株式会社U-Leading
働く人々に活力が漲れば自ずと会社は成長する。そう信じて企業のエネルギーの源になり、これまでにない成長を生み出しています。
池田:当社が抱える最大の課題は、マネジメント層の弱さでした。数字を見ながら経営視点で会社全体を把握できるのは私だけ。在籍スタッフは約30名いるものの、多くはレース車両の技術者です。
常時、10個以上のプロジェクトを抱え、契約交渉から進行管理までを私一人で担う日々が10年以上続き、事業成長に限界を感じていました。
経営体制を強化し、業務をスタッフと分担しながら私自身のワークライフバランスも整えたい。そんな折に「すごい会議」を紹介され、その手法に強く惹かれました。
池田:導入前のコーチとの会話で、視界が一気に開けていくような感覚を体験しました。「1年後、3年後にどうなっていたら「最高」ですか?」という問いに、思考が自然と未来を向いたんです。
「そのために何が問題なのか」「どうすれば実現できるのか」。思考が整理されるなかで、コーチに導かれるまま「世界一の」という言葉を口にした瞬間、世界がガラリと変わりました。
「どうすれば、世界一の〇〇になれるか」。
業界最高峰であるイギリスのF1チームの基準が脳裏に浮かび、それまでぼんやりしていた未来が、数年先まで一気にクリアに見えた。これまでにない体験でした。
池田:印象に残るのは、やはり、前述のコーチとの初回のミーティングです。スタッフと仕事を手分けしたくてもその方法が見えなかったのが、平さんとの対話で「これならいける」「本人たちにも責任感が芽生えそうだ」と、うまくいく予感がした。
その後の会議は、そこで感じたひらめきを実践的に体験に落とし込む場と捉えて進みました。
池田:どのメンバーも、これまで「いかにレースをうまく進めるか」に、全力を注いできたモータースポーツのプロフェッショナル。だからこそ、経営視点でビジネスに携わる「すごい会議」の体験には、戸惑いもあったと思います。
それでも「すごい会議」を1年続けた結果、自ら課題を見つけ、「どうすれば解決できるか」と向き合う思考が定着しつつある。今では、彼らが会議の中心に立ち、他のメンバーをリードする場面もあり、主体性と責任感が組織の風土を変え始めています。
私自身も彼らに「任せる」ことを意識し、この1年で組織の運営体制は大きく変化しました。
池田:これまでも社員に仕事を任せようと、試行錯誤してきましたが、期待通りの動きが生まれない場面も多く、思うようには権限移譲が進みませんでした。
その点、「すごい会議」は行動を管理できる。定期的にコミットメントの進捗を確認し、「今、どうなっていますか」と、問いかけてくれるコーチがいる。「やるしかない」仕組みがあるから、確実な一歩が踏み出せるんです。
「任せる」だけでなく、動かす「構造」があることが過去との決定的な違いですね。
平(コーチ):会社の目標をメンバーのみなさん自身が考えたことで、「その目標に対して自分は何をすべきか」と、主体的に仕事と向き合う姿勢が生まれたように感じます。
「言われたことをやる」から「自分で考えて動く」あり方に変わり、たとえば広報の分野では、YouTubeの再生回数やSNSのフォロワー数が劇的に増加しました。
また、売上利益の実績や目標数字を明確にしたことで、コスト意識が向上し、レースで全国を回る際の経費の最適化が進むなど、今後の利益創出につながる動きが生まれています。
池田:「すごい会議」の最大の価値は、一人ひとりの「考える力」を育ててくれること。人間が本気で考えるのは、自分で「やる」と決めたときですよね。その点、「すごい会議」は参加者の意見を起点に進むので、仕事との向き合いが自ずと深まります。
さらに、「すごい会議」には、目標達成のための“型”と、それを支えるコーチの存在がある。パフォーマンスを上げるための思考と行動を、実践を通して学ぶことで、つまずきながらも「なるほど、こう考えればいいのか」と、前に進めるんです。
会議を重ねるごとに、その考え方や行動が体に染み込む――それが、私が思う「すごい会議」の大きな特徴です。
池田:目標としたプロジェクト利益の達成には至らなかったものの、「このままでは届かない。では、どうするか」と、解決の思考・行動が生まれたこと、その問いをチームで共有できるようになったことが成果です。
実は、この2〜3年は私にとっては“冒険の年”でした。意図的に挑戦を増やしたからこそ、数字的な痛手を負う場面もありましたが、それを経て今は、確実性あるビジネスモデルへと軌道修正できています。そのきっかけは、この1年の「すごい会議」。
チームとして、目標と本気で向き合うあり方が生まれたからこそ、私自身も「数字にコミットする選択をしよう」と、腹をくくれた。決めたからには、必ず数字を取りにいく。私のこのあり方が、チームの熱になるはずです。
池田:今、「すごい会議」を離れれば、せっかく生まれた変化が元に戻ってしまう。コーチがいなくても自分たちだけで走れる状態が理想ですが、今の私たちには、まだコーチの伴走が必要です。
この1年の導入満足度は、ほぼ100%。ただ、レースと同じく結果が出るまで続けなければ意味がない。今期はリーダーの成長を強化し、業績面でも確かな結果を残します。
池田:私が現場に深く関与しなくとも、会社が自走できる状態をつくることが理想です。そのためには、No.2・No.3のリーダーたちが、それぞれの担当領域を自律的に牽引できるようになることが不可欠です。
特に、当社の中核を担うレーシングチームのエンジニア部門は専門性が高く、日本国内での採用も簡単ではありません。だからこそ、自社で各分野のプロフェッショナルを育成し、専門領域を安心して任せられるリーダーを育てる必要がある。
リーダーに任せられる領域が増えれば、私は次の経営フェーズ――さらなる挑戦に専念できる。その体制づくりこそが、今後の経営戦略の要です。
池田:当社は、日本のモータースポーツ業界において、業界トップの企業から信頼を寄せられる数少ないチームだと自負しています。昨年は、その信頼を象徴するような大きなプロジェクトを任される機会にも恵まれました。
当社の価値は、技術力にとどまらず、クライアントの理想や目的を深く理解し、その意図を的確に実現する力。求められる人材育成を実現するなど、期待を超える成果を提供する姿勢と情熱が強みです。
今後は、さらに日本市場での中核的存在として、また、世界のモータースポーツ市場においても「このチームに任せたい」と、言われる存在を目指します。