株式会社いきなりすごい会議
宮城県仙台市出身。
大学在学中にすごい会議に出会う。
組織として本当に解決したい問題をテーブルに上げ、チームとして解決する場を提供します。
目標をつくらなければ起きなかったことの実現可能性を最大化させます。
藤原:2022年に五健堂グループに加入する以前の当社は、いわゆる典型的な中小企業。人材育成や教育研修に十分な時間も労力もかけられず、会議は「なんとなく進める」非生産的なものばかり。会議の多くは、私の“お説教”タイムでした。
そんな状況を打破するために、導入したのが「すごい会議」。幹部社員の育成と会議の効率化によって生産性を高め、業績の向上を狙いました。
藤原:以前は「前年プラスα」を目安に、実績を少しずつ積み上げる“予測ベース”の目標設定でしたが、「すごい会議」は、100%“理想”から逆算して目標設定するスタイル。結果、これまでになく難易度の高い設定になりました。
ちょうどオフィス移転直後ということもあり、目標が適切かどうかを判断しにくいタイミングだったことも事実です。実現可能な目標の限界値がどこか、見極めが難しかったですね。
藤原:経営幹部全員で組織目標を立てるのは、今回が初の試みでした。自分たちで目標を設定することで、社員が自ら「どう達成するか」を考えるようになるという、その変化と成長を実感しています。
以前は、私の指示に対して受け身の姿勢で取り組み、何をするにも「できない理由」や「言い訳」を探していた彼らが、「どうすればできるか」と、前向きに考えられるようになった。
この変化を会議にとどめず、日常業務にも根づかせていけるよう継続して働きかけています。
藤原:全員が思い通りに変化したとは言えませんが、新たな知識を柔軟に吸収し、健やかに成長していく若年層の姿に、可能性を感じました。特に成長が顕著な社員は、これまで以上に積極的に部下を指導するなど、うれしい成長を見せてくれています。
「すごい会議」のメンバーに選ばれたこと自体が会社からの大きな期待の証。そのことを自覚し、誇りと前向きな姿勢を持って取り組んでくれたような印象です。
藤原:年間トータルでは大きな変化には至っていませんが、年明けの“閑散期”とされるタイヤ事業で前年比130%の売り上げを記録しました。
気候の影響を受けやすい事業なので、「すごい会議」の効果を直接的に測ることは難しいものの、「やらなければ」という幹部の意識の高まりが結果に表れたのだと思います。
当社にとっては、閑散期の売上をいかに落とさず、いかに伸ばし持続するかが大きな課題。その課題と向き合い、一定の成果を出せたことに手応えを感じました。
藤原:本業のタイヤ事業に加え、閑散期の売上補填策として新たな取り組みに挑戦しました。
その背景として、人員体制が整ってきたこと、また「すごい会議」で高い目標を掲げたことが影響しています。この会議がなければ、今のタイミングで動き出すことは、まずなかった。
たとえば、過去の設備投資の一環で購入した“地震体験車両”の活用です。長らく活用機会がなかった車両を「資産化できないか」と考え、レンタル事業を立ち上げました。
企業や自治体の防災訓練、ハウスメーカーによる防災啓発イベントなど、予想を超えるニーズがあり、結果としてすでに年間500万円規模の新たな収益につながっています。
藤原:既存のリソースから、これまでになかった売上・利益を生み出せたことに大きな価値があります。
「すごい会議」を導入していなければ、車両の活用に踏み出すこともなく、収益化はもっと先の話になっていたはず。実際に動いてみると、関西エリアでは地震体験車両が希少で、かつ想定以上のニーズがあることがわかりました。
タイヤ事業は、前代表が築いた確かな基盤がある一方で、この新事業はゼロからの挑戦。正解のないなかでの試行錯誤が求められましたが、結果として新たな可能性を見出せたことは、閑散期の課題に向き合う私たちにとって大きな希望です。このタイミングで取り組めたことが、私たちにとっての最善でした。
藤原:「地震体験車両を活用しよう」というアイデアが出ても、従来の私たちなら「需要なんてないだろう」「現実的ではないのでは」と、行動する以前に否定して終わっていたと思います。
それを「どうすれば実現できるか」と、前向きに可能性を模索する方向へ導いてくれたのが鈴木コーチ。おかげで、前向きな思考に切り替えられました。
また、この会議の特徴は、必ず“結論”と“行動”を決めて終わることにあります。「次の会議までにやる」と自ら決めるからこそ、やらざるを得ない状況が生まれる。鈴木コーチが進捗をチェックしてくれるので、自然と緊張感も生まれます。
私が“お説教”をせずとも、ものごとが進むようになったことは個人的に大きな収穫でした。
藤原:まず、会議の進め方が大きく変わりました。ポストイットに各自が意見を記入して発表することで大幅な時間短縮が可能になり、同時に、自分の考えに集中できるので生産性が上がります。
さらに、「(会社や自分自身の)言いにくい問題」や「ひどい真実」を率直にテーブルに上げ、それを改善に結びつけられることもよかった。
当社の場合、上司と部下の関係性や指導のあり方について、多くの現場社員が感じていた課題があり、それらを解決できたことで社内の雰囲気が格段によくなりました。
「社内で、本当は何が起きているのか」を把握する場としても役立ちました。
藤原:タイヤ事業は、繁忙期と閑散期の波が非常に大きく、タイヤの履き替え時期と、もとに戻す時期の2回が年間の山場です。売上の差は5倍近くにもなり、しかもその時期は気候によって毎年変動するため、正確な予測が難しい。
こうした不確定要素を踏まえたうえで、どれだけ現実的かつ挑戦意欲の湧く目標を設定できるかが、今後の課題です。
藤原:業績拡大には、一面的でなく多角的な視点が必要だと実感しました。以前は、「売上をどれだけ積み上げられるか」だけを追っていましたが、それでは経営の本質を見誤ってしまう。
極端な話、タイヤを半額で売れば購買は進み、一時的には売り上げが伸びる可能性もありますが、利益や人件費を考慮すると確実にマイナスです。
「すごい会議」であらゆる数字を可視化し、前提を見直すことで、今期は在庫管理や働き方改革を進め、経営の健全性が今まで以上に高まりました。
藤原:満足度は90%。会議の生産性が上がり、「やらなければ」と経営幹部の意識が高まったことが主な理由です。決めたことを最後までやり切る実行率も上がりました。
一方で、「すごい会議」の効果を十分に引き出しきれていないという実感が残った10%でした。当社なりに学びは得たものの、運用する精度の未熟さが私たち自身の課題です。
藤原:早く、名実ともに“経営幹部”になってほしいというのが私の期待です。今はまだ、営業視点を持った“事業部の運営幹部”という段階。今後は、経営全体を見渡す視座を身につけてほしい。
数字から“兆し”を読み取る力も、その一つです。経験を要する部分ではありますが、「すごい会議」を通じて数字を見る習慣が根づき始めています。
また、営業は営業、サービスはサービス――そんな縦割りの考えでなく、他部署と連携して事業をどう動かすかを考えることが経営には不可欠。少しずつ、部署を越えたコミュニケーションも生まれています。
今後は、どのタイミングでも経営のバトンを託せるよう、数年をかけて後継者を育てていきます。
藤原:一言でいえば、「自分たちで考える」ことを習慣化する会議ですね。
以前は、経営幹部ですら“受け身”の姿勢でしたが、今では「自ら目標を立て、行動計画をつくり、必要に応じて軌道修正しながら達成を目指す」という流れができた。そのプロセスを繰り返し体験する、教育訓練の場として機能しました。
藤原:事業拡大を目指しながらも、具体的な行動計画を描けていない経営者には、非常に有効だと思います。計画性がなく、流れのままに進んでしまっている企業も少なくないはず。
「すごい会議」は、経営幹部がそれぞれの視点から意見を出し合える場です。人の数だけの知恵を引き出し、組織のエネルギーとして活かしていける。
経営者が「正しい」と信じる道以外にも選択肢があると、私自身が教えてもらいました。
藤原:当社の強みは、大型車両のタイヤ交換における高い専門技術です。今後も安心・安全なサービスを追求しながら、人口減少に伴う市場の縮小を見据え、新事業を含めた展開を進めていきます。
同時に、人員体制の再構築と技術の継承を通じて組織全体のレベルアップを図ります。一人ひとりが自ら目標を設定し、行動するという主体的な成長が、組織を支える力になる。
成果と評価が着実に連動する環境を整え、持続可能な成長への確かな基盤を築いていきます。
宮城県仙台市出身。
大学在学中にすごい会議に出会う。
組織として本当に解決したい問題をテーブルに上げ、チームとして解決する場を提供します。
目標をつくらなければ起きなかったことの実現可能性を最大化させます。