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株式会社 日建設計総合研究所

設立 2006 年
資本金 1億円
従業員数 所員数:69名
事業内容  都市政策支援/都市・地域計画/都市・地域開発/スマートシティ、エコシティ/ コンパクトシティ、TOD/モビリティデザイン/都市防災、DCP/健康・福祉まちづくり
ZEB(Zero Energy Building)計画指針、実現支援/都市・環境ガイドライン/地域エネルギー計画 エリアマネジメント/エネルギーマネジメント(省エネ、未利用・再生可能エネルギー利用)/交通需要マネジメント コミッショニング/事業化支援/PPP(Public Private Partnership)/ESCO 事業支援 環境性能評価/都市経営情報分析/都市解析モデル・シミュレーション/環境・エネルギーシミュレーション
担当コーチ 富永 浩義

年間受託額 20%アップの達成の原動力は 「やるべきことを見つけ出し、実行する力」 誰もが「日本ナンバーワン」と認める研究所へ

「創った仏に魂を入れる」ため、すごい会議を導入 まず所員の“目の色”が変わった

すごい会議導入のきっかけと、「解決したい」と考えていた課題を教えていただけますか

当社の所員はほぼ全員が研究者です。第三者性を強く打ち出す狙いもあり、日建グループの各部署に所 属していたエキスパートを集め、2006年から日建設計総合研究所として独立しました。都市と環境を中心 に、CO2削減をはじめとする幅広い分野を取り扱っています。

しかし、「研究所」という性格上、研究成果を出すことを重要視していたため、一般の企業と比較すると 経営効率がはかばかしくない状態が続いていました。しかしながら、「研究所」とはいえ「企業」として成 り立たなければ今後の存続が難しい。そこを改善するためにすごい会議に取り組みました。つまり、所員 に自立心や経営マインドを持って研究に打ち込んでほしいということを目的にしました。

私が所長に就任したのは昨年ですが、研究員の顔が外部に露出し研究内容が外の方にも見えるように組 織改革を行ないました。「仏を作って魂を入れず」という言葉がありますが、去年は「仏様を作った」状態 です。今年は「魂を入れよう」と考えていたところに、すごい会議と富永さんを知りました。会長の安 (あん)から「『すごい会議』という面白いことをやっている人がいる」と聞いて、富永さんの本を読み、 「まさに、これは『魂をいれる』ことだ」と感じて、すぐにコーチをお願いしました。

世の中には数多くのビジネス指南書がありますが、「ふぅん」とは思っても、「なるほど!」と感じるも のはあまりない。しかし、富永さんの本は「ふぅん」プラス「なるほど!」で、これは面白そうだ、当社 が取り組むべきことだろうと思いました。

特に、PDCAサイクルにおいて、planが立派でも、doの段階で力尽きてしまうということがよくありま すね。そのdoの部分にコーチが入ってしっかり取り組んでいくという部分が良かった。聞けば「あたりま えだな」と思うのですが、その“あたりまえ”のことが「なるほど、すごいな」と頭に入り、間違いないと 感じたのです。

実際にスタートした後はどのような変化を感じましたか?

まずみんなの目の色が変わった(笑)。社内のメンバーだけで取り組んでいると、どうしても最後に甘え が出てしまいます。所長の私が心を鬼にして“ムチ”を入れたとしても、やはり最後に手加減してしまいま す。ところが第三者のコーチが「あたりまえのことだから、みなさんしっかりやりましょうよ」と伝える と「そうだよね」と納得した雰囲気になる。「これ、次回までね」と宿題を出されれば「しょうがないな」 と取り組む。一度決めたことですし、高いコーチング料も払っているからやろう、と意欲が再び湧いてく るのですね。

2014年4月から「受託額20%アップ」を目標に取り組み始めたのですが、当初はみんな「無理だ」 と感じていたようです。しかし、9月、10月になって、「達成できそうだ、これはいけるぞ」と盛り上がっ てきました。現在は期限の12月に向けて頑張っているところです。滑り込みギリギリで達成できる見込み ですので、とても期待しています。

特に大きく変化された方、成長された方はいらっしゃいますか?

進捗会議や問題解決会議のリーダーを主任研究員の西尾に任せたところ、富永さんから学んだ手法を利 用しながらスムーズに会議を進行させてくれました。40代後半の彼はいわゆる“中間管理職”的な立場の 所員です。元々はオブザーバーとして参加していたのですが、理解度が高かったため富永さんから「彼を コーチ役にするといいですね」と推薦していただき、私も同感だったので頼みました。最初は「え、私が やるんですか?」と一瞬びっくりした様子でしたが、すぐに「わかりました」と引き受けてくれました。

非常に論理的な人間ですので、すごい会議の方法論を身に付けた今は“鬼に金棒”です。他の参加者も全 員変わりました。計画性を持って物事に取り組むようになりましたし、PDCAサイクルにおける「do」の 大切さを実感したようです。

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自ら動く力で受託額20%アップをクリア 若手研究者にとって「魅力のある会社」を目指す

なぜ 20 % UP という高い目標を掲げ、達成することができたのでしょうか

目標を掲げ、「達成のために何をすべきか」 とみんなで考え、毎週チェックしていく。 そこで問題が出たら解決するといった、す ごい会議の仕組みが成功の秘訣ではないで しょうか。しかも必ず定期的に会議を行い ますよね。忙しいリーダー達は普段顔を合 わせる機会がないのですが、「目標達成のた めに必ずやるぞ」と伝えてあるので出席率 が高く意欲的に取り組んでくれました。

ただ、20%は非常に高いハードルです。 「more than twenty」という標語の下、 「やってみるか?」と軽い気持ちではじめ た所員も多い中で「どうやったら目標を達 成できるのか?」としつこく問われながら、 最後まで続けるとは思わなかったでしょう ね。

今までも、クライアントから委託してい ただいた仕事にはもちろんしっかり対応し てきましたが「仕事を取ってくる」部分に 課題がありました。官公庁やエネルギー会 社とのお仕事が多く、いつも「声がかかる のを待っている」という受け身のスタンス でした。おかげさまでネームバリューもあ りますし、世の中の景気自体も少し右肩上 がりですので、前年と変わらぬ受託額であ れば今まで通りの動き方でも達成できたで しょう。しかし、20%増を目標に掲げてし まった。一言で「2割」と言えば簡単そう ですが、世の中から求められていることを 踏まえて営業をかけるなど、アクティブに 動かなければ絶対20%も増えない。その大 変さを身をもって経験できました。

受託額20%アップという高い数値目標を立てた理由は、若い研究者たちが殺到するような会社にしたか ったからです。元々は、会長の安が「20%アップ」、私は「入社希望者が殺到するような会社にしたい」と いう戦略的フォーカスを提案し、その二つをあわせて今の形になりました。

すごい会議をスタートした段階では、達成できるという気持とできないという気持ちが半々でしたが、 やらなければならない。良い人材が入ってきてくれないことには、日建設計総合研究所という組織が成長 していかないし、新陳代謝もうまくいかなくなってしまう。大人数の組織にするつもりはないのですが、 少なくとも新陳代謝を続けるためには、魅力ある組織でなければならないのです。

設立当初は日建グループの職員を指名して連れてきたから良かったのですが、やがてそのメンバーも定 年を迎え退職していきます。これから若い人たちにどんどん入ってきてもらうためには、魅力ある会社に しなければなりません。「いい仕事ができる」ことはもちろん、親会社以上に対価がもらえる――つまり 「魅力のある会社」にしたいのです。

特にユニークな取り組みはありましたか?

面白いことはいっぱいありましたよ。「とにかくみんなで営業に行こう!」となった時に、組織や業績を 紹介する資料が必要ですよね。しかしその資料が見当たらない(笑)。それまでは行き当たりばったりで各 自が個別に作っていたからです。「フォーマットを決めて統一しよう」など、様々なやるべき事がはっきり と見えてきました。そして「来週までに」と期限を決めると、みんな“目の色”を変えて取り組むわけです。

大きな目標がない場合「営業資料を作ろう」と言っても、みんな「忙しいから」と遅れてしまいがちで すが、そうはならなかった。高いハードルに向かっていることで、「何のためにこれが必要なのか」と理解 できていたからだと思います。

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特に大きく成果が出てきた部分があれば教えて下さい

たとえば営業先の洗い出しですね。過去のクライアントを書き出してみると、同業他社が見えてきます。 例えば、A・B・Cというある職種のお客様がいたとして、「よく考えてみればE・F・Gという会社もある よね。ここに話しに行ってみよう」と。我々はどちらかと言えば飛び込み営業には向かない業種ですので、 親会社である日建設計にE・F・Gとのルートがあるか確認して営業をかけ、成果につなげています。

今までは依頼を待っているばかりで、こちらから仕掛けることはしていなかったのですが、洗い出して みるとたくさんありますよね。たとえば大学キャンパスの省エネ計画なども当社の業務範囲です。そして、 世の中にはたくさんの大学があるわけですから、営業先もたくさん増えるんです(笑)

元々営業専門のスタッフはいません。ただ、技術を売る時には「こういう技術があり、このような効果 が見込める、取り組む価値がある」とエキスパートが語る言葉だからこそ、お客様が話を聞いてくれると いう面があります。エキスパートでありながら営業力もあったら最強ですよね。

参加された所員の皆様はどのようにお感じでしょうか?

苦しんでいたと思いますよ。目標を達成できなかったグループは本当に辛い思いをしたでしょう。それ でも「来年もまたやりたい」と言ってくれたのは「ちゃんとやれば目標は達成できる」と実感できたから だと思います。すごい会議をはじめた当初は、「疲れた」「そろそろやめたい」という声しか聞こえてこな かったのですが、終わる頃には「ギリギリで達成できれば嬉しい、達成できなければ本当に悔しい」とい う微妙な心理状態だったのではないかと思います。前向きに取り組み続けるためにはすごい会議のような 仕組みが必要で、「やっぱりやらなきゃダメだね」と実感しているようです。今では「この会社をよくする ためにはどうしたらいいんだ?」と日々考え、ハードルを設定し、みんなで努力するようになりました。

すごい会議を始める前も各自で目標を立ててはいました。しかし、年末に自己採点をする方式でしたか ら高い目標は書かなくなるんです。達成できそうなことを打ち出して、年末に「惜しかったね」とか「で きた」と胸をはって終わりになりがちでした。

先日、すごい会議が一段落した区切りで2回打ち上げを開催したんです。富永さんがいる席では本音が出 ないだろうから(笑)、所員だけでも1回やったんですね。そこで「実は来年もやりたいと思ってるんだけ ど......どう?」とみんなに聞きました。正直、「やだ」って言うだろうと考えていたのですが、みんなの返 事は「やりましょう!」「やりたいことがいっぱいある」。びっくりして、とても感動しました。年が明け たら戦略的フォーカスの設定からみんなで取り組むことが決まっています。どのような戦略的フォーカス が立てられるのかまだわかりませんが、きっと面白いことになるでしょう。

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すごい会議の導入は、かなり“おトク”でした 「この方法で目標を実現できる」という感覚が身についた

所長ご自身がすごい会議から得たものはありますか?

私自身はイヤな役回りでしたよ。「なんでこんなに高い目標を立てたんだ」と恨まれたと思いますし、戦 略的フォーカスの出来不出来次第で成果が決まる面もあるので責任重大です。しかし、会社を引っ張って いくリーダーとしてやるべきことに気づくことができました。

また、気恥ずかしくてイヤだったのは会議の最初に戦略的フォーカスを唱和すること。「なぜこんなこと をするのか......」と思いながらやっていたのですが、だんだん慣れましてね。目標を忘れてしまうと「い ま自分たちがやっていることは何なんだろう」とわからなくなり甘えも出てしまいますが、毎回念仏のよ うに戦略的フォーカスを唱えることで、目標は何か、どこに向かっているのかがすり込まれていくようで す。面白いものですね。

世の中に「研究所」と名が付く機関は数多くありますが、技術系のコンサルタントだけで構成されてい る研究所はそう多くないと感じています。つまり、本業以外に安定した経営基盤があるような会社ではな く、われわれは技術コンサルのみで成り立っている会社ですので、誰もが「日建設計総合研究所って日本 ナンバーワンだよね」といってくれる組織になりたい。その軸がブレないような会社の目標を立てていく 上で、すごい会議で得たことが大きな力になっていくと思います。

富永コーチの印象についてはいかがでしたか?

最初にお会いしたときの印象は「声のデカい人だな」(笑)。そして、様々な質問に対し論理的に答えて いただけたので“納得感”がありましたね。

今現在は「コーチとして資質が備わった人だな、頼りになる」と思っています。決してブレない。所員 達が「やっぱり20%アップなんて難しい。そろそろやめませんか?」と言いかけたこともあります。私自 身も、「コーチ、戦略的フォーカスって途中で変えてもいいのでしょうか?」と発言した記憶があります (笑)。しかし富永さんは「あなたが決めた戦略的フォーカスでしょ。そういう議論は一切無し。いまやる べきことはこれですよ」とうまくかわされ、私たちも「言われてみればそうですね」と納得して、「ここま でついてくることができた」という感想です。

すごい会議や富永コーチはどのような会社に向いているとお感じですか?

すべての会社に当てはまる気がします。モノ作りの会社、我々のような受託産業、その他どのような企 業にも何かしらの目的があるわけですから、達成する方法をみんなで考え管理していくことが必要になり ますよね。

当社におけるすごい会議の導入は、かなり“おトク”だったと思います。終わってみて、私自身はすごい 会議を継続する必要を感じました。そして、あんなに苦しんでいたみんなも「やり続けなければならない」 と感じてくれているのが嬉しいですね。

今後の目標について教えて下さい

正直なところ、今年は「20%アップ」を達成することで精一杯でした。しかし仕事の効率化も必要です し、もっともっと魅力のある研究成果を出していかなければならない。これを来年、再来年の目標として 継続していきたいと考えています。

研究所は人が財産です。志の高い優れた研究者が来てくれるために、魅力ある会社にしていかなければ なりません。すごい会議に取り組むことによって、数多くの「やるべきこと」を発見できましたし、「この やり方を踏襲していけば目標を実現できる」という感覚を私も含めた所員全員が身に付けることができた。 これが一番大きな収穫です。

日時:2014.12.15 
フォトグラファー:ケニア ドイ 
ライター:菅原 りさ

担当コーチ

黒帯

富永 浩義
とみなが ひろよし

株式会社ハミングバード

SE時代、徹底的な業務分析を基に最適なシステム設計をするプロとして活動。”クライアントよりもクライアント業務に精通する男”と言われる。 2005年に「天職=すごい会議」に出会い、SE時代に培ったビジネス分析能力をフル活用し”すごい会議バカ一代”として絶賛活躍中

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