すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

「すごい会議」は投資効率最高の「人」への投資 新規顧客の全国チェーンから販路を拡大し、 5年計画の売上目標の達成を2年前倒しへ

富士ホールディングス株式会社/富士工業株式会社

設立
1941年12月30日
資本金
3億円(国内法人のみ)
従業員数
846名(2019 年 3 月現在)
事業内容
レンジフードメーカー
担当コーチ
富永 浩義

勢い任せで「すごい会議」を導入 「1人アタマの教育コストと考えれば、全然高くない」

導入前に御社が抱えていた課題はどのようなものでしたか?

私が「裸の王様」になってしまったことでしょうか。弊社のようなオーナー企業にはよくあることですが、 私が 4 代目で社長を継ぎ、ワンマンというほどの力がなくとも社員達が「社長が言ったから」と従ってしまう。 あの刑事ドラマのように「事件は現場で起きている」のは仕事も同じですよね。弊社の場合は開発や生産などの部署があり、その現場で起きた問題でも私の判断を仰ぐような状況でした。時間もロスしますし、自己判断できる主体性を求めていたんです。

御社の業務内容について教えていただけますか?

当社は主に家庭用キッチン換気扇の開発から生産・営業まで行うメーカーで、今年で創業 78 年になります。 OEM と自社ブランドの両方を扱っており、比率は約 3 対 1 の割合。おかげさまでレンジフード業界ではシェア約 60%を超えています。

業界トップのメーカーでありながら、どのようなきっかけで「すごい会議」を導入したのでしょうか。

弊社のお客様にあたる企業から紹介していただいたんです。社長の息子さんとたまたま年が同じで、良く食 事に行っていたんですね。3 年ほど前、2017 年の春に彼と食事をした別れ際に、いきなり「すごい会議」っ て知ってます?」と聞かれたんです。全然意味が分からず「なんですかソレ?」と聞き返し、その時は何の説明も無く、次の食事の時に富永さんにも同席していただいた次第です。

最初のイメージは「ジェントルマン」。「こういう雑誌に載っているような人が現実にいるんだ…」と。おしゃれなフレンチレストランだったこともあって、すっかり空気に飲まれました(笑)。そんな状況で「すごい会 議」のことを伺ってもなんだか具体的に理解できず、会社に来るというから「コンサルですか?」と聞くと、 それも違うと。

「じゃあやってみた方が早いか」と思って、当社に来ていただき 10 分程度の簡単なトライアルを行いました。 経営企画部の部長と課長が参加したのですが、そのわずかな時間でも視点のズレが露骨に出ましたね。

私としては会社全体の大きな課題について話して欲しかったのですが、課長は非常に狭い自分の担当の話しかしない。部長はもう少し広い視点を持ってはいましたが、自分の部署ではない営業のことや生産的な視点は 全く入っていませんでした。

弊社は住宅関連産業ですから、人口が減っていく中で先々業績が厳しくなるのは目に見えています。こういった問題が見えておらず、認識に大きなズレがあると感じました。

「導入する」と決断した 1 番のポイントは何でしょうか。

半分以上勢いというか直感ですね。ちょうど世代交代をして私が社長になったタイミングだったんで、私も含めて、新しい世代が主体性を持って改革していくべきだと感じていたんです。実はこう見えて、まだ 37 歳な んですよ(笑)。

当社は会議が多いのに、決めるべきことが決まらなかったし、コミュニケーションも取れていませんでした。 呑み会でたわいもない話はするのですが、業務上の課題を本音で話し合うことはなかったんです。

そういった視点から見ると、本音で課題に向き合って自分たちで解決していく「すごい会議」の仕組みがち ょうど良かった。みんな仲はいいんですが、特別尖った個性の人がいるわけでもなく、はっきり物を言えない まま来てしまったので、大きく改革するためには外部の刺激が必要でした。とにかくやってみて、ダメならやめたらいいと考えていたんです。

「すごい会議」はお安い“買い物”ではないと思うのですが、即決されたんですね。

ドーンと出てきた金額は確かに大きかったので参加した他の 2 人は目が丸くなっていましたし、専務や常務達を説得するのは少し骨が折れました。でも、社員を頭割りして一人分のコストと考えればたいした金額じゃ ないんですよ。

以前から社員を外部の研修に行かせていて、1 人 10 ヶ月、100 万円前後の費用がかかります。ただ幹部育成という側面が強かったので、もっと社内全体を変える仕組みが必要だなと。常々「人に投資をするのが、1 番効率がいい」と考えていましたしね。

今の「失敗」を、未来を作る「経験」に変える 失敗を恐れず、“高すぎる”目標を設定して変革を一気に推進

導入当初はどのような課題に取り組みましたか?

当社は、「石橋を叩いて成分を調べるような会社」だと、他社の方に言われたことがあるような社風です(笑)。 失敗は良くないという恐れが強く、回避するために力をつくす、というようなことですね。

しかも今は大分良くなりましたが、密かに「社長対策会議」なるものがあったようで、社長の言葉が絶対になってしまうんですね。生産や開発は私のキャラを知っているので問題は無いのですが、営業や商品企画の担 当者は「社長にどう納得してもらうか」が命題になり、報告を挙げる前に、「社長がどこを突っ込んでくるか」 など、念入りにシミュレーションしていたらしくて(笑)。

そんな状態でしたから、会議で目標をたずねても、「1%アップ」なんて必ず達成できるような小さな数字し か上がってこなかったんです。

「すごい会議」導入当時のメンバーは、営業副本部長が 2 人(内、1人は海外拠点現地責任者)、開発副本部長、生産副本部長、商品開発の本部長。基本的に本部長クラスは外して、次世代を担う副本部長を中心に若手を選びました。その上で戦略的フォーカスを組み立て、売り上げと経常利益の数字目標を決めてもらいました。 それまで、中長期の経営計画はトップから降りてきて、みんなはどう達成するかを考えれば良かったので、「自分で考えて数字を作る」ということに戸惑っていたようですね。

社員の皆さんは「数字を作る」ことに慣れていかれましたか?

そうなんです。「すごい会議」に取り組むうちに、エイヤっと開き直って「じゃあ何億!」と言い出す社員が 出てきたり(笑)。現実的には無理な目標で失敗したのですが、いい傾向だと思いました。

実は先代の時代にも、中期経営計画でありえない金額が出てきたことがあるんですよ。当時の私は、そのムチャを受け止める側で、「どうやってやるんだ、無理だよ」と思ったものです。しかし、先代は「無理かどうか ではなく、どうやって達成するかを考えろ」と言っていて……。そういえば、同じことなんだなと感じました。 できる、できないはあくまで結果論ですから、やる前から考えてもしょうがないんです。結果は誰にも分からない。達成するために何をすべきか? これが肝心です。

失敗を恐れなくなってきた、ということですか?

私も含めて、みんな「まずやってみよう」「失敗した らそこからもう一度考えればいい」という思考が身につきましたね。議論ばかりしていても何も変わらず、 もちろん売り上げも伸びません。「とにかく着手してみる」ということが習慣になりました。

3 年前に立てた中後期経営計画にも、3C=チャレン ジ、チェンジ、コミュニケーションと掲げていたので すが、「チャレンジしても、失敗したら評価が下がるんでしょう?」と受け止められていました。ところが「すごい会議」で方針が明確になり、指示が具体的になったことで「何をどう頑張ればいいか」が分かり一人一 人が動きやすくなった。これが失敗を恐れなくなった 理由でしょう。その時点では「失敗」だったことでも、 未来に目を向ければ「経験」に変わります。これは大 きな財産になりますよ。

今までと同じことをしていても結果は変わりません。 たとえば 1%アップという程度なら、やり方を変えなく ても 頑張れば達成できます。じゃあ、これを倍にす るとしたら、何をやればいいのか?製造業では「コストハーフ」という考え方があります。「コストを半減す るとしたら」と仮定すると、「ちょっとした改善」程度 では追いつかないので、自動化する、材料を元から変 えるなど「発想そのもの」を変える必要があります。 経営課題も同じで、失敗を恐れず思い切った目標を立 てると考え方がガラリと変わります。一応これまでも大胆なアイディアが出ることもあったのですが……結局コミットせず、その場だけ終わってしまうということばかりでした。ところが「すごい会議」に取り組み、 実際に行動するようになりました。

今は社内コーチも活躍されていると伺いました。

「すごい会議」導入当時のトップチームのメンバーから 4 人を「すごい会議」の社内コーチとして育成し、 「すごい会議」のジュニアチームを運営してもらっています。ジュニアチームは目の前の現場の課題を解決す るためのチームで、私は顔を出しません。基本的にはすべて彼らに任せています。

私の目から見ると、現場のことを決めてくるというのがいいですね。課題にどう対処したかということがは っきり分かり、もちろん多少の失敗はあれ、総合的に見ていい結果が出ています。

私のワンマン問題も、社内コーチ達が「社長に言わせてはいけない」と上手くフォローしてくれています。 社員が上役を飛ばして私の判断を仰ぐ、といったケースが減ってきたんです。私自身はまだまだですが。(笑)

「何がスゴイんだよ!」とツッコミたくなる反骨心を追い風に 全国チェーンの大規模顧客獲得で過去最高売上を記録

特にどのような点で変化を実感しましたか?

一番大きい結果は新しい販路を開拓できたことです。具体的には、大手コンビニエンスストアチェーンの店 内で使うフライヤーの換気扇を受注することができました。手前味噌ですが、その企業から「優秀企業賞」として表彰までしていただきました。

内容は働き方改革に関わることです。毎日 15 分フィルターを掃除していたところ、弊社の換気扇なら 1 週 間に 1 回 5 分で済むんです。環境も含めて設備として貢献したということですね。

そんな「すごい換気扇」が、今までは家庭用のみの販売だったのですね。

5 年前の発売以来大ヒット中の機能で、フィルターの代わりについている円盤が油をブロックするから、換 気扇内部には油汚れがつき難いんです。円盤手前についているトレイを捨てて、円盤は水とスポンジでサッと 洗えば OK。洗剤も不要です。一般家庭向けに納品しており、これが当社の屋台骨を支えてます。しかし、コ ンビニの件をきっかけに各方面から話を聞いてみたところ、さまざまなニーズがあり、これからは業務用への 販路が大きく開ける、とても伸びしろがあると手応えを感じています。

家庭用では IH 専用で配管不要の循環式レンジフードも人気です。実は家庭用の換気扇はどのタイプでも 3 時間程度で取り替え可能なんですよ。

売り上げなど、数字面でも変化があったのでしょうか。

当社は 11 月が年度末なのですが、3 年前に立てた中期経営計画で、5 年間かけて達成する予定だった売り上 げ目標を、今期達成する見込みとなりました。実は社員一同戸惑っているんですよ(笑)。

もちろんこれは「すごい会議」のおかげです。具体的な成果は今までお話ししたとおりですが、他にもいい 意味で社員の反骨心の現れでもあると思います。

直接「すごい会議」に加わっていない社員の方が多いし、「すごい会議」って名称がダイレクトすぎて微妙じゃないですか。「何がスゴいんだよ!」と突っ込みたくなりますし、答える方も「…とにかくすごいんだよ」と 言うしかない(笑)。「だったらやってやる」「どうすごいのか見てやる」という気持ちもあったかもしれないと感じています。
2017 年の 9 月に導入して、今 2 年目を終えようとしています。右肩上がりの均一な直線で成長したのではなく、2 年目に入ったあたりから急カーブを描いてギュンと伸びたと思います よ。

コンビニの案件以外にも、 シンガポールと上海にある 海外拠点の業績が伸びてき ています。国内のレンジフ ード市場が縮小する中で、 海外市場の開拓は大切です。 国内では業務用に加え、認知度の低い家庭用レンジフ ードの単品交換に力を入れ ていく予定です。

「すごい会議」じゃなくてもいい でも、「変わらなきゃ」と言いながら、行動しないのは最も悪手

「すごい会議」によって社長ご自身が変わった事はありますか?

私自身もチャレンジと失敗の意味と大切さを改めて感じました。体育会系ですし、実は無鉄砲になんでもや ればいいと思っている面もあったんです。「すごい会議」の導入を決めたときもそうですよね。成功したから良かったけれど、失敗していたら袋叩きですよ(笑)。

チャレンジした後の PDCA や反省が大切ですよね。やりっ放しにせず、期限や明確な目標を設ける必要があります。気合いと根性論でやってきましたが、今は「何をもって成功とするのか、失敗とするのか」と明確に 線を引くことができます。どっちみち頑張るのは同じですが、「頑張り方」が変わりました。

今、富永コーチにどのような印象を持たれていますか?

紳士だなと思った当初からイメージは変わらないですね。初対面の時から意気投合して、紹介してくれた方 は帰ってしまったのに二人で深夜 1 時ぐらいまで話し込んでいましたし。

最初に富永さんから聞いた、「愚か者の定義」が今でも強く印象に残っています。企業を経営する上で今までと違う結果を求めるのは当たり前ですよね。基本は右肩上がりでの変化を望みます。それなのに、同じことをしていても、結果が変わるわけがない。やり方を変える必要があるんだ、といったことです。

「すごい会議」の導入を振り返ってどう感じていらっしゃいますか。

もちろん取り組んで良かったですよ。そうじゃなきゃ今日のインタビューも受けていません(笑)。心底効果を実感しているので、私の弟にも導入をすすめました。彼は母方の祖父から事業を引き継ぎ、横浜でレストランやゴルフ練習場を経営しています。彼は今年の 6 月に社長になりましたが、4 月から若手コーチを迎えて「す ごい会議」に取り組んでいます。実は彼も弊社で修業していたので、「すごい会議」の様子を知っていて、「人が変わったのがすごい」と話していました。特にトップチームのメンバーである開発副本部長が本当に変わっ たんですよ。

開発は一般的に「取っつきにくい部署」の代表ですよね。技術者は気むずかしく、極端に言えば、営業が「お客さんがこう望んでます」と言っても、「できるわけないだろ」と突き返すようなイメージ。ところが、「すご い会議」に取り組んだ副本部長は、そこで「できるかできないか?じゃなくて、やるかやらないか?だよね」 と答えるようになりました。それを聞いて、私はもう言うことはないな、と思いました。

どのような企業が「すごい会議」で成果を上げられると考えますか?

よく「今は先行きが不透明な時代だ」と言われますよね。でも私が聞きたいのは、「先行きが透明な時代があったのか?」ということ。実際は今も昔もこれからも、永遠に先行きは不透明なんです。そのような中で、「フレキシブルに」「変わらなきゃいけない」と口にしながら、何も変えていない企業にこそ「すごい会議」を薦めたいですね。

あえて言えば、それは「すごい会議」じゃなくてもいいのかもしれない。色んなメソッドがありますからね。 1 番の問題は何もやらないことです。

私自信は富永さんと「すごい会議」に出会ってこうしていい結果を出しているので自信を持って薦めますけ れどね。もちろん誰から見てもわかりやすい数字面での結果は素晴らしい。けれど、私自身は「変わったと実 感できる」ことに満足しているんです。私自身も仲間も変わって、いい結果を生み出せる体質になってきたということかな。やはり何より大切なのは人だと信じていますから。

結果を生み出す体質へと変わった今、これからの目標を教えていただけますか?

3 年前に 5 年分の中期経営計画を立てたとき、実は 10 年後の目標も決めているんです。ただ、現中期経営計 画の目標数値を前倒しで達成しそうなので、その 10 年後の目標も前倒しする必要がありますし、来年どういう 数字を作るのかも悩ましい。初の上方修正という難題に取り組んでいます(笑)。

個人的な目標としては、会話の引き出しを増やしてユーモアのある物言いを身につけたいと考えています。

「いい社長」とは「無条件に好かれる社長」とイコールではありません。今は結果が出ていても、いつか必 ず停滞する時期がやってきます。その時に嫌われてもいいから言うべきことを言う、これが社長として何より 大切な仕事です。そういった厳しい話を、ユーモアを交えて相手を萎縮させずに伝えられるようになりたいん です。

そのためには見聞を広めなければなりません。富永さんの例え話も参考になります。印象に残っているのは 「象はどのように食べますか?」という質問。大体「煮る」とか「焼く」とか答えるのですが、富永さんは「最初に切って小さくしないと食べられないでしょ?」と答えるんです。

昨日もちょうどその例えを使わせてもらいました。「経営理念が浸透していない」と相談されたので、「理念 が『浸透』しないというのは大きすぎる話だよね。先に『共感』する必要があるし、それ以前に『納得』があ って、そもそもはみんな経営理念を知らないのが問題だよね」と話しました。

『浸透』を目標にすると課題が大きくなりすぎるので、象を切るように小さくステップを刻んで、一つ一つ 考える必要がある、ということなんです。

こういった話し方を身につけるために、多くの方と会い、本を読み、できれば世界中を旅して知らなかった 世界を見てみたい。

今は「すごい会議」を通じて新しい世界を見ている最中とも言えますね。人が大きく変わったこの先、どん な変化が訪れるか楽しみにしています。

富永 浩義 とみなが ひろよし

株式会社ハミングバード

SE時代、徹底的な業務分析を基に最適なシステム設計をするプロとして活動。”クライアントよりもクライアント業務に精通する男”と言われる。
2005年に「天職=すごい会議」に出会い、SE時代に培ったビジネス分析能力をフル活用し”すごい会議バカ一代”として絶賛活躍中

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