご自宅へのお届けサービスや食料品以外のお困りごとへのサポートなど、地域に根差す存在として当社が担えることはまだまだあり、京都という土地柄を生かしたグローバル化への対応や観光客をターゲットとした企業との提携など、挑戦したいことも無数にある。

今後も30年、50年とお客様に愛され、従業員が自己実現しながら豊かに安心して暮らせる運営を実現するためにも、ここから改めて持続可能な経営基盤を築いていきます。

ありがとうございました。

鈴木 智大 すずき ともひろ

株式会社すごい会議どすえ

宮城県仙台市出身。
大学在学中にすごい会議に出会う。

組織として本当に解決したい問題をテーブルに上げ、チームとして解決する場を提供します。

目標をつくらなければ起きなかったことの実現可能性を最大化させます。

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