株式会社U-Leading / デルフィーコンサルティング グループ
経営チームに大きなインパクトをもたらす。
そうすると、組織が変わり、人も変わる。
その変化への挑戦のきっかけを創り続けるのが私の使命です。
広島県福山市に本社を構える広島化成株式会社のシューズ事業本部はかつて100億円近い売上を誇った時代があったが、少子高齢化やコロナ禍、円安、原材料高騰、消費ニーズの多様化など、外部環境が変化する中で市場環境は厳しさを増している。そのような状況でどのように事業を成長させていくか——その一手として「すごい会議」を導入することに。
約1年の導入期間を経て、業界全体がダウントレンドの中で戦略的フォーカスにおいて前年比を上回る成果を達成。組織のセクショナリズムを打破し、部門を超えたチームへと変貌を遂げた、その軌跡を聞いた。
インタビュー対象者 溝山 博文氏(取締役 シューズ事業本部長) 久保 友彦氏(シューズ事業本部 副本部長)
溝山:宮地社長が過去に『すごい会議』の書籍を読んだことがあったのと、たまたま福山出身の高橋さんとの出会いがあったそうで、そのご縁で紹介していただいたのがきっかけです。シューズ事業の現状と業績を踏まえて、「やってみないか」と。
ホームページを見たとき「これは普通の研修とは違う、一筋縄ではいかないぞ」と思って、少し身構えていたんです。その後、高橋さんが提供してくれた体験会に参加して、自信に満ちて進行される姿を見たとき、「なんかこれできるんじゃないか」という気持ちになりました。第1回目のセッション中には、半信半疑が期待に変わっていましたね。すごい会議は単なる研修ではない。我々のビジネスそのものを前進させるプロジェクトなんだということが分かりました。
久保:私は最初、体験会に参加して、「なんか夢物語を語り合う場なのかな」という印象を持ったんです(笑)。でも実際のプログラムのDAY1の会議の前半で、今抱えている問題や課題を全部棚卸しして、真剣に直視して向き合わないといけない。先の理想だけじゃなく、我々自身の問題に真摯に向き合う場なんだと分かって、印象が180度変わりました。それがむしろすごく心強かった。

溝山:営業・商品企画・ロジスティクスの各部門が、表面上は良好に接しているのに、腹の中では「商品が悪い」「営業が売ってこない」「ロジが在庫管理をしっかりやっていない」とお互い責任をなすりつけ合っていた。なのに面と向かってその問題を議題に上げて、解決しようという姿勢はほとんど見られなかった。
しかも、過去に業績が良かった時期があるんです。その成功体験があるから余計に、やり方を変えることへの抵抗が強い。成功体験に縛られて身動きが取れなくなっていた部分があったと思います。
久保:一言で言うと、「物事をはっきり言わない古い日本人らしい組織」ですね。「言わない方がいい」「損をしたくない」という空気がずっとありました。なかなか頭では分かっていても自分たちで打破できる手段がなかったというのが正直なところです。
溝山:最初は「5年後・10年後などの理想の姿を描くセッションかな」と思っていたんです。でもそうじゃなかった。まずすごい会議には9つの会議のお約束があって、最初にそれを全員で合意するところから始まった。その場に全員が真剣に向き合うための仕掛けというか。「これは本気でやらないといけないな」という空気が一気に生まれましたね。
久保:すごい会議では、普段テーブルに上げきれていない問題をちゃんとテーブルに上げるための手順として、組織においての言ってはいけない問題やひどい真実を引き出してくれます。先の話をする前に、今の現実をちゃんと見ようということ。それが非常に印象的でした。
あと、「どうすればできるか」という問いの立て方ですね。「なんで売れないんだ」「なんでそんな商品を作るんだ」という責め合いが、「どうやったら売れる商品が作れるか」に変わっていった。ネガティブな投げ合いが、建設的な議論に変わっていく瞬間を何度も見ました。
DAY1の後半にチームで目標を作ったあと、高橋さんから「この目標には自分に100%責任がある」という考え方を教わったことも大きかったですね。それまでは営業は営業、商品企画は商品企画と、それぞれ自分の役割をしっかりやればいいという感覚でいた。でも目標に100%責任があるとしたら、自分の役割を飛び越えて助けようとか、アイデアを出そうという気持ちに変わっていきました。

溝山:高橋さんから「受注に至るまでの営業プロセスを見える化しましょう」という提案をもらいました。アポイントでつまずいているセールス、商談力が足りないセールス、クロージングを先延ばしにするセールス——20名近くそれぞれがどこでつまずいているかが鮮明に見えた。具体的にそのボトルネックに対処できて営業プロセスの改善につながったのが大きかったです。
また商品企画が自発的に外部の学術機関と連携し、顧客ニーズに応える機能を粘り強く研究・検証したことも変化の象徴です。その結果、人間工学賞の受賞やヒット商品の開発へと結びつきました。
久保:営業と商品企画の壁がなくなっていきました。以前はセクショナリズムが強くて、それぞれが自分の部門や役割を全うしようとする文化だった。それが徐々に部門を超えた動きが生まれてきました。営業が商品企画に製品の機能や特性を積極的に聞きにいくようになったり、逆に商品企画のメンバーが商談に同行してお客様の声を直接聞こうとしたり。組織が一つのチームとして動き始めた感覚がありましたね。
溝山:問題解決の4STEPですね。冒頭でもお話したように「すごい会議」は研修とは全く違って、我々のビジネスを前に進めるものです。その1つの手法として、この問題解決の4STEPは、実務に即した問題解決が図れるので、そこが一番印象に残っています。しかもいろんなシーンで使えると思うんですよ。仕事だけじゃなく、家庭や人間関係にも応用できる。
久保:特に4STEPの中でも「事実と解釈を分ける」というステップ。うちは商品開発の感性の世界と、営業の数字の世界が混在しているんですよね。「私はこのデザインが好き」「あのブランドが好き」という感性の話が先行しがちで、議論がかみ合わないことが多かった。そこから「事実は何か?」という事実ベースでの問題解決の進め方は、シューズ業界のような感性と数字が混在する現場にこそ刺さるものがありましたね。
実際に受注活動の問題解決でも、4STEPを使って議論が大きく前進した場面がありました。商談数は増えていってはいたが、なかなか受注までは至っていなかった。そこに「どんな事実があるのか?」と見ていくと、商談時点で次のアポイントを決めていなかったり、いつまでにオーダーをもらうかという話を商談中にしていなかったり。フロントライン(現場)で実際に何が起きているのかの事実が、初めて見えるようになりましたね。これらの事実がわかれば、自ずと解決策も見えてくる。これが4STEPのすごいところだと思います。
溝山:設定した戦略的フォーカス(目標)「下期秋冬新製品・新規品の受注3億円・粗利35%」を達成しました。業界全体がダウントレンドの中、前年比を上回ることができたのは我々にとって非常に大きな成果です。最初にこの数字を目標として掲げたとき、正直ほとんどのメンバーが「本当に届くのか?」という感覚でした。でも高橋さんから何度も何度も戦略的フォーカス達成のために何が可能か?と問われていく中で、問題解決を繰り返し達成できたのは我々の大きな自信に繋がりました。
細かい取り組みはたくさんありましたが、目標達成までのプロセスにおいて一番大きかったのは、部門間及びマネジメント層と現場の壁(縦と横の壁)がなくなったこと。縦と横どちらか一方だけでは、おそらくここまでの数字は出なかった。営業、商品企画、ロジスティクスが同じ目標に向かって動いてくれた。(横の壁)また、現場で起きていることを我々が吸い上げて打ち手を示し、それを現場が実行まで取り組んでくれた。(縦の壁)その掛け算がこの数字に出たんだと思います。
高橋(コーチ):私が直接関われるのはセッションメンバーの5名の方だけですが、会議で決めた作戦を実行していくのはセッションに参加していない営業を含むフロントラインに立つ現場の皆さんです。コーチという立場からは「皆さんでなんとかしてください」とある意味ぶん投げた部分もあった。そこから、溝山さん久保さんを初めとしたセッションメンバーの皆様が自分たちで考えて、現場への届け方を工夫し、朝礼のやり方を変えたり、現場の皆さんへの理解を深めるコミュニケーションの場を作ったりなどをしていった。その結果、想像をはるかに超えて会議で決めたことが現場で実行されていた。本当に皆様の問題解決が素晴らしいと思いました。正直なところ、決めたことが本当に実行されるのか、途中まで心配していました(笑)

溝山:最初にお会いしたとき、とにかく自信に満ちているんですよ。イケメンで(笑)、雰囲気もあって。でもそれだけじゃなくて、我々に対して真剣なんです。だからこそ「こちらもギアを上げないといけない」「中途半端ではダメだな」と自然に思わせてくれる存在です。
またセッションメンバー5名が様々なことを言う中で、問題解決に繋がる意見とそうでない意見を瞬時に判断し、うまくまとめてくださる。そのプロフェッショナルな進行力に毎回驚いていました。持ち上げすぎですかね?(笑)
久保:私はとにかく一貫したスタンスを感じていました。溝山の言う真剣さはありながらも高橋さんは先頭に立たないんです。私たち5人が走る。それを支えてくれている。みんなの意見を引き出すことはするが、決めるのはいつも私たち自身である。その一貫したスタンスが、「自分たちがやらなければならない!」と考えて動く主体的なチームをつくってくれた気がします。自走できるようにという「親心」みたいな感じでしょうか。

溝山:部門長レベルではひどい真実を話して問題解決できるようになってきた。次は課長以下の層にも、同じ関係と問題解決の文化を浸透させていきたい。そうならないと、本当の意味での組織や業績の改革はないと思っています。
久保:課題として、まだまだ組織全体で「どのようにすれば〜ができるだろうか?」を常に考えるといったところまではできていません。今まで何十年もそのように考えてこなかったですから当然と言えば当然です。だからこそ今後もこの「すごい会議」のやり方を使って、次に直面する課題から戦略的フォーカスを作成し、さらに今まで以上に現場を巻き込んで取り組み続けること。それに尽きるかなと思います。
溝山:過去の成功体験を持ち、なかなかそこから脱却できない企業に、すごい会議は非常にフィットすると思います。我々もそうでしたが、何とかしたいと思っていながら打ち手がない企業も多いと思います。
あと会議が報告主体になっているような組織も1つかな。経営者からすると、ストレスを感じることも多いと思うので、そこに「ひどい真実を出す文化」や「問題解決の会議体」としてすごい会議を導入すると、変化の起爆剤になると思います。
久保:同じですね。成功体験に縛られている、でも市況は常に変わっていくので、本来は変化し続けなければならない。そのことは頭ではわかっているけれど、なかなか変われないという組織にこそフィットすると思います。自分たちはうまくいっていると思っている方には刺さらないかもしれないですね。

経営チームに大きなインパクトをもたらす。
そうすると、組織が変わり、人も変わる。
その変化への挑戦のきっかけを創り続けるのが私の使命です。