すごい会議をスタートした時の目標はなんでしたか
高川:売上の目標を月間 1.5 億円に設定しました。結果は 1.3 億円だったので達成しませんでしたが、主力 のドクターが別の分院の新規開院のために異動したので、その院と売上をあわせると達成したと言えるかも しれません。
久保田:スタッフの誰もが無駄を省くよう努力して、仕事に取り組んでいることがわかります。
高川:ドクターには医療に専念して技術を高めて欲しいと考えています。このため「すごい会議」のメンバー はナースやカウンセラーなどで構成しており、ドクターは私以外はいないのです。
さらに、意識していたのは「すごい会議」は強い薬だということです。使う側が使いこなす力が必要です。 例えば「売上」を目標にした場合、その目標に向かって脇目もふらずに走ってしまう可能性もあります。
久保田:売上に集中し過ぎて、一見非効率な顧客満足度をないがしろにするといったことですね。
高川:はい。久保田さんの支援により上手く扱えるようになってきたと感じます。売上げ目標を達成するた めには「ドクターの成長が必要」だという共通認識も、すごい会議における話し合いの中から生まれてきま した。「ドクターのせいで売上があがらない」ではなく、売上を上げるためにはドクターをどのようにすれば よいか、と考えていくからです。浜松や沖縄など新しい分院には名古屋のドクターが異動しています。これ もドクターの育成ができているからだと思います。
高い目標を共有し、メンバーで多方面から議論することで、長期的な視点で課題を解決してい けるのですね。その中でも一番の成果はなんでしょう?
高川:スタッフが主体性を持つようになったことです。名古屋院を自 分ゴトとして考え、目標に対して出てきた障害物をどのようにして取 り除けばよいか、解決策を提示してきます。問題解決を月に1回、す ごい会議という時間の中で考えることが、スタッフに良い影響を及ぼ しています。
今後の目標を教えていただけますか?
高川:「すごい会議」は虚と実を結びます。相川先生は理念の人です。 それを我々が実行する。つまり顧客・スタッフ・取引先の三方良しを 実現し、世界一のメディカルグループになることを目指しています。
最近、相川先生の意思決定の流れがよくみえます。トップチームのセッションに参加していたからだと思い ます。「すごい会議」では経営者が行う意思決定のプロセスを共有します。つまり、問題の決定、事実の共有、 解決策の提案と採用などのステップをともにするのです。その上で名古屋院に戻り、今度は自分が経営者と して「すごい会議」のマネジメントするのですから、上手くいくのは当然かもしれませんね(笑)
久保田:名古屋院は、相川先生の理念を忠実に経営に取り入れ、成功している分院のひとつです。その要因 は、確かにオブザーバーで参加していることかもしれませんね。
高川:普段から「結果が出ている人の真似をすると最速」と考えています。だから私は相川先生の真似をす るのです。その私が成果を出すと、40 人の分院長にも波及効果があるはずです。
久保田:圧倒的に成果を出している人たちが活用しているスキームですよね。
高川:医大で経営の勉強をする機会はありませんが、病院は医者しか開院できない組織です。医療のクオリ ティコントロールをするためにも、その仕組みは妥当だと考えます。しかし経営するのであれば、経営コン サルタントと対等に話せるほどの経営の知識を持っていたほうがいい。今は、自分自身も経営を学べるし、 スタッフの教育の場になっているという贅沢な環境だと実感しています。