すごい会議

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CASE STUDY すごい会議の実施例

売上100億から1000億へ ―「現状維持はありえない」四国発・再エネの旗手、グリーンエナジー&カンパニー鈴江社長が選んだ“変革のOS”「すごい会議」

株式会社グリーンエナジー&カンパニー

設立
2009年4月
資本金
970百万円
従業員数
152名
事業内容
東京と徳島を拠点に、プライベート発電所(再生可能エネルギー発電所)の開発・O&M、ネットゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の提供、スマート農業などを手がけるGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進企業グループ。
企画開発から設計・施工、保守管理までの一貫体制と独自のノウハウを強みに、太陽光発電や蓄電池システムの構築・運用、省エネ住宅の提供、エネルギーと食料の同時生産支援といった多様なソリューションを展開する。
個人と家庭、地域コミュニティが主体となって進める、ボトムアップで強力なグリーン・トランスフォーメーション<マイクロGX>を広く提唱・実践。再生可能エネルギーの普及を通じて、持続可能な社会・経済の実現に貢献することを目指している。
担当コーチ
大野 栄一

売上100億から1000億企業を目指す、四国発祥の再生可能エネルギー企業、グリーンエナジー&カンパニーは、なぜ今「すごい会議」を導入したのか?

「現状維持の先に未来はない」と語る代表取締役・鈴江崇文氏。

急成長の裏で感じたトップダウン経営の限界と組織の壁。未来を切り拓くため、彼が選んだ“変革のOS”とは何か?
その決断の背景、経営哲学、そして組織にもたらされた変化のリアルを追う。

順調な成長の裏で感じていた「限界」と変革への葛藤

なぜ順調な成長企業が変革の必要性を感じたのか? 導入前のリアルな課題と葛藤に迫る。

インタビュアー: まず、「すごい会議」を導入された時期について教えていただけますか?

鈴江社長: 本格的なDAY1セッションを開始したのは、2024年の11月頃です。

インタビュアー: コーチの大野さんと最初にお会いになったのは、もっと前だと伺いました。

大野コーチ: そうですね、最初にお会いしたのはコロナ前になります。

インタビュアー: 最初のお打ち合わせから実際の導入まで、少し期間が空いているようですが、何か理由があったのでしょうか?

鈴江社長: それは、どちらかというと弊社の組織的な受容性(受け入れ態勢)の問題でした。私自身が多少、保守的に評価してしまった側面もありますし、社内の体制がまだ最適化されていなかったり、他にも複数の経営課題を抱えていたりしたためです。

導入の適切なタイミングを計っていた、というのが実情です。

インタビュアー: 具体的に、どのような点で保守的なご判断になったのでしょうか?

鈴江社長: 当時、会社は幸いにも二桁成長を持続していました。ただ、事業の成長スピードに対して組織キャパシティが追いつかず、リソースが逼迫している状況を認識していました。現場は、いわばオペレーションが限界に近い状態で何とか回していたんです。

この状況で新しい施策、特に「すごい会議」のような組織文化に踏み込むものを導入すると、ただでさえ私が推進しようとしている他の戦略的な取り組みや新規プロジェクトが停滞してしまうのではないか、、、という懸念がありました。

インタビュアー: なるほど。成長に伴う組織的な課題があったわけですね。導入前の時点で、特に顕著だった問題意識は何でしょうか?

鈴江社長: 最もクリティカルだったのは、組織メンバーの「マインドセット」や「価値観の浸透度」、つまり組織文化そのものに関する部分かもしれません。

会社全体に変革が必要とされる、ある種の雰囲気が醸成されつつあると感じていましたし、そこに対して手を打ちたいという思いはありました。

インタビュアー: それは、例えば経営層と現場の視点の違いといった課題でしょうか?

鈴江社長: まさにそうです。経営トップである私は、より長期的な視点で大きなビジョンを描き「こう進むべきだ」と考えています。

しかし、現場はどうしても短期的なKPIや日々の業務遂行に追われ、現状維持バイアスが働いたり、リスク回避的な傾向が強まったりする。私が目指す方向性に対して「今はリソース的に難しい」「優先順位が違う」といった反応が出てしまいます。

この経営と現場の視座のギャップが、組織全体の推進力を阻害する要因になっていたかもしれません。

インタビュアー: 組織構造や階層に関する課題もあったのでしょうか?

鈴江社長: はい、特にミドルマネジメント層、具体的には部長クラスの役割ですね。私や役員に次ぐポジションとして、本来であれば役員層と一体となって経営視点で事業をドライブする役割を期待しています。

しかし、実態としては、経営レイヤーとの視座にギャップがあり、どちらかというと現場オペレーションに近い意識レベルに留まっている、という課題認識がありました。

この次世代リーダー層の経営参画意識の向上は、当社の重要戦略課題の一つであり、「すごい会議」導入の目的とも明確に紐づけています。

インタビュアー:なるほど。 過去に、外部の研修プログラムなどを導入されたご経験は?

鈴江社長: もちろん、過去には様々な施策を試みました。しかし、近年は行っていません。その理由は、代表である私が見つけてきてトップダウンで「これを実施せよ」と指示するようなアプローチでは、期待したほどの成果や組織変容が得られない、という経験則からです。

メンバーをうまく巻き込み、彼らが主体的にオーナーシップを持って取り組むプロセスを設計できた場合と、単にトップダウンで指示した場合とでは、アウトプットが全く異なります。そのトップダウン施策の効果逓減は明確に認識していました。

ですから、新たな施策導入には極めて慎重にならざるを得ない状況でした。そうした背景もあり、「すごい会議」の導入は、弊社にとって久しぶりの、そして覚悟のいる投資判断でした。

未来へのレバレッジを掛ける ― 「すごい会議」導入決断の背景

変革への強い危機感が決断を後押し。導入の決め手となったプロセスと思考とは?

インタビュアー: 先ほど、導入には慎重だったというお話がありましたが、最終的に2024年11月に「すごい会議」の導入に踏み切られたということですが、直接的なきっかけは何だったのでしょうか?

鈴江社長: なんだったんでしょうね…。 やはり、当時抱えていたいくつかの重要なプロジェクトを、既存のやり方の延長線上で進めていくだけでは限界がある、と感じたことが大きいです。

「何か新しいアプローチを取り入れなければ、これ以上の進展は望めない」という、ある種の切迫感がありました。

インタビュアー: 切迫感、ですか。

鈴江社長: ええ。「このままではいけないな」と。将来を見据えた時に、現状維持の積み上げではなく、どこかでレバレッジを効かせる必要がある。

そのためには、組織の動き方、意思決定の仕方、そういった根幹の部分で何かを変革しなければならない、という結論に至ったんです。

変革への必要性と、現状の組織キャパシティとのバランスをギリギリまで見極めて、最終的には少しストレッチをかけてでも「やるべきだ」と決断しました。

インタビュアー: 「すごい会議」を導入するにあたって、具体的なプロジェクトに焦点を当てられたと伺いました。その経緯を教えていただけますか?

鈴江社長: 最初は、もう少し抽象度を上げて、役員クラスを中心とした全社的なプロジェクトとして考えようとしていたんです。でも、それだと「具体的に何がどう変わるのか?」が見えにくかった。

そこで、大野コーチとディスカッションを重ねる中で、我々のビジネスモデル上、最も数字にインパクトを与えられる領域、特定の部門やプロジェクトに特化して導入する、という方向に舵を切りました。

インタビュアー: それは大きな転換点だったのですね。

鈴江社長: ええ。その特定のプロジェクトが見つかったことで、私も吹っ切れました。「この投資額は、このプロジェクトの数字が少し向上するだけで十分に回収可能だ」という費用対効果が明確になり、社内への説明責任も果たしやすくなりました。

メンバーは、予算の中でコストを気にしますから「ここへの投資なら、最もリターンが見込める」と具体的に示せたことが、導入への理解を得る上で非常に大きかったと思います。最悪、「この数字が上がったのだから、十分な成果だ」と言える状況を作れたわけです。

インタビュアー: 導入はスムーズに進んだのでしょうか? メンバーの方々の反応はいかがでしたか?

鈴江社長: いえ、決して「よし、全員一致でやろう!」というスタートではありませんでした。ある種、私のリーダーシップで多少強引に進めた側面はあります。

大野コーチ: 私が知る限りですが、鈴江社長はこれまで、状況に応じて意思決定のスタイルを柔軟に変えてこられたと思います。ボトムアップでメンバーの意見を尊重することも多かったはずです。

ただ今回は、ある程度トップダウンで押し込んでいただいた、という認識です。メンバーの中には当初、「こんな高額な投資をして、本当に成果が出るのか?」「大丈夫なのか?」といった懸念やノイズがあった状態からのスタートだったと記憶しています。

鈴江社長: そうですね。だからこそ、先ほどの数字にインパクトのあるプロジェクトに紐付けたことが重要でした。

もし、具体的な成果が見えにくい抽象的なテーマで強引に進めていたら、「社長がよく分からないものにコストをかけて…」と、社内の雰囲気が悪くなっていた可能性もありますから(苦笑)。

インタビュアー: なるほど。投資対効果の明確化が、推進力になったわけですね。

鈴江社長: そういう意味では、「すごい会議」は単なる「研修」とは全く違う、と捉えています。過去に色々な研修を試してきて、「研修だけでは組織は変わらない」という実感がありましたから。

大野コーチ: まさに、「研修と呼んでくれるな!」という感じですね(笑)

鈴江社長: ええ、これは研修ではない。そう断言できます。もちろん、人材育成や組織開発といった括りには入るのかもしれませんが、本質はそこではありません。具体的な経営課題に直結し、成果を出すためのオペレーティングシステムに近いものだと考えています。

大野コーチ: 鈴江社長とは、導入前に改めて2回ほどミーティングを重ねさせていただいたのですが、そこでプロジェクトの焦点を絞り込めたことが、結果的に非常に良かったと感じています。

現場が動き出す ― 「自分たちのもの」として浸透し始めた「すごい会議」

導入から半年、組織に生まれた変化とは? 現場が主体的に動き始めた理由に迫る。

インタビュアー: 「すごい会議」を導入されてから、取材時点で5回目のセッションとのことですが、約半年が経過して、社内に何か変化は見え始めていますか?

鈴江社長: そうですね、変化の兆しは明確に見え始めています。

インタビュアー: 具体的には、どのような変化でしょうか?

鈴江社長: 例えば、経営幹部である岩田(執行役員)や竹村(執行役員)が中心となって、「すごい会議」で学んだ手法を様々な場面で主体的に活用し始めています。

インタビュアー: と言いますと?

鈴江社長: 弊社には「グリーン・ビジョン・キャンプ」という、各部門や子会社ごとに四半期や半期に一度、1泊2日程度の経営合宿を行う文化(制度)があります。その合宿のアジェンダ作成やファシリテーションに、「すごい会議」のフレームワークや進め方を応用しているんです。

もちろん、大野コーチのようなプロのスキルレベルには及びませんが、提供されているフォーマットに基づいて、自分たちで会議を運営しようと試行錯誤しています。

これは、私が指示したわけではなく、彼らが自ら運営に取り入れ、「自分も(社内で)コーチをやりたい」とまで言ってくれている。これは非常に大きな意味を持つ変化だと捉えています。

インタビュアー: 指示待ちではなく、自発的に活用しようという動きが出てきたわけですね。

鈴江社長: 元々、役員クラスは主体的に動くメンバーではありましたが、今回の「すごい会議」に関しては、明確に「これを自分たちの武器にしよう、組織の力にしよう」という意志を持って取り組んでくれています。

やはり「言われてやる」のではなく、「自分たちもこれが有効だ」と実感しているからこそ、行動につながっているのだと思います。その姿を見るのは、私にとっても非常にやりがいがあります。

大野コーチ: 私としても、それは非常にありがたい変化です。導入当初は、メンバーの方々も半信半疑な部分があったわけですから。

鈴江社長: 今ではもう、完全に「すごい会議」を自分たちのものにしようとしてくれています。私の中では、この「すごい会議」の仕組みや考え方を特定のメンバーだけではなく、会社全体のインフラとしてどのように浸透させていくか、というフェーズに入っています。

インタビュアー: インフラ、ですか。かなり強力な言葉ですね。

鈴江社長: ええ。もう、オフィス環境やITシステムと同じレベルの、会社経営に不可欠なOS(オペレーティングシステム)のような位置づけにしたい。

電気や水道のように、グリーンエナジー&カンパニーという組織に「すごい会議」のエッセンスが当たり前のように存在し、機能している状態を目指したいんです。

われわれ自身も、再生可能エネルギーという社会インフラを普及させようとしているわけですから、自社の組織運営においても、このように「人が活き、成果が最大化されるツール」をインフラとして活用していくべきだと、強く考えています。

大野コーチ: そのように捉えていただけているのは、非常に光栄ですし、エキサイティングです。「すごい会議」は元々「ハイパフォーマンス・オペレーティングシステム」という概念を持っていますので、インフラやOSという鈴江社長の表現は、まさに本質を捉えていただいていると感じます。

願わくは、将来的に「『すごい会議』のセッションを経験しないとマネージャーに昇格できない」といった制度的な仕組みができたら、さらにパワフルな組織になるのでは、と勝手ながら期待しています。

インタビュアー: 鈴江社長が、そこまで「すごい会議」を社内のインフラにしたい、OSにしたいと感じられる、その一番の魅力や価値はどこにあるとお考えですか?

鈴江社長: なぜ、と聞かれると…当たり前のようにそう思うのですが(笑)。やはり、メンバーが自ら「やろう」という姿勢に変わっていくこと、組織全体がトランスフォーメーション(変容)していく、このダイナミズムは何物にも代えがたい価値があると感じます。

インタビュアー: トランスフォーメーション、ですか。

鈴江社長: ええ。例えば、セッションの中でも起こりますよね。一度決まったと思ったことが、改めて席について深く議論することで、より良い決定へと変わっていく。これはまさにトランスフォーメーションです。

この「決定が変わる」というプロセス自体が、組織を進化させる。メンバーが「自分たちが変えていくんだ」という当事者意識を持つこと、そして実際に意思決定の質が高まっていくこと。

これは、通常の業務運営の中ではなかなか得られない、お金では買えない価値だと思います。もちろん、ただ導入すれば良いというものではなく、受け入れ側の組織の状態や導入の仕方も重要でしょうけれど。

推進力の源泉 ― 社会を変える反骨精神と経営哲学

売上1000億円目標の真意とは? 社会を変える情熱と反骨精神、鈴江社長の経営哲学に迫る。

インタビュアー: 御社が現在、最も注力されている目標についてお聞かせいただけますか? 短期的なものでも、長期的なものでも構いません。

鈴江社長: 弊社は上場企業ですので、情報も開示しておりますが、現在「GREEN300」という中期経営計画を推進しており、2029年4月期に売上高300億円達成を目指しています。

現在の売上高が約100億円規模ですから、大きな挑戦です。

さらにその先、2035年には売上高1000億円を達成し、四国発祥の再生可能エネルギー企業として、日本を代表する存在になることを目標としています。これが私の中での一つのゴールです。

インタビュアー: 売上高1000億円とは、非常に大きな目標ですね。その数字目標の達成を通じて、どのようなことを実現したいとお考えですか? 単なる規模の拡大だけではない、背景にある思いをお聞かせください。

鈴江社長: まさにそこが重要でして。私は、この再生可能エネルギー事業が持つ社会的な意義は計り知れないほど大きいと確信しています。我々の売上が向上するということは、そのまま再生可能エネルギーが社会に普及していくことと同義です。

弊社は再生可能エネルギー関連のプロダクトやサービスに特化していますから、事業成長がダイレクトに社会貢献に繋がる。これは非常に分かりやすい構図です。

インタビュアー: 事業成長=社会貢献、ということですね。

鈴江社長: その通りです。しかし、今の100億円規模の会社がいくら理想を語っても、社会に対する影響力や発言権は限られています。

「我々が本気で社会に良いことをしているんだ」という自負があるからこそ、企業規模を拡大し、社会的な発言力を獲得しなければなりません。

残念ながら既存の大企業の中には、必ずしも本心からではなく、体裁を整えるために環境貢献を謳っているケースも見受けられます。

我々の方がよほど純粋に、本気で社会を良くしようとしている。そのことを事業の成長を通じて証明し、ある意味では既存の価値観に戦いを挑みたい、と考えています。

インタビュアー: かなり強いお言葉ですね。記事にしても大丈夫でしょうか?(笑)

鈴江社長: ハハハ!(笑)大丈夫です。やはり、見せかけだけの「良いこと」ではなく、本質的な価値を提供したい。日本社会全体が大きな変革期にある中で、我々はこの再生可能エネルギー事業を、社会を変えるための大きなチャンスだと捉え、挑戦を続けているんです。

インタビュアー: その強い思いや挑戦へのエネルギーは、どこから来るのでしょうか?

鈴江社長: それは、過去の経験が大きいかもしれませんね。例えば、創業初期に金融機関から「再生可能エネルギーのような先の見えない事業に融資できるか!」と、厳しい扱いを受けた経験があります。いわゆる貸し渋りです。

私は当時、「人口減少が進む地方で、いつまでも旧来型の産業にしがみついていて未来があるのか? 新しいエネルギー構造に転換しなければ、地域経済は立ち行かなくなる」と訴えたのですが、当時は理解されませんでした。

インタビュアー: 新しい挑戦には、逆風もつきものだったと。

鈴江社長: ええ。最近注力している系統用蓄電池事業でも、当初は同じような反応でした。「またか…」と。もちろん、1年後には理解が進み、状況は変わるのですが常にその繰り返しです。

さらに個人的な話をすれば、親族が遺した10桁(数十億円)もの借金を連帯保証人として引き継ぎ、貸し剥がしのような理不尽な経験もしました。そういった逆境と闘ってきた経験が、間違いなく今の私の反骨精神の源泉になっています。

「見返してやろう」という思いが、事業を推進する大きなエネルギーになっていることは、自分でも認識しています。

インタビュアー: なるほど…。そうしたご経験も踏まえ、鈴江社長が経営において、あるいはご自身の人生において、特に大切にされている価値観は何でしょうか?

鈴江社長: 答えになっているか分かりませんが、まず起業家として「経済的なインパクト」を追求したいという思いは当然あります。しかし同時に、「社会の役に立ちたい」「社会性のあるビジネスを手掛けたい」という欲求も非常に強いです。

この経済合理性と社会貢献という「両輪」を最大化させたい。さらに、そのプロセスにおいては、「自分たちらしく、独自性を持って、楽しみながら」やりたい。この3つの輪(経済性・社会性・独自性)が重なる領域を常に追求しています。

渋沢栄一の言う「論語と算盤」に、さらに「独自性」を加えたイメージでしょうか。ですので、「変わってますね」「面白いことやってますね」と言われるのは、私にとっては褒め言葉なんです。

インタビュアー: 独自性、という点では、常に新しい分野に挑戦されている印象があります。

鈴江社長: それはいつも意識しています。常に次のトレンドは何か、アンテナを張り巡らせています。だから人より少し早く動き出し、時には失敗したり、「早すぎる」と言われたりもしますが、新しい分野への挑戦はやめません。

特に地方では、誰かが成功するのを見てから動き出す、という傾向が強いように感じますが、それではもう遅い。

インタビュアー: ただ、早すぎても事業としては難しいですよね。そのタイミングはどのようにして見極めていらっしゃるのですか?

鈴江社長: 私は事業の「成長曲線」を非常に意識しています。参入すべきは、成長期に入ろうとする、まさにその直前。ここだ!というタイミングを見極めることを重視しています。

早すぎると、いくら資金があっても持ちませんからね。株式会社であるということは、きちんと収益を上げることが大前提です。ですから、事業の社会的な意義と収益化が見込めるタイミング、この両方を見極めて参入する。

これは、過去の太陽光や蓄電池事業への参入を振り返っても、比較的得意としてきた部分だと思います。

インタビュアー: そのタイミングは、どのように判断されるのですか? データ分析なのか、直感なのか…。

鈴江社長: 私の中では「どう考えても、ここしかないだろう」という明確な答えがあるんです。それは、市場のデータや数字を見れば、ある程度は論理的に導き出せるはずなのですが、周囲からは「なぜそのタイミングなのか分からない」と言われることも多いですね(苦笑)。ですから、ある意味では直感的に判断している部分もあるのかもしれません。

インタビュアー: 幹部の方々は、そんな社長の感覚を間近で見られるのは刺激的でしょうね。

鈴江社長: いや、それが「社長の考えていることが分からない」と、よく言われるんですよ(笑)。だから、そのギャップを埋めるのに苦労してきたわけですが…。

大野コーチ: 竹村さん(執行役員)などは、鈴江社長とはある意味で補完的な関係性を築かれていますよね。あと、これはお気づきかと思いますが、鈴江社長は周囲を「エナジャイズ」する力、つまり対話している相手のエネルギーまで高めてしまう、稀有な魅力をお持ちです。

インタビュアー: 確かにお話していると、こちらもエネルギーをいただけます。

鈴江社長: それは多分、私が基本的に「好きなこと」と「本当のこと」しか言わないからじゃないでしょうか。忖度したり、その場に合わせて体裁を整えたりするのが昔から本当に苦手なんです。

だから、自分の考えや信念をストレートに表現する。上場企業の社長という立場上「そういう発言は控えてください」と言われることもありますが、それも正直、性に合わない。

「本当のことが言えないなら、社長なんて辞める」くらいの気持ちでいます。そういう嘘のない姿勢が、結果として熱意として伝わるのかもしれません。

大野コーチ: ですから、この記事もまずは露骨なくらいストレートに書いていただいて、後で社内チェックで修正が入る、という流れが良いかもしれませんね(笑)。

あと、鈴江社長は天才。ひらめいたアイデアを、それを愚直なまでに実行に移していく。そのカリスマ性、人間的魅力は圧倒的です。

一緒に働ける幹部や従業員の皆さんは、本当に幸せだと思います。私の役割は、その「当たり前ではない」価値にいかに早く皆さんに気づいていただくか、ということだと考えています。

鈴江社長: いやいや、ありがとうございます。

未来への布石と進化し続ける組織へ ― 鈴江社長が見据える未来

壮大な目標達成へ、組織をどう動かす? 具体的な取り組みと未来への期待。

インタビュアー: 先ほど伺った「GREEN300」や、その先の1000億円という目標達成に向けて、現在チームや組織全体で、具体的にどのような取り組みを進めていらっしゃいますか?

鈴江社長: 取り組みは多岐にわたりますが、例えば先ほど少し触れた「グリーン・ビジョン・キャンプ」のような「場づくり」は意識的に行っています。

役員や各部門のリーダーたちが、日常の喧騒から離れた場所で、1泊2日かけて膝を突き合わせ、未来について語り考え合う。そうした場で互いの人となりを深く理解し、仲間としての結束を強めていくことが、目標達成の基盤になると考えています。

インタビュアー: 合宿の「場所」にもこだわっていらっしゃるとか。

鈴江社長: ええ、環境は非常に重要だと考えています。ですので、海が見える場所や、自然豊かな徳島の施設など、日常の会議室とは違う、開放的な空間を選ぶようにしています。

実際に社員からも「会議室で議論するよりも、雄大な景色の中で考えると、発想のスケールが大きくなる」といった声が聞かれます。ですから、意識的にそうした「場」を創出することには投資を惜しみません。

インタビュアー: 「場づくり」以外には、どのような取り組みがありますか?

鈴江社長: もう一つは「人づくり」です。この3月(2024年時点)に「グリーンエナジー大学(GEU)」という社内向けの教育プログラムを立ち上げました。今の日本は人手不足であり、生産性向上が急務です。

同時に、我々のような新しい産業を担う人材を、既存の学校教育だけに頼っていては育成が追いつかない。ならば、我々企業自身が、社会で本当に役立つ実践的な学びの場を提供し、新産業を支える人材を育てていこう、というコンセプトです。

将来的には、社外の企業の方々にも参加いただけるような仕組みに発展させたいと考えています。

インタビュアー: まさに未来への投資ですね。

鈴江社長: 結局のところ、我々のようなまだ若い会社が成長し、目標を達成していくためには「実行力」が全てだと考えています。

特別な才能があるわけではない凡人が集まって、大きなことを成し遂げようとするならば、人一倍努力し、考えたことを愚直に実行に移すしかない。そのための「場」と「人」への投資は不可欠だと思っています。

インタビュアー: 様々な取り組みを進める中で、鈴江社長が個人的に、会社の将来について最も楽しみにしていることは何でしょうか?

鈴江社長: やはり、「すごい会議」で目指しているような組織運営が、会社全体で当たり前のように行われている状態ですね。全チームが「すごい会議」的なアプローチで自律的に動き、成果を最大化させている。

そんな組織になっていたら、最高にエキサイティングだと思います。そうなってほしいし、そうなるようにしていきたいと思っています。

インタビュアー: それは、社長がいなくても組織が自走しているイメージですか?

鈴江社長: もちろん、会社全体のビジョンを示したり、大きな舵取りをしたりする役割は私にありますが、日々のオペレーションやプロジェクト推進においては、各チームが自律的に「すごい会議」の仕組みを使いこなし、自ら課題解決や意思決定を進めていく。

そんなイメージですね。まさに「すごい会議」を組織のOSとして機能している状態です。

「トップダウンの限界」が導入の好機? 鈴江社長が明かす変革のタイミング

「すごい会議」導入を成功させる秘訣は? 鈴江社長が実体験から語る、最適な導入タイミング、他の手法との違い、そして伴走するプロコーチの重要性とは。

インタビュアー: これから「すごい会議」の導入を検討される経営者の方もいらっしゃると思います。鈴江社長のご経験から、どのような企業や、どのようなタイミングでの導入が効果的だとお考えですか?

鈴江社長: 一概には言えませんが、個人的には、ある程度企業規模が大きくなり、成長の踊り場や組織的な壁に直面しているタイミングの方が、導入効果を実感しやすいのではないかと感じます。

もちろん、創業期の小さな会社で導入すれば、全社に浸透させやすいというメリットはあるでしょう。弊社くらいの規模(連結150名超)の場合、「すごい会議」に参加できるのは、ごく一部のメンバーです。

インタビュアー: 成長の壁、ですか。

鈴江社長: ええ。創業期や成長初期はある意味、カリスマ的なリーダーがトップダウンで「黙ってついてこい!」と引っ張っていくフェーズがあっても良いと思うんです。

しかし、そのやり方だけではある程度の規模になったり、事業が複雑化したりすると必ずどこかで限界が来る。組織が動かなくなるんです。

弊社も、どちらかと言えばそうしたプロセスを経てきました。そういう「このままではいけない」「何かを変えなければ」という問題意識が経営者自身の中に強く芽生えたタイミング。このタイミングであれば、経営者自身が「すごい会議」の必要性を腹落ちして理解できるはずです。

インタビュアー: トップダウンの限界を感じた時、ということですね。

鈴江社長: そうですね。正直、トップダウンで「俺が考えたこのやり方で進めろ」と言う方が、経営者としては楽なんですよ(笑)。時間もかからないし、面倒もない。

でも、それではもう組織は動かないし、人は育たない。その現実を受け止め、覚悟を決めた時に「すごい会議」というツールは非常に有効だと思います。

インタビュアー: 組織論という意味では、例えば「識学」のような他のメソッドもありますが、それらとの違いはどのように感じていますか?

鈴江社長: 識学は識学で、組織の役割や責任を整理するという点では非常に優れた考え方で、私も好きです。ただ、ツールとして見た場合、「すごい会議」の方がより現代的で、「人が活きる」感覚があるように思いますね。

コーチングというアプローチや、メンバー自身が主体的に参加して創り上げていくプロセスが、組織にポジティブなエネルギーを生み出すのではないでしょうか。

トップダウンで変化を推進してきた私のようなタイプの経営者が、組織の壁にぶつかった時には、特にフィットするのではないかと感じています。

インタビュアー: ありがとうございます。最後に、大野コーチは鈴江社長にとってどのような存在ですか?

鈴江社長: 一言で言うと、「プロフェッショナル」ですね。コーチとしての豊富な経験や知識に裏打ちされたスキルは、セッションの端々で感じます。

我々だけでは絶対に気づけないような絶妙なタイミングでの問いかけや、議論のファシリテーション。「どのようにしてそんな質問が出てくるんだろう?」「なぜこのタイミングなんだろう?」と、毎回感心させられます。

我々には到底真似できない、まさにコーチングのプロ。それが最も強い印象です。これから、企業をもっと成長していこうと考えている経営者は、ぜひ会っておいた方が良い人物の1人ですね。

インタビュアー: 本日は、貴重なお話をありがとうございました。

【結論(まとめ)】
社会貢献への情熱と不屈の反骨精神を胸に、未来を見据え挑戦を続けるグリーンエナジー&カンパニー鈴江崇文社長。

成長の壁とトップダウン経営の限界を認識し、組織を進化させる“OS”として「すごい会議」を導入した決断は、メンバーの主体性を引き出し、組織を変容させる大きな可能性を秘めている。

鈴江社長の挑戦と哲学は、変革への一歩を踏み出そうとする全てのリーダーに、勇気と具体的な示唆を与えてくれるだろう。

大野 栄一 おおの えいいち

株式会社一番大切なこと

私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。

地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?

信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?

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