すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

天皇皇后両陛下が宿泊された老舗のホテル。 G8 開催を目前に、 目指すはアジアのリーディングカンパニー

株式会社神戸ポートピアホテル

設立
1977年6月
資本金
45億円
従業員数
388名(2015年1月現在)
事業内容
ホテル業
レストラン、宴会場および売店の営業
浴場、スポーツ、遊戯娯楽に関する各施設の営業
食品の製造および販売
駐車場の経営
不動産の売買・賃貸並びに管理
担当コーチ
富永 浩義

「結果の出るアウトプット」を求めてすごい会議を導入

すごい会議に取り組もうと思ったきっかけについてお伺いします

導入のきっかけは経営者同士の勉強会で情報交換をする中で紹介していただいたことですが、すごい会 議の存在自体は以前から知っておりました。6~7年前に本を読み、当社の人事担当から大橋禅太郎さんに コンタクトをとったこともあるんです。しかし、価格が高く、その時は導入を見送って、自分たちですご い会議の本を読んで勉強し、「効率的に会議しましょう」「できるだけみんが発言した方がいいね」とエッ センスの一部を取り入れていきました。

そして今回、大阪の経営者の方が実際に導入されていたので再び興味がわき、富永さんを紹介していた だきました。2011年末頃に会って「みんなの力を引き出す」という点に魅力を感じ導入を決めました。経 営者だけではなく全員が持っている力をフルに出す。目標を立て、達成のためには何が必要で、誰がいつ までにやるのかということを決めてPDCAサイクルを回していく。「チームで頑張る」ということに取り組 んではいたのですが、なかなか実現できない状態が続いていたという背景もありますね。

導入当初の課題を教えていただけますか?

課題は年間予算の達成でした。売上利益の年間 計画を達成できず、5%ほど足りないという年が 続いていました。5%というのは実に大きい数字で す。また、1999年の4月から32歳で経営を引き継 ぐことになったので、経営の全体像がなかなかつ かめない状況でもありました。勉強して予算を立 て、達成するということが難しい。お金の問題だ けではなく、マーケティングやお客様との関係、 従業員のことなど課題は山積みでした。経営品質 向上のためのプログラムで指導を受け、「誰に何を 売っていくのか」というビジネスの根幹から見直 しをしているところでもありました。

当ホテルは元々、「すべてのお客様にすべてのも のを提供する」という思想だったのですが、競争 が激しくなり景気が悪化していく中でそれも難し くなっていった。震災もありましたしね。高級な ホテルが高級な部分を担い、カジュアルなビジネ スホテルは最低限の機能がそろっていて安い。そ のような棲み分けの中で、どこを狙うのかという 課題があり、「コンベンションホテル」として学会 や国際会議、その中でも特に医療系に特化してい く方向性を打ち出しました。

当ホテルが建っているポートアイランド自体が、 震災後「神戸医療産業都市」を打ち出し、国際会議 や学会で使われる公的な施設もそろっています。そ のような経緯で医療系のコンベンションとホスピタ リティの2点に力を入れてきましたが、財務的な成 果が見えていなかった。

つまり、「経営品質とバランスを取りながら良いインプットをする」ことまではできていたので、「結果 が伴うアプトプット」の面ですごい会議に期待し、導入に踏み切りました。

すごい会議導入後、実際にどのような変化が起こったのでしょうか?

最初の2年は、数字は変わらなかったですよ。3年目になり、上半期で99.6%まで目標達成というところ まできましたね。下半期も入れて通期で99.5%くらいの見通しなのですが、もうちょっと頑張れると思い ます。目標まで「5%足りない」というところから、「あと0.5%」まできた。

最初は富永さんに道筋をつけていただき、その後は育てた「社内コーチ」が大活躍しています。他の会 社の社内コーチに来ていただき、実際に会議を仕切っていただいた中で、「育てばこのぐらいやってくれる ようになるのだな」と実感して社内コーチの育成に乗り出しました。

社内コーチの2名は実によく努力してくれています。職位的には部長たちよりも下の立場でありながら、 会議を仕切って客観的に進めてくれるのがすごい。すごい会議の中では全員肩書きではなく「さん」付け で呼び合っており、遠慮せず自由にものを言える場になっていますしね。もちろん苦労もあるとは思いま すが、それを表に出さず、明るく元気に頑張っているなと思います。

現在の会議チームについて詳しく教えていただけますか

現在は8名~10名程度の経営幹部で構成されたトップチームの会議のほか、宿泊やレストラン、ブライダ ル、ブランディングなど、各部門のジュニアチームが稼働しています。ジュニアチームは必ずしも管理職 ばかりではなく、メンバーの入れ替えも行っていますので、現場の意見が取り入れられて実際に活動に繋 がっています。また、「結論を早く出す」という癖がつくので、会議等でご利用になるお客様との打ち合わ せなどにも良い影響があると思います。

また、色々な取り組みを約400人の全社員に伝えるために「ジェネラルセッション」という全社会を四半 期毎に開催し、「すごい会議とはいったいどういうものなのか?」ということを見てもらっています。全社 の財務目標を達成するためとはいえ、時間がない中で急に様々な目標が降りてくるため、社員には負担感 もあり、全員が「すごい会議はすばらしい」と感じているわけではない状況ですからね。

ただ、最初の2年間はわかりやすい数字が出てなかったために、「頑張っても自分たちに返ってくる」と いう実感が少なかったかもしれません。結果が出て利益があがり、昇給や賞与の額が上がってくることで 実感してもらえると思っています。実際にこの冬の賞与は良くなりそうですね。

リピート顧客をつかむ仕組みやホテル外の新規事業等々
続々始まる新企画が売上アップに大貢献

特に新たに取り組んだことや、仕組みが変わった面などがあれば教えて下さい

大きなことではないかもしれませんが、「ポイントカード会員」の集客の面で変化があり売上に貢献して くれています。当ホテルは大型のコンベンションは強いのですが、それだけでは経営は成り立たちません。 中型・小型の会議が必要ですし、宴席やレストラン、団体宿泊、そしてご家族や個人のお客様にご利用い ただくことも大切です。大きな会議のない夏休みや冬休み、春休み、連休等にホテルを支えて下さる個人 の方たちと繋がっていくために、ポイントカード会員を募りました。一度ご利用いただいた際に、「良かっ たので次の仕事で使おう、家族とまた来よう」と思っていただけるようにポイントカードに登録してもら ってメールマガジンを送る仕組みです。

カード会員を集める部署だけが頑張って、他の部署の協力を得にくい状況が続いていましたが、すごい 会議を通じて「各レストランで募集しよう」「フロントでも声をかけよう」と全体を巻き込んでいき、レス トランやフロントでの声かけを徹底しました。

その結果、たとえば一度の学会で多くの方を集めることができるようになりました。ポイントカード会 員は現在3万人ほど。この取り組みで登録者数が増えたため、宿泊のお客様の増加につながっています。カ ード登録後1年以内に再利用して下さった方は数十%。たとえば、ある大きな学会は2年に1回程度神戸 で開催され、事務局も神戸にあるため多くのリピートにつながりましたね。

ホテルの外に飲食店をオープンされたと聞いています

年度予算達成のために新規事業として飲食店を始めました。前からなんとなくやりたいと考えていたと ころ、すごい会議で後押しを受けて実現することができました。

1店目は神戸の繁華街・三宮で夕方4時からオープンする居酒屋「酒社(さけやしろ)」。ホテル内にあ る料亭のカジュアル版という形を取り、地元・灘のいい酒を取りそろえて神戸以外から旅行に来た方が楽 しめるようになっています。また、年内に中華料理店「香膳(こうぜん)」もオープン予定ですし、館内で も串揚げ店を始めました。酒社は小さな店ですが結構繁盛しており、数千万の売上があります。年間目標 達成によく貢献してくれていますよ。

売上目標の5%=億単位の効果。すごい会議は高くない

他のコンサルティングやコーチングサービス比較して、どのような面で違いを感じられますか?

最初の1年はすべて富永さんに仕切っていただき、まずファシリテートの技術がすごいと感じました。 他のコーチングサービス等ではファシリテートまでしてくれないのですよね。たとえば1対1で行動を促 され、その後に報告し合って活動するという、自己啓発的な流れでしょうか。そういったサービスとは大 きく異なるサポートが魅力です。2年、3年と継続できたのも、富永さんからよく電話かかってくるからで す(笑)。いつも気にして見て下さり、ありがたいなと感じています。結果として、「目標まで5%数字が 足りない」という状況が大きく改善されました。私たち中規模のビジネスは売上の桁が大きいため、5%と いうのは億単位で変わってくる数字です。そこに効果が出たので導入のための価格も高くないですね。

富永コーチの印象はいかがですか?

いい方ですね。噛めば噛むほど味がある感じがいい。最初は「賢そうな人だな」と思い、スタッフと 「すごいな、普通じゃない」と言い合っていたんです。指導していただく上で色々な引き出しを持ってそ うだと。

コンサルティングとはまたちょっと違うのでしょうね。コンサルティングならホテル業界に強い、飲食 業会に詳しい、これからのトレンド……となっていくのでしょうが、コーチングを基にしたファシリテー ションや会議の手法で私たちの力を引き出して下さったと実感しています。

また、2年、3年と長くお付き合いする中で「寄り添ってくれるような暖かみ」を感じています。他の自 己啓発系の研修を受けたことがあるのですが、そちらは“怒られる系”なのですよね。社長になると怒られ ることがなくなるので、「本当にあなたはリーダーシップが発揮できているのか」と、かなり厳しく指導さ れ、気づきを得る方式でした。その経験があるため、富永さんからも「そんな会議の進め方ではダメです よ」などと怒られるのかも……とビクビクしていたのですが、全然違いましたね(笑)。もちろん私自身に 対する指導もありますよ。全体の前では話しにくいことを聞いたり、チェックを受け、さらに「自分が本 当に実現したいことができていますか?」と確認していただけて安心しました。

すごい会議と富永コーチは、どのような会社や組織に向いていると思いますか?

様々な会社で効果は出ると思いますが、当社のように部署がたくさんあり、縦割りで壁があるような会 社や、会議の中で社長が一方的に発言しているような会社に向いていると思います。

今後の社長ご自身の目標とホテル全体の目標を教えていただけますか

「メディカルコンベンションとホスピタリティでアジアのリーディングホテルになる」というビジョン があります。特に、約2年後に開催される先進国サミットG8の開催場所として神戸が有力視されています から、そこでお客様を獲得できたら「日本の中でもトップクラスのホテルである」とアジア全域に対して 印象づけられるでしょう。今後も伸びて行くための基礎を作りたいと考えています。

また、当社のノウハウを利用したビジネスができないかと考えています。具体的には、国際会議場や会 館など、新しい施設の指定管理者として運営にあたるといったことです。自分で資産を持たずに事業を拡 大できますからね。他には、これから日本の人口が減少していきマーケットが少なくなるわけですから、 海外からのお客様にも利用してもらうような流れを広げていきたいですね。

それと、忘れられない思い出として、2005年に2回天皇皇后両陛下が宿泊されたことがあげられます。 ホテルの代表者として私がアテンドをつとめ、廊下を歩きながらお話させていただきました。1回目が国 連の世界防災会議の式典、もう1回は世界心身会議という学会にご臨席される際でした。

もともとこのホテルができた1981年にもお見えになっており、その時は父がお迎えをしました。皇后陛 下が天皇陛下に向かって「このホテルには以前にも来たことがあります」と仰ったので、「その時は父がお 迎えさせていただきました。今回は息子の私がお迎えさせていただき、大変光栄でございます」とお話し しました。「私の代で3回目のお迎えをできるホテルにする」ということも目標の一つです。

すごい会議は年度計画達成という点で大きな成果を上げていますから、今後のビジョンや私の目標を実 現していく上でもプラスになっていくと信頼しています。

社内コーチ インタビュー

社内コーチ
西川祐介 神戸ポートピアホテル 経営企画部 仕入 支配人
万年美恵 神戸ポートピアホテル 経営企画部 経営品質 品質戦略 副支配人

いきなり「社内コーチ」に任命されて大変なこともあったかと思いますが、いかがでしたか?

万年: 会議のオブザーブをしている時に「今後、進捗会議と問題解決会議を誰に司会してもらいたいか」 をポストイットに書き出すことになり、私の名前が2つか3つ入っていて社内コーチに決まりました。富 永さんが社長に、「あの人にやってもらったらどう」とか言ったんじゃないかなぁ?と心の中で思っていま す(笑)。「会議で決まってしまったので仕方がないけれど、私にできるのかな?」と不安でした。

西川: 私は元々、進捗の資料を管理し、数字を追いかける事務方、PMO(プロジェクトマネジメントオ フィサー)という立場で参加していました。しかしチーム数を増やしていく中で、コーチが足りずにお声 がかかったという感じですね。僕と西山さんと万年さんの3人でスタートしました。

会議が始まった時点で17年ほどの社歴があったのですが、社長以下全員が上司のチームメンバーに対し て「コーチングしろ」って言われても……。ほとんど会話をしたこともなかった役員相手に「何するねん」 と最初は戸惑いましたが、会議を重ねていくうちに次第に気にならなくなりましたね。当初もう一人いた 社内コーチの西山さんは役員だったので、「何か困ったことがあったら間に入ってくれるやろ」と勝手にア テにしていました。しかし西山さんが社内コーチの立場から外れた時に、「あ、俺ら二人でやっていくしか ないんだ。言わなアカンことは言うしかない」と切り替わったかな。

万年: 社内コーチに選ばれた翌週から社内コーチデビューだったので、すごい会議の本、ワークブックの コーチのセリフをノートに書き込んで、富永さんからのアドバイスどおり、会議を行いました。心の中で 「助けて」と叫んでいました。社長やほかの役員もすべて「さん」付けで呼ぶというルールにすら抵抗が ありましたね。

西川: 小さいことですが、当時の僕らにとっては大きな壁だった。

万年: 社歴12年になるため、会議メンバーの数人には、「さん」付けで呼ぶ機会があったのですが、社長 と総支配人も「さん」付けで呼ぶなんて……。でもそういうルールになっちゃってるので仕方がないです よね。

型通りにするというルールが、かえって「万年も司会という役をやらなければならないんだろう」とい う同情によって反発を招かずにすんだかもしれません。

大きなトラブルもありませんでした。富永さんのマネをして、「え?今、怒ってます?」とか、「今、心 の中で違うこと考えましたね」とか生意気なセリフをいっぱい言ってきましたけれど(笑)。

西川: 最初はやっぱり、「なんで西川が?」、「大変やなぁ」とメンバーに見られており、お互い相当ぎこち なかったと思います。僕が担当したチームの会議でも当初は気を使ったのですが、途中からは「ルールで すから」と割り切りました。「しゃあないやん」と自分自身も思えるようになったし、みんなも「こういう もんなんかな」「もうええわ」(笑)となってうまくいき始めた。富永コーチがやってることと、僕ら社内 コーチにできることは全然違いましたし、理解してもらうまでは精神的にもちょっと辛かったです。

担当した中で特に手応えがあったチームや企画を教えていただけますか?

万年: 最初はトップチームと営業とレスト ランと新規事業と……3~4チーム程度担当 していました。

西川: 最初は宿泊と、ブライダル、ブラン ディングチームを担当しました。

万年: 新規事業チームを担当した当初は 「どうすんの?」という感じでしたね。ト ップチームから、「三宮に新しい飲食店を出 店しなさい」とだけ指示があり、業態も決 まっていませんでした。どういう店作りを するのか自分たちで考え、6ヶ月程度で準備 しなければならなかったのです。新規オー プンだから「前年比」など基礎になる明確な数字がありませんし、普段から考えている「売上を伸ばす」こととは扱う問題が全く違うから、すべて 手探りでした。また、コーチであると同時に従業員でもあるため、「つい内部の立場で考えてしまう」とい う葛藤がつねにつきまといました。

ただ、当時月2回ほど通っていた社内コーチ育成のための研修会でもいろいろ相談できましたし、もちろ ん富永さんもついていてくれました。そして、すごい会議では「いつまでに何をする」というコミットを つくるので、そのパターンを踏襲していくことで様々な問題をクリアしていきました。

西川: 僕が初年度に担当したブライダルチームに一般職の女性がメンバーに加わっており、それが思いの ほか良かったという経験がありました。まだ20代半ばと若く、実は萎縮してしまうのではと心配していた んですけれど、それが古い考え方だったんですね。「こんなことをやってみたい」「ここを変えたい」と思 っていたことをどんどん口に出して、しかもそれらを実現していく。その過程を目の当たりにして、当社 に欠けていたものに気づかされました。新入社員だろうが管理職だろうがいい意見はどんどんくみ上げ、 会社としてベストな選択をしていくという点ですね。

たとえば新郎新婦の満足という観点からもう少しアプローチを広げて、ご両親にも喜んでいただけるよ うな案内状を作りました。式当日はもちろん、顔合わせや着付けなど、前日や1ヶ月間などの段階ごとのご 両親の役割やスケジュールを記載した書面です。その中に、ご両親が主体となって進めるご親族へのケア などアップセルに繋がる提案も盛り込みました。

この案内状によって、「家族と全然話し合わないまま式当日を迎える」ということがなくなったので、当 日の進行がスムーズになり、数字にもつながりました。以前は、特に新郎のご両親に話が通っておらず、 「ちょっとオカン、今日なんか喋って」「そんなん聞いてないでっ!」というトラブルがよくあったんです。

万年: 私はレストラン部門での手応えを感じていますね。先日、「2名様で5万円」のプランを3組に販売 するという解決策があり、「お客様の顔が浮かんでいますか?」と聞いたら「浮かんでいる」という返事。 しかも「料理とワインをセットで楽しんでもらいたい」というのでご案内を始めました。その結果、2名 で10万円の商品が出来上がり、3組の方にヒットしました。

また、学会開催中に、あるレストランでワンプレートのクイックランチを提供しました。売上目標30万 でしたが、74万円の成果が出ました。学会で忙しい方に「すぐに食べられる3000円のプレートランチを用 意する」というアイディアだったのですが、ワンプレートランチに来てくれた方が別の4800円のランチを 頼んで下さっていました。

2年前を振り返って、社内コーチを引き受けてよかったと感じていますか?

万年: もちろん! まだまだコーチングの課題はありますが、「チームを創って目標設定し、日々の進捗会議 を行って問題を解決していく」という一連の流れを経験し、自分自身が“すごい成長”をしたと感じていま す。なんてすごいことを教えてもらったんだろう!と。

西川: コーチをやることで自分自身が変わって きましたね。面と向かって人にものを言えるよ うになりました。最初は役員たちの中で何も言 えず、型どおりすすめるだけでしたが、今はど なたに対しても疑問を口に出し、会議のテーブ ルに乗せることができます。ここが会社に貢献 できている点ではないでしょうか。

「こうしたらいいのに」と思っていることを 口に出せないまま決定されたような案件に限っ て後々で問題が起きますよね。それを事前に防 ぐために提案し、リクエストしていかなければ いけない。意見を出しやすくするのも僕らの仕 事ですし、自分たちの感じたことを口に出すこ とで動き出すことがたくさんありますからね。

万年: 西川さんは最初の頃に比べると、「すごい会議のコーチ」らしくなりましたよね(笑)。口調も富永 さんみたいですし。

西川: 最初は「形からでもいいかな」と思ってマネしたんです。だんだん気持ちが入ってきて、説得力が 出てきたかなと。万年さんはいろいろなチームの人から声をかけられるなど、現場のスタッフと距離が近 くていいですよね。社内コーチといっても従業員なんだから、「コーチの立場」として外から見た意見も言 いつつ、中で「一緒に改善していく立場」でもあるんです。どっちも持たないとダメなんですよね。

万年: 団体で複数の部屋を押さえられている仮予約の方にお電話して、本予約での確定部屋数を確認する 「手じまい」という作業があります。確認後に空いた部屋を個人のお客様に販売します。宿泊の売上向上 のために大切な作業なのですが、なかなか確認件数が伸びない状況でした。今日から3日間で30件の手 じまいをするというコミットメントを絶対に達成して欲しかったので、出張先から途中経過の確認と念押 しと、励ますつもりで電話しました。そうしたら、なんと、ある1人のフロントスタッフが100件達成して くれたことがあるんです。それ以来毎月「手じまい」の確認がしっかり行われるようになり、宿泊部門の 売上目標達成の大きな力になりました。今も順調に伸びています。失敗もあるけれど、小さな成功体験が いくつも生まれています。

西川: 目標をしっかり持って、欠けている部分を確認し、しなければならないことをリスト化して追いか けていく。それが「有効な手法だ」とみんなが感じ始めていると思うんです。

富永さんの印象についてはいかがですか?

西川: 遠くにいるけど、僕らのやっていることにコミットしてくれていると感じますね。神戸と東京の距 離はすごく遠いし、いっぱいクライアントを抱えている中で僕ら社内コーチの悩みなんか小さいことです よね。「そんなん知らんがな」と言われても仕方がないようこともたくさん相談しましたが、すべて親身に なって答えてくれて、電話が終わるたびに得るものがありました。遠いし、1ヶ月に1回ぐらいしか会わな いけれど、「見てれてるんだなぁ」とありがたかったです。

最初の1年は辛くて心が折れちゃいそうでした。現場の理解も得られず、本当に嫌われ役だったと思いま す。そんなときに、「富永コーチがついてくれている」という実感が支えになりましたね。

万年: 私は人前で話す機会が多くてファシリテーターに興味がありましたから、最初は「すごいなー」と 思いました。社内コーチの育成研修に行った際に「ファシリテーター」というより「コーチ」の側面が強 いのだなと実感しました。今の印象は“熱い”人。すごくハートを感じます。私たちが社内コーチという立 場でちゃんと仕事ができるようにサポートしてくれる“寄り添い感”がありますね。数字や会社のことを私 以上に知っていて頼りになりますし、孤独にならずにすみました。

西川: 当社は「従業員が外と関わりを持ち、他社事例を取り入れた提案をする」というようなことが少な かったように思うのですが、富永さんが外のことを色々教えてくださり刺激を与えてくれて、僕たちも外 に出て勉強する機会が増えたことで変わってきたと思います。

万年: 来られたらジョークを混じえて数時間で問題を解決に導く「すごい人」です。

社内コーチにはどのような方が向いていると思いますか?

西川: サンドバッグになっても何ともない人ですかね(笑)。僕も、最初はダメだったんですが、今は何を 言われても何ともないですね。あとは、自分の会社を良くしたいと貪欲に思っている人ですね。その思い がいつも私の原動力になっています。

万年: 「意思決定者自身が社内コーチになる」といいと思います。リーダーがコーチングを勉強すれば、 部下との関わり方が変わると思うんですよね。また、「社内コーチを経験した自分が意思決定者になったら どうなるのか?」と考えることもあるんです。

コーチングの手法を取り入れリーダーシップをとっていく。西川さんのように自分の組織を持っていれ ば、コーチをしながら会議を回していくことができるんですよね。将来的に上の立場に立つ方が「係長ぐ らいの頃に社内コーチをやる」など、“昇進資格対象者の必修”になればいいと思います。

今後の目標や課題を教えて下さい

西川: すごい会議のマインドは「すべての会議をハイパフォーマンスにする」こと。それが僕らの課題で もあります。社内のすべての会議でより高いレベルで貢献できるよう成長を続けていきたいですね。

万年: 社内には、すごい会議導入前から様々なプロジェクトや会議があります。課題は、それらの会議の 目的と種類を明らかにして、日々会議体制の見直しをすることです。目標としては社内コーチとして、し っかり会議のサポートしながら、そのチームの目標を達成すること、他社にも通用するコーチになること です。

富永 浩義 とみなが ひろよし

株式会社ハミングバード

SE時代、徹底的な業務分析を基に最適なシステム設計をするプロとして活動。”クライアントよりもクライアント業務に精通する男”と言われる。
2005年に「天職=すごい会議」に出会い、SE時代に培ったビジネス分析能力をフル活用し”すごい会議バカ一代”として絶賛活躍中

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