すごい会議の実施例 > 株式会社ホテイフーズコーポレーション

株式会社ホテイフーズコーポレーション

設立 1947年9月
資本金 97,500千円
従業員数 425名(平成27年度9月末現在)
事業内容  缶詰・レトルトパウチ食品の製造販売、缶飲料・ペットボトル飲料などのOEM生産
担当コーチ 富永 浩義

「無難な目標設定は“カッコ悪い”よね」高いチャレンジの背中を押して、歴史ある自社ブランドをさらなる飛躍に導く

値下げ提示に対して「ごめんなさい」と言える営業体質へ
赤字部門にメスを入れ、億単位の改善を達成

「すごい会議」を知ったきっかけはどのようなものでしたか?

2年半ほど前に、義理の兄でもある「あいネット」の杉山さんから、「よい改革ができるよ」と教えてい ただき、富永さんと会うことになりました。会う以前に「すごい会議」に関する書を読み、「会議が短時間 でスムーズに進行する」手法なのであろうと理解したものの、会社の改革にどのように繋がっていくのかと疑問を感じていました。

しかし、富永さんとの打ち合わせの席で現状分析などについて改めて問われることで、私の中で「社長 として会社をどのようにしていきたいのか?」「今の問題点をどのように捉えているのか」といった考えが まとまっていきました。
たしかに、まず私の考え方がしっかりしないことには、みんなの声を聞き、判断することはできません。自分の中での意識改革が必要になりましたね。
また、富永さんと話すうちに、戦略の部分が課題だと気づくこともできました。戦略を立てて実行に移すために必要な方針は何か、みんながどのような気持ちで取り組んでいけばいいのか。そういった具体的なテーマが見えてきたのです。

「すごい会議」導入当時の課題を教えて下さい

私たちは様々な分野の事業を行っています。たとえば自社ブランドの「やきとり」の缶詰は45 周年を迎えるロングセラー商品です。他にも自社ブランドのツナ缶など缶詰類、清涼飲料、流動食、 ベビーフードなど様々な事業がありますから、時代の流れを読みながらどこに力を入れて稼いでいくのかが問われます。一時期は厳しくても、また盛り返してくることもありますしね。

「すごい会議」に出会った当初は、自社ブラン ドの缶詰が非常に厳しい状況であり、いかにして 黒字体質に変えていくかがテーマでした。ツナ缶の原料となるマグロの値段が急上昇したり、為替の変動が起こったり、東日本大震災で気仙沼の製造工場が流されてしまったりと、様々な要素が重なり自社ブランドの収益が非常に悪化していた時期に当たります。
やきとり缶などはまだいいのですが、ツナ、貝類、フルーツ類などは大きな改善 が必要でした。私自身はこのような課題を認識してはいたものの、明確な販売戦略を打ち出せずにいたのです。

そこで、「すごい会議」で検討を重ね、「売り上げを作るために売る」ことをやめました。自社工場もありますから、それまでは売って赤字になる商品でも「数量を稼げば改善するのではないか」 と期待して続けてきたのですが......。
特に競合他社が多くコモディティ化しているツナ缶に大きな問題がありました。スーパーが直接輸入しているケースもあり、メーカーの役割が薄れ価格のみの競争になっていたのです。もちろん味の違いはありますが、海外商品も一定レベルに達していますから、一般消費者の方から「いや~ホテイの缶詰は美味しいね、買うよ」と言っていただけるやきとり缶のような差別化はできないのです。

ツナ缶販売が赤字だった理由はコストが高く、売価が安いからです。スーパーは「他社さんと同程度の価格でないと買えない」と言いますし、営業経費を稼ぐため数に頼らざるを得ない面がありました。為替が急激に変わった時期にあたり仕入れコストが一気に上がったものの、売価は徐々にしか上がらない。そのタイムラグが逆ザヤになってしまうんですね。

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「すごい会議」導入後に、ツナ缶の生産を半分にし、他の商品に力を入れることで売り上げをキープする方針に舵を切りました。
「ツナ缶で“損”をしている」という認識は共有できていたので、生産コストよりも安い売価を提示された時には「他の商品でがんばります」とお断りする。
業界全体が厳しい時期でしたが、「こんなことを続けてはいけない」と考えメスをいれたのです。この過程で、「ごめんなさい」が言える営業に変わりました。
「この値段ならおいてあげるよ」と言われると、営業は「じゃあ、それで!」と言いたくなるものです。自分の評価にも関わりますからね。
もちろん経営側も同様でしたが、改革を通じて、 数で成績を評価することをやめ、「赤字を改善し100万円利益を出す」という目標を立てました。
結果はツナ缶販売を4割程減らし、強みのある商品を増やすことで億単位の赤字改善を達成することができました。

現場力アップでコンビニシェアを拡大
ロングセラー商品の売り上げが2年で約2倍に!

他にも新たな取り組みなどがあれば教えて下さい

ツナ缶を削減した上で全体の売り上げを維持するために「何を売るのか」が大きな課題となります。そこで、自社ブランドの「つぼ焼風味」や「つぶ貝味付」などの貝類に力を入れ、いい結果に繋がりました。 昔からある商品ですが、すべてのコンビニに置いてある訳ではなく、他社の商品が入っている事も多かったのでそこをひっくり返したり、スーパーでも売っていくために新たな取り組みが必要になりました。

「すごい会議」では会議を進行するメンバー6名の他に10名程度のオブザーバーを付けました。「会社全体がどこへ向かっているのか」という大切な方針を決める過程に、より多くの社員に関わってもらいたいと考えたからです。
そのオブザーバーの1人である、コンビニ系営業担当の社員が、「貝類の売り場は広げる余地がある」と提案してくれたのです。
貝類はあまりプレイヤーがいない上に、利益率もいい。気仙沼で作ってきた商品なのですが、被災した工場が復活したタイミングとも重なり、稼働率も上がりました。 当社は貝類の買い付けに強く、よい品質の原料を使って直火焼きでいい味付けができているのです。ツボ 焼きもツブ貝も美味しいですよ(笑)。
こういった優位性を、現場の営業担当もしっかり説明してくれました。貝類は前期も今期も4割ほど伸び、約2年間で2倍近くに増えたのです。

会社全体として変革した部分はありますか?

「すごい会議」で方針を決めた後に、「どう実行していくか」が大切ですよね。その点、オブザーバーとして各支店の代表者が入ってくれたことで会社全体の雰囲気作りができました。
コミットメントを打ち出 し、進捗状況を管理し、成功事例を共有することによって目的意識が明確になり、各自が「自分が何をすればいいのか」をはっきり理解できるようになりました。
たとえば、まず「貝類を扱っていないコンビニ はどこか」と考えた場合、「当社の他の商品が入っていればルートはある」「ではどこの棚にいれてもらうのか」「本部に商談するのか問屋と商談するのか」とはっきりした目的の下でしつこい程に動いてくれまし た。「やらされている」のではなく「何をやるべきか」を自発的に考え実行してくれるようになったんです。 その熱意が取引先にも伝わったと思います。

当社は全国で商品を販売しているため、「大阪で売れても東京で売れない」「あちらでこの値段で売れても、こちらでは売れない」ということが多々あります。
やきとり缶は東京では塩が一般的ですが大阪ではタレの方が売れるんですよ。
このように地域によってお客様の嗜好が異なりますから、売り方や価格帯を考える上で現場力が非常に大切になります。この点でも目的が共有されたことを力として現場が頑張ってくれたおかげで、今はほぼ全てのコンビニに置いていただいています。

他には現場で働いている人々と上層部の間にあった認識のズレやギャップも改善されましたね。また、 遠慮しがちだった若い社員達も自分の課題をはっきりと宣言し全力で取り組んでいける。
チャレンジして、 もし、つまずくことがあっても、上司がサポートできる体制が整いました。

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僕に対しても厳しかった。「こんなことも、わからないんですか」と

「すごい会議」を導入してよかったとお感じになりますか?

もちろん「やってよかった」と感じています。「すごい会議」のよいところを取り入れ、80年を超える歴史を持つ“ホテイの文化”とあわせながら、改革を加速させていきます。が、このあたりが緩んできたら富永さんに再度お願いしようかと思っています(笑)。

会議を継続していくために、富永さんに担っていただいていた司会者のポジションを業務改革部長が 引き継ぎました。さまざまな部門を改革していく立場を生かして機転を利かせて話を振り、結論へと導いていくように頑張っています。富永さんにお願いしていた当初の会議体のままではなく、新たなプロジェクトチームが続々と立ち上がり結果を出してい ますよ。

また、私と社員の距離が縮まったのもよかった。 元々OEM部門を担当していたため、自社ブランドについて深く追い切れていなかった側面もありましたが、現場の意見を聞きながら問題点や方向性を把握できるようになりました。
私が先頭に立たねばならない面はありますが、社員たちが迷っている時には対話する時間を作り、共感し、一緒に解決策を探しています。

「すごい会議」や富永コーチの印象はいかがですか?

「すごい会議」を導入し、実際に会社の数字が伸びた義兄の「よかったよ」という言葉を信じて、「とにかく賭けてみよう」という気持ちで決断しました。 結構値段もしましたからね(笑)。
取り組んだ結果、 方針を打ち出すだけではなく、オブザーバーの意見を取り入れながら社員達が積極的に動くところまで到達でき、とてもよかったと実感しています。

富永コーチは非常に深く本筋を捉えている方。「どこを押せばどうなるか」がわかっているので、答える人の背中を押すような問いかけをするのです。
みんなは厳しいと感じる面もあったでしょうが、「言っちゃえ、宣言しちゃえ」と、高い目標を立てる後押しをしてくれたのですね。
もちろん僕に対しても厳しかったですよ。「こんなこともわからないんですかね」と言われたりね(笑)。

きちんと準備してこないと富永さんの質問には即答できないのです。特に数字を把握していないから答えられない。現実がわかっていないと気づかされ、反省と改善につながりました。その上で、様々な数字の中で「どこがポイントか」という数字の見方を教えてくれました。どの数字がどのように変化すれば 「業績が上向いている」と確実に判断できるのか。会社内にはいい数字も悪い数字も沢山あります。数量、 売上高、限界利益、営業利益、経常利益などなど、立場に応じて重要になる数字が変わるのは当然ですが、 みんなで「キーになる数字」を共有化することができました。これが非常によかった。

また、「ブレイクスルー」という言葉が印象的です。「状況に合わせた無難な目標ではカッコ悪いよね。 もっと高い目標に向けてチャレンジ意識を持って取り組もう!」ということです。
「できなかったらどうし よう」と不安を抱いていても高い目標を言える雰囲気を作ってくれる。みんなのモチベーションが大きく跳ね上がった。これがすごかったですね。

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今後の目標をおしえていただけますか

会社全体が一体となり、もっと上のレベルに上っていきたいですね。
「すごい会議」導入の背景には赤字を削減するための応急処置という面もありましたが、今は会社の恒常的な成長を目的とした3カ年計画に取り組んでおり、まずは自社ブランドをさらに成長させることが急務です。

私は社長に就いているものの年齢は40代後半とまだ未熟です。社内には、50代、60代の先輩がおり、若い社員もどんどん育ってきています。
先輩から知恵をもらい若い人の意見を聞く。
そして現場の苦労に共感し、みんなで喜びを分かち合い、成長を続けていきたいですね。

日時:2015.08.17 
フォトグラファー:ケニア ドイ 
ライター:菅原 りさ

担当コーチ

黒帯

富永 浩義
とみなが ひろよし

株式会社ハミングバード

SE時代、徹底的な業務分析を基に最適なシステム設計をするプロとして活動。”クライアントよりもクライアント業務に精通する男”と言われる。 2005年に「天職=すごい会議」に出会い、SE時代に培ったビジネス分析能力をフル活用し”すごい会議バカ一代”として絶賛活躍中

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