株式会社一番大切なこと
私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?
「2035年に売上1,000億円」という壮大なビジョンに向け、さらなる躍進へと加速させるべく、株式会社LINGsは「すごい会議」を導入した。
「勝てる仕組み」の構築が図らずも「責任者の不在」を招いていた。属人化の排除から脱却し、いかにして「真の当事者意識」を持つリーダーを育てるのか。
今回は、同社を率いる川中子社長に、導入からわずか4ヶ月で起きた組織の劇的な変化と、1,000億企業への道程について語っていただいた。

インタビュアー:
まず、「すごい会議」が導入される前の状況からお伺いさせてください。
創業から5年余り、圧倒的なスピードで成長を続けてこられましたが、あえてこのタイミングで組織改革に踏み切った背景には、どのような課題があったのでしょうか?
川中子社長:
ありがとうございます。経営として、これまで一番重要視してきたのが「勝てる事業モデルの構築」だったんです。誰がやっても勝てるエコシステムを作り上げることに注力してきました。
例えば、主力の軽貨物配送を伸ばせば、付随する車両周りやガソリン周りも勝手に伸びていく。そういった、責任者を立てていなくても事業が自然と拡大していく仕組みを作ってきたんですね。
結果として、事業自体は計画通りにどんどん伸びていきました。
インタビュアー:
属人的な能力に頼らない、強固な仕組みづくりが急成長の原動力だったわけですね。しかし、順調に見えるその裏で、何か見えない壁を感じていらっしゃったのでしょうか。
川中子社長:
そうなんです。仕組み化を徹底した反面、直面した目先の課題が「責任者が育っていない」ということでした。
基本的に私と役員が頭となって意思決定し、メンバーたちは同じ方向を向いて走ってはくれている。でも、彼ら自身が思考して、自分たちに近いバリューを出していくような動きがなかったんです。
当事者としての思いはあっても、実際の行動になるとどうしても当事者意識が薄くなってしまう。そんな状態がずっと続いていました。

インタビュアー:
組織が大きくなるにつれて、トップダウンの限界が見えてきたのですね。 仕組みは完璧でも、それを動かす「人」の課題に直面した….と。
川中子社長:
そうですね。当社は今期で6期目を迎え、売上は100億円規模になります。
ただ、ここから一気に1,000億円まで伸ばしていく中で、トップの私たちだけでは到底難しいフェーズにきています。
本当の意味での新規事業を生み出すには、やはり責任者格の存在が不可欠です。
そこで「この3年間で8人の右腕を作ろう」と決意しました。私自身にも、ちょうど「人を育てよう」という意識が芽生え出していたタイミングだったんです。
インタビュアー:
だからこそ、仕組みの構築から「自立した人材の育成」へと舵を切られたのですね。
メンバーの皆さんのポテンシャルを、どのようにすれば最大限に引き出せるか、というフェーズに入ったということですね。
川中子社長:
まさにその通りです。もちろん、勝てるモデルの構築は続けながらも、1人ひとりの実行力や責任者格を引き上げていく。
この強い仕組みを、より考え、実行出来る仲間になっていければ、もっと勝てるようになりますよね。
だからこそ、今期の1年は「責任者格を育てること」が私の中で一番のミッションであり、そのために「すごい会議」を導入したという形です。

インタビュアー:
先ほど「人を育てよう」という意識が芽生えたとおっしゃっていましたが、これまで社内で社員研修や人材育成のプログラムなどは導入されてこなかったのでしょうか?
川中子社長:
実は、一度もないんですよ 。私自身、色々な先輩経営者からお話を伺ったり、本を読んだりしながら、いわばストリートで実地を積んで育ってきた感覚なんです。
だから、いわゆる「研修」みたいなものはあまり好きじゃなくて。『そんなんで変わるなら誰も苦労しないよね』と、どこか胡散臭く感じていた部分もありました。
実は以前にも別の方から「すごい会議」の提案を受けたことがあったんですが、その時はピンとこなくてお断りしていたんです。
インタビュアー:
そうだったんですね!一度お断りした過去がある中で、なぜ今回は導入に至ったのでしょうか。大野コーチとの出会いのきっかけから教えていただけますか?
川中子社長:
きっかけは、私が経営のサポートをしていただいている、ある大企業の元創業者の方からのご紹介でした。
私の課題感をお話したときに『こういうの受けたことある?』と聞かれて、そこから繋いでいただいたのが大野コーチだったんです。

インタビュアー:
大野コーチの第一印象はどのようなものでしたか?
川中子社長:
鋭い方だなと思いましたね。一言一言が重いというか、明確な意図があるのを感じました。
例えば、『次、メンバー5人の時間を3時間いただきたいんですが可能ですか?』とサラッと言われるわけです。
その問いで感じたのは『あ、これって、ある意味で私を試しているんだろうな』と。
営業なのに下から来ない。経営者としての私の意思決定を見ながら、フィルターをかけてきているような感覚がありましたね。
インタビュアー:
なるほど。とはいえ、本格的な導入となれば大きな投資になるかと思います。腹を括って「よし、やってみよう」と決断された最大のポイントはどこにあったのでしょうか?
川中子社長:
私1人が話を聞いて『いいですね』と納得したからではなく、メンバーたちと一緒に体験できたことが一番大きかったです。
私を含めて今後引き上げていきたいメンバー6人で導入セッションに参加したんですが、大野コーチのたった一つの問いかけで、彼らの当事者意識がガラッと変わるのを目の当たりにしたんです。
私の目的はあくまで育成でしたから、その体験が一番の決め手になりましたね。

インタビュアー:
メンバーの方々の反応や表情は、普段とどのように違ったのでしょうか?
川中子社長:
みんな、すごく新鮮な反応をしていましたね 。普段は私と役員だけで話をして物事を進めていたところに、彼ら自身が意見を出し始めたんです。
正直なところ、私は彼らのことを「自分で深く考えずに動く人たち」だと思い込んでいた部分がありました。
でも、実際に問いを投げかけられると『こんなに考えていたんだ』『自分の考えをしっかり持っているんだ』と気付かされたんです。
インタビュアー:
メンバーの中に眠っていた主体性を、どのようにすれば引き出せるのか。その答えの糸口を、実践の「問い」の中に見出されたわけですね。
一般的な研修とは違い、自分たちで答えを導き出す点に違いを感じられたのですね。
川中子社長:
そうなんです。ただ教え込まれる研修ではなく、参加者に当事者意識を持たせて会議の質そのものを上げていく。そこは全然違うなと感じましたね。
インタビュアー:
導入後、すでにセッション5まで終えられたとのことですが、チームの動きや発言に何かブレイクスルーが起きた瞬間はありましたか?
川中子社長:
ええ、全員が変わってきている実感はありますが、特に象徴的だったのが車両部門の責任者ですね。
彼はもともと自身で起業していたんですが、事業シナジーを見込んで我々と一緒にやることになり、彼も出資する形で子会社を作ったんです。
ただ、当初の彼はどこか「手伝いに来ている」という感覚が強かったんですよ。
私たちは、ビジョン実現のためにガンガン数字を追って前に進むタイプなので、彼は『自分はそれに付き合わされている』『経営陣は数字や量しか見ていない』と感じていたんじゃないかと思います。
彼はどちらかというと「質」を重視するタイプだったので。

インタビュアー:
経営陣が求める「量」と、現場が求める「質」。
見ている景色が違う中で、その認識のズレは、どのようにすれば埋められるのでしょうか。その壁を突破したきっかけは何だったのですか?
川中子社長:
きっかけは、Day1のセッションでした。そこで1年間のミッションである「We Promise」を決める話し合いをしたんです。
その時、彼が発した言葉があって、私はそれをそのまま目標に入れ込む意思決定をしました。そこからですね、彼が一気に覚醒したのは。
インタビュアー:
それは非常に興味深いですね。具体的に、彼はどのような言葉を発したのでしょうか?
川中子社長:
「ドライバー1万人と、平均手取り40万円の実現」という言葉です。
1万人という規模感はもともと決まっていたんですが、彼が「平均手取り40万円」という「質」の部分を提案してきたんです。
彼は、現場でトラブルになって辞めていくドライバーの姿を見てきて『いくら良いサービスを作っても、稼げなくて人が辞めていく状態じゃ意味がない』と痛感していたんだと思います。
だからこそ、質を追いたいという強い思いがあった。
インタビュアー:
なるほど。彼の中では『自分が見ているものとは違うから、言っても無駄かもしれない』と思っていたことが、経営トップに真正面から受け入れられたわけですね。
川中子社長:
その通りです。実は私たち経営陣も、もともと彼と同じように「質」を大切に思っていたんです。
私たちは「全体を実現することで、目の前の人を良くできる」と考え、彼は「目の前の人を良くすることで、全体が広がる」と考えていた。
アプローチが違うだけで、目指している方向は同じだったんですよ。
ただ、それが彼には伝わっていなかった。だから彼の提案を受け入れた瞬間『俺の意見が通った』『この人たちは、ちゃんと質も考えているんだ』と伝わったんでしょうね。

インタビュアー:
経営と現場のベクトルが完全に一致した瞬間ですね。その後、彼の行動はどのように変わったのでしょうか。
川中子社長:
もう、行動が劇的に変わりましたね。「やらされている感」がなくなり、自分から同じ方向を向いて力強く進んでくれるようになりました。
これこそが、私が求めていた「当事者意識」なんだと強く実感した出来事でしたね。
インタビュアー:
先ほどの車両部門の責任者の方以外にも、幹部層の方々で印象的な変化はありましたか?
川中子社長:
上級統括をしている人間がいるんですが、彼はもともと「超・安定志向」だったんですよ。
任せれば安心感はあるんですが、自分が完全に見え切らないと走らないタイプで。プライド的にも「失敗は許されない」という恐れや恐怖感みたいなものがあったんだと思います。
インタビュアー:
なるほど。完璧に見通しが立たないと一歩を踏み出せない、という方は成長過程の企業にはよくいらっしゃいますよね。
そのような彼が、どのようにして行動できるようになったのでしょうか?
川中子社長:
すごい会議でのセッションや実践などを通じて、『とりあえず一歩進めてみたほうが、結果的にうまくいくことが多い』ということに気づいてもらったんです。
とにかくイメージがついていなくても、まずはやってみる。そうしてサイクルを回していくうちに、彼の中で前に進める意識がめちゃくちゃ強くなりました。

インタビュアー:
失敗を恐れる完璧主義から、行動主義へとマインドチェンジしたんですね。
川中子社長:
ええ。スキル自体は変わっていないはずなのに、今では立派な責任者になれるほどの人間になっています。
当事者意識が芽生えただけでなく、なぜか発想力まで上がったんですよ。『こういうパターンなら、こっちの方が良くない?』と。
直近で自ら前に進む経験を積んだことで、どんどん新しいアイデアが出るようになったんです。彼が一番覚醒したかもしれませんね。
インタビュアー:
素晴らしい変化ですね。導入後4ヶ月とはいえ、業績や生産性への影響はいかがですか?
川中子社長:
業績という点では、もともと毎月積み上がっていくストック型のモデルなので、今日明日の会議ですぐに数字が跳ねるというものではありません。
ただ、会社全体として「前に進める意識」が信じられないくらい強くなりました。
インタビュアー:
「前に進める意識」ですか。
川中子社長:
はい。『じゃあ、今日から何を変えるの?』『今日、何をするの?』と、会議での議論を「今日のアクション」に落とし込む力がすごく強くなったんです。
私たちが一方的に会社を回すのではなく、みんなが当事者意識を持ち、自分の強みを発揮して変化を生み出していく。
できない理由を探すのではなく、とにかく前に進める。この全体的な意識の底上げが、本質的な一番の収穫ですね。

インタビュアー:
すごい会議を通じて、組織の「前に進める意識」が大きく変わってきているとのことですが、今後1年間のセッションを通じて、具体的にどのような未来を作っていきたいとお考えですか?
川中子社長:
まず1年後の目標として、今の役員陣を除いて、新たに「3人の事業責任者(右腕)」を作ることが一番のミッションです。
すごい会議を通じて、引き上げられそうなポテンシャルを持った人材が見えてきているので、そこにしっかりと注力して彼らを引き上げていきたいですね。
インタビュアー:
冒頭でもお話があったように、3年後には8人の責任者格を輩出していく構想とのことですが、その強固な組織体制の先には、どのような中長期的なビジョンを見据えていらっしゃるのでしょうか。
川中子社長:
目標としては、2035年に売上1,000億円です。今期で100億は達成する見込みですが、そこは全くゴールではありません。
インタビュアー:
すでに年商100億円が見えているのですね!
ただ、そこからさらにケタを変えて1,000億円という大きな目標に到達するには、これまでの延長線上ではない飛躍が必要になりそうですね。

川中子社長:
おっしゃる通り、これまでの「トップが作った仕組みを回す」というトップダウンのやり方の延長線上では、1,000億には到底届きません。
だからこそ「8人の右腕」が絶対に必要なんです。
本気でラストワンマイル業界を変革するには、私と同じ視座を持ち、自ら思考して「本当の意味での新規事業」や「新しいエコシステム」を創り出せる人間が不可欠です。
インタビュアー:
なるほど。与えられた仕組みをこなす責任者ではなく、自ら仕組みを生み出せる「経営者感覚」を持ったリーダーが必要だということですね。
川中子社長:
ええ。それぞれの強みを最大限活かしたバリューが8人いれば、それぞれが核となって独立して動き、事業を多角的に、かつ爆発的に拡大していくことができます。
今のメンバーを引き上げるだけでなく、新たな人材も巻き込みながら、最強の8人体制を作っていく。その基盤づくりのために、今「すごい会議」にフルコミットしているんです。
インタビュアー:
川中子社長から見て、今回伴走されている大野コーチを一言で表すと、どのような方でしょうか?
川中子社長:
「愛がありながら、深い人」ですね。
とにかく一言一言の問いが深いんですよ。口数が多くて答えを全部教えてくれる、というわけではないんですが、ヒントになるような一言がすごく深い。
普通は一言で1つのことを知ると思うんですが、大野コーチの言葉からは、一言で10や20のことに気づかされる感覚です。


インタビュアー:
なるほど。その「深さ」が「愛」に繋がっていると。
川中子社長:
ええ。私たちのことを本当に深く理解してくれているからこそ、あのような問いができるんだと思います。だからこそ、その深さに愛を感じるんです。
ウェットに関わって『ちょっと飲みに行きましょうよ』というタイプではなく、ビジネスライクといえばビジネスライクなんですが、圧倒的な深さに愛があるんですよね。
インタビュアー:
私は、大野コーチがコーチングされている他の企業にもインタビューを行ってるのですが、その企業の経営者からも『私たちが理解している以上に、私たちのことを理解してくれている』という言葉をよくお聞きします。
まさに、それが愛に繋がっているのでしょうね。
では最後に、まだ「すごい会議」を導入していない企業様へ向けて、どのような企業が導入すれば、御社のように劇的に伸びると思われますか?
川中子社長:
やはり「素直で柔軟な企業」だと思います。
今まで自分たちがやってきた「やり方」や「概念」とは少し変わる部分もあるので、『自分たちは絶対これでいくんだ』と頑固になりすぎてしまうと、せっかく良いものでも吸収できません。
拒否反応を出さずに、一旦素直に受け入れてみる。そういう企業であれば、めちゃくちゃ伸びると思いますね。

インタビュアー:
それは、ベンチャー企業か老舗企業かといったフェーズは関係ないでしょうか?また、新しい概念を取り入れる際、どのようにすれば組織全体へスムーズに浸透すると思われますか?
川中子社長:
ベンチャーか老舗かはどちらでもいいと思います。重要なのは、経営者自身が柔軟かどうかです。
そして、経営者自身が当事者意識を持ちながら、それが本当に良いものだとみんなに伝播させて『変化していこう』と鼓舞できるかどうか。
トップが素直で柔軟であれば、組織は必ず伸びます。
インタビュアー:
一連のお話を伺っていると、川中子社長ご自身がまさに、その「素直さ」を体現されているように感じます。
川中子社長:
素直さだけは取り柄だと思っています(笑)。
もちろん自分の中の軸は持ちつつも、良いものは柔軟に取り入れさせていただく。そのスタンスはこれからも大切にしていきたいですね。
インタビュアー:
素晴らしいお話をありがとうございました。さらなる飛躍を楽しみにしております。
川中子社長:
ありがとうございます。

「完璧な仕組み」は事業を急成長させる強力な武器となる一方で、時としてメンバーの主体性を奪いかねない。
川中子社長が直面したこのジレンマは、成長フェーズにある多くの企業がぶつかる共通の壁ではないだろうか。
「すごい会議」と大野コーチの鋭い問いかけは、経営陣と現場の間にあった認識のズレを解消し、メンバーの中に眠っていた「当事者意識」を見事に引き出した。
しかし、組織に劇的な変革をもたらした最大の要因は、現場の声を全社目標に組み込み、自らの過去の成功体験に固執しなかった川中子社長自身の「素直さと柔軟性」に他ならない。
自立して思考・行動する「右腕」たちと共に、2035年の売上1,000億円という壮大なビジョンへ向けて走り出した株式会社LINGs。
同社の軌跡とトップの姿勢は、組織を次のステージへ引き上げるための本質的なヒントを、私たちに強く提示してくれている。

私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?