株式会社一番大切なこと
私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?
数多くの企業の成長を支援し、経営者の意思決定を導いてきた「すごい会議」コーチ・尾崎理恵氏。クライアントの変革を後押しする立場にある彼女が、2025年夏──突如として、同じ「すごい会議」のコーチである大野コーチに対し、フォーマルにコーチングを依頼した。
「プロがプロにコーチングを頼む必要があるのか?」
そんな疑問さえ浮かぶこの決断の背景には、コーチという職業が本質的に抱える“見えない盲点”があったという。尾崎氏の内側では何が起こり、なぜこの選択が“生き様の変容”へとつながったのか。
同業コーチへの依頼という一見特異なケースに迫りながら、コーチ自身が外部コーチを必要とする理由、そしてそこから生まれた成果について伺った。
インタビュアー:
まずは、大野コーチに正式にコーチングを依頼した背景からお聞かせください。
尾崎コーチ:
今年(2025年)の6月末ごろ、私自身にコーチとしての課題や迷いがあって、その渦中にいる時に大野コーチと話をする機会がありました。
そこで、大野コーチからアドバイスと勇気づけをいただく場面があり「考え方ひとつで、こんなに現象の見え方が変わるんだ」と、すごく大きな洞察があったんです。

私たちは普段、クライアントに対してそれを提供している側ですけど、自分が渦の中に入ってしまうこともあるのですが、まさにその状態だった私に、新しい光を当ててくれたのが大野コーチでした。
「フォーマルに、大野コーチのコーチングを通じてバージョンを上げたい」と思い、8月からスタートしました。
インタビュアー:
渦中に入った際、大野コーチとお話をしている中で、特に心に残った言葉はあったのでしょうか。
尾崎コーチ:
大野コーチから「どう考え、どう判断し、どう行動するかは【生き様】そのもの」と。今まで何度も耳にしてきた考え方ですが、そのときスッと身体に入ってきました。
細かい技術の話ではなく、生きる姿勢そのもの。理解していたつもりだったけれど、「刺さる瞬間」ってあるんだなと。
自分が穴に潜った時って、周りが真っ暗になり、何も見えなくなります。そんなとき、信頼している人の言葉が、私が見えていないところに光を当ててくれるんです。

そして、景色が一気に変わり、新しい世界が立ち上がる。
大野コーチのコーチング、対話を通じて、そのようなことが起こり、いくつもの力強い言葉と思考が強く私に響きました。
インタビュアー:
「すごい会議」には、たくさん素晴らしいコーチ陣がいらっしゃいますが、その中で大野コーチを選ばれた理由は?
尾崎コーチ:
「すごい会議」にはいくつかの組があって、私と大野コーチは同じ組なんですね。
チームとして海外セッションに行ったり、移動中に会話をしたりと、一緒に過ごす時間が他の方よりも長いです。
でも、同じチームだからお願いしたという単純な理由ではなく、大野コーチは独特の世界観と哲学を持っていて静かに熱いんです。
さらに、ここ数年の大野コーチは最も大きくブレイクスルーし、私はそのプロセスを間近で見てきました。
本当に自然体のまま、ご自身の世界を爆発させている感じがあって、「あぁ、こういう生き方って美しいな」と思わせてくれる。
肩肘張らないのに、圧倒的に前に進んでいる。その姿が魅力的で、お願いするなら大野コーチだと自然に思いました。

インタビュアー:
尾崎コーチ自身も「すごい会議」のコーチとして多くの企業をコーチングしているので、あり方や考え方などは熟知しているかと思いますが、ご自身で解決しようとは考えなかったのでしょうか?
尾崎コーチ:
私は、一人で考えはじめるとドツボにはまるので、一人で抱えこまないことにしています。
まずは周りに聞いてインスピレーションをもらい、そして自分で考え、必要ならまた相談する。
周りに素晴らしいコーチがたくさんいるからこそ、さっさと出力して、さっさと辱めを受けて、さっさとフィードバックをもらう。そのほうが早いんですよね。
インタビュアー:
なるどですね。確かに、特に渦中に入った時や迷いが生じた時は、周りに聞いた方が早いですよね。
「すごい会議」は、月1回のセッションで1年間コーチングを受けますが、尾崎コーチも同じですか?また、セッションのメニューは固定されているのですか?
尾崎コーチ:
私は、月に1~2回ですね。8月からの5ヶ月の現時点で12回。
また、メニューが決まっているわけではなく、その日に扱いたいテーマを、大野コーチと一緒に深堀するというスタイルです。
インタビュアー:
今回、尾崎コーチご自身も「すごい会議」のコーチでありながら、「すごい会議」のコーチングを受けるという、少し特殊なケースですよね。
いつもは、ご自身のクライアントに取材をする側ですが、今回ご自身が取材を受ける側になってみて、どのような心境ですか?
尾崎コーチ:
そうなんですよ。私も「今回、この取材って何だろう?」と思ったんです。最初は意味が よく分からなかったんですが「あ、そうか。私も“クライアントだった”んだ」と思い出しました笑。

インタビュアー:
では、そろそろセッションでの気付きや学びを深掘りしていきたいと思いますが、初回セッションで特に印象に残った問いや関わりはありましたか?
尾崎コーチ:
もちろんです。
最初に行ったのは0歳から7歳、7歳から14歳というふうに、7年周期で区切って「人生を0歳から振り返る」というものでした。
それも、ただ振り返るのではなく「人生は私に何を問いかけてきたか?」という視点で振り返っていくんです。
私は現在53歳なので、0歳から53歳まで、すべてを7年ごとに見ていく。
最後の49歳から53歳の区間で「私の生き様とは何か」「私はどう発揮されるのか」「妨げに見えるものをどうギフトとして扱うのか」という自分の言葉が自然と出てきて、ここまでの人生を振り返ることになりました。
普段「人生は私に何を問いかけてきたか」なんて考えない。

インタビュアー:
確かに、考えないですよね。
尾崎コーチ:
42歳~49歳の自分には「本当に大切で、愛しいことは何か」。30歳~42歳は「私の真の価値は何か」。そんなテーマが浮かび上がるんです。
過去のことを思い出しながら「あの時の私は何を感じていたんだろう」と探っていく。
7歳なんて小学生ですから、小学1年生だった頃の自分に「人生はどんな問いを投げかけていたんだろう」と考えるわけです。それはとても価値のある時間でした。
インタビュアー:
その問いそのものが深すぎて、聞いているだけでもワクワクしてきます。
でも、過去を思い出すプロセスって、時に負荷がかかりますよね。苦しくはなかったですか?
尾崎コーチ:
苦しさというより、好奇心の方が大きかったですね。年齢を重ねて、体験も蓄積されて、今の自分は昔と同じ脳ではないじゃないですか。
その状態で過去を見ると「私は今まで何を感じ、どのようにインプットして、どのようにアウトプットして生きてきたんだろう」と探究したくなるんです。

過去に遡るほど記憶は薄れているけど、それも含めて、一つ一つをしっかり辿っていくのは、興味深いプロセスでした。
ただこのプロセスは、1人ではきっと途中で挫折していたと思います。
大野コーチが同じ空間で優しく見守り、そして黙って「それでどうですか?」とだけ促してくれる。その存在があるからこそ、途中で挫折せずに深く潜っていけたんだと思います。
インタビュアー:
なるほど。「私は今まで何を感じ、どのようにインプットして、どのようにアウトプットして生きてきたんだろう」って、とても深いですね。
尾崎コーチ:
人生って、意味を探したくなるじゃないですか。でも、もしかしたら「意味なんてないのかもしれない」と思う時もある。
単に今の時代に生まれて、同じ時間を過ごしているだけかもしれない。でも、もし意味があるとしたら何だろう。そう考えてみると、それだけでも自分の人生の見方は変わる。
大野コーチはよく「すべてはギフト」と言います。

このフレーズに触れながら、自分の人生を眺めてみると「ああ、たしかにあの時の〇〇ってギフトだな」と思える瞬間がいくつもありました。
そういう意味でも、とても豊かな時間でしたね。
インタビュアー:
意味があるかどうかではなく、そこに自分で意味づけができる。それ自体が価値だということが伝わってきます。
尾崎コーチ:
そうですね。定期的にこういう時間があるのは、とてもいいことなんだと思います。
インタビュアー:
大野コーチとセッションを進めていくことで、ご自身の中で何が一番変わったと感じていますか。意味づけや行動、認知の変化など、ビフォーアフターで教えていただけますか。
尾崎コーチ:
一番大きいのは、大野コーチがよくおっしゃる「人生で起こる全てのことは、人生を促進させるために起こる」というキーワードです。
これだけ聞くと「ピンチはチャンス」と同じようにも思えるんですけれど、少し違っていて、無理やり意味を持たせるというよりも、例えば何か困難なことが起こったとき、その困難は先ほどもお伝えした大野コーチが言うギフト。
もしかしたら促進するためのものだとすると、真っ暗な暗闇も「ありがたい」という感覚なんです。暗闇だからこそ光が見える時もあるし、別の目が発達することもあるかもしれない。
そう捉えらるようになると、毎日が「ありがとう」と思えるようになります。

あとは「上機嫌は上機嫌を呼ぶ」という感覚も私の好みで、それで日々生きています。
私が私と一緒にいることで上機嫌になるということは、私自身が上機嫌でないと上機嫌は起こらない。そして上機嫌は連鎖が起きるので「要は私次第ね」と帰結するんですよね。
「人生で起こる全てのことは、私を促進させるために起こる」と思っておけば、全てはエネルギーであり、成長のネタであり、素晴らしいドラマのネタになる。
元々そのような思考はありましたが、実は私はガラスの心の持ち主で、静かに傷ついたり、沈んだり、悲しんだりします。
それ自体は人間らしくていいのですが、同じところに長く留まらず、次のステップに前を向いて、意図して進むスピードが以前より明らかに早くなりました。
インタビュアー:
それは素晴らしい変化ですね。現時点までで、9回のセッションが終わったということですが、どのような変化がありますか?
尾崎コーチ:
自分自身のスタンドですね。その土台にあるのが「残りの人生どう生きていこうか」という問いです。
正解も不正解も正義もない中で「自分はどういう生き方をしたいのか」がベースにあって「こういう困難が起こった時、クライアントにどう問いかけますか?」というところまで、必然的につながっていく感覚があります。
誰から質問されたかによって届き方が違うように、まずはコーチとしての生き方そのものが問われている。

何が変わったかと言われれば、結果的にはコミットメントの「質」というよりも「あり方」かもしれません。私自身の内面もそうですし、クライアントへの向き合い方が大きく変わりつつあります。
真剣な人のことは真剣な人だから分かるし、その発言は本気で言っているのか、それともそうではないのかは伝わりますよね。
大野コーチとフォーマルに会話を重ねる中で、まだまだ道半ばではあるものの、自分の中に「新たな芽」が生えてきている感覚があります。
今まで少しグラグラしていたところが、淀みのない揺るぎないものになりつつある。それが、セッション9回までの率直な感想です。
インタビュアー:
では次に、数字面での変化についても伺いたいのですが、セッション開始からまだ4ヶ月ほどですよね。
その中でも、成約率や意思決定スピード、リピート率など、具体的に変化が見えた部分はありますか。
尾崎コーチ:
リピート率が圧倒的に上がっています。
インタビュアー:
リピート率が上がっているのは、とても素晴らしいですね!「すごい会議」は通常、1年間のセッションですよね?
尾崎コーチ:
基本は1年契約です。
ただ、単発で「経営合宿だけお願いしたい」という企業もゼロではありませんが、私はほぼ全クライアントが年間契約でコーチングをしています。

インタビュアー:
ということは、以前は2年目、3年目の継続に少し課題があったのでしょうか。
尾崎コーチ:
そんなこともなくて、ちょうど調べていたら過去のリピート率は7割でした。
インタビュアー:
7割でも十分高いと思いますよ笑。羨ましい限りです。
尾崎コーチ:
大野コーチもすごい数字を出されていますが、私の2024年のリピート率は78.22%でした。
今後は、リピート率はもちろんですが、クライアントの大満足度、つまり、クライアントが手に入れたいものを手に入れ、期待を超えたのかという指標を誠実に達成してきたいと思っています。
インタビュアー:
今回の経験を踏まえ、同じように壁を感じるコーチや経営者に「手順として渡せる学び」があるとすれば、どんなものになりますか。
尾崎コーチ:
私自身、コーチでありながらも、自分自身のことは見えにくい。声も、表情も、癖も、本当に自分自身は見えないんですよね。
インタビュアー:
確かに、自分は本当に見えないですよね。

尾崎コーチ:
そうなんです。だからチェックというより、常に自分が向かいたい方向に向かっているか。ちゃんと貢献できているのか。
それを確認する場として、そして自分をフレッシュで満タンにしておく場として、コーチの存在は必要なんだと感じています。
ピークステート(最高のパフォーマンスが自然に出る心と身体の状態)という言葉がありますが、その状態は意図していないとキープすることはできません。
意思決定者であれば、困ってから相談するのではなく、常にメンテナンスをしておき、バージョンアップと進化が起こる状態にしておく。
会社の成長進化を考えると、外部のコーチングをインラフラにするのは、とても効果的だと改めて感じています。
ですので「すごい会議」はいつから始めてもいいけれど、今よりも更なる進化成長を目指すなら、いつもピークな状態でいられるように、「すごい会議」はとても強力な役割を果たします。
インタビュアー:
私も「すごい会議」を導入している多くの企業にインタビューしてきましたが、実際に「社内インフラにしたい」と語る社長も多いですね。
尾崎コーチ:
素晴らしいですよね。そういう企業ほど成功事例が多くて、数字も上がっていて、社員の皆さんもいきいきしている。
社長も社員も、それぞれが“自分の人生を生きている”という状態になるわけです。だから最初から手順として組み込む。これは本当に有効だと思っています。
インタビュアー:
確かに、大野コーチのクライアント企業を何十社も訪問していますが、社員さんの明るさが本当に違います。
尾崎コーチ:
ですよね。スポーツ選手には、プロコーチが必ずついています。もっと言うと分野によって担当コーチが違ったり。

なのに「なぜ、ビジネスパーソンはつけないのか?」って思うんですよ。つけない理由はないですよね。
インタビュアー:
確かに。僕も大野コーチにコーチングを頼みたくなってきました笑。
尾崎コーチ:
いいと思いますよ。これだけ成果が出ている話を聞いたら「やってみようか」と思いますよね。ぜひ“大野貯金”を笑。
インタビュアー:
では最後に伺います。大野コーチのコーチングの価値を、あえて一言で表すなら何でしょうか?
尾崎コーチ:
やはり、一言で言うなら「生き様」です。生き様って分断できないじゃないですか。朝起きてから夜寝るまで全部。
コーチ自身も、生き方そのものがクライアントとの関わりに現れる。仕事は生きることだと思っているので、自分自身が誇りを持てる動きを淡々とする。
その積み重ねが“様”になる。そこの洞察を与えてくれるのが、大野コーチの価値だと思います。

大野コーチは、私のコアな部分を全く否定することなく、そのまま大切なものとして扱ってくれる。削ぎ落としたり、かぶったりしていたものが一本に戻って、そこからさらに拡張していく。
そのキッカケを与えてくれる。だから私は“大野ワールド”に魅了されているんでしょうね。
インタビュアー:
まさに、冒頭におっしゃっていた「人生はあなたに何を問いかけている?」に繋がる話ですね。
尾崎コーチ:
そうなんです。「人生で私は何を問うか」とも言えます。
インタビュアー:
素晴らしいお話でした。ありがとうございました。
尾崎コーチが大野コーチのセッションを受けた経緯は、一見すると“同業者同士”の珍しい事例に映る。
しかし、その裏側には、コーチという職業が本質的に抱える課題──「自分の姿だけは自分には見えない」という構造的な盲点が横たわっている。
迷いの中で差し込んだわずかな光、人生を七年周期で振り返る深い問い、そして「すべてはギフト」という視座。
これらは尾崎コーチ自身の行動や認知を静かに書き換えていき、リピート率の上昇という形で、目に見える成果となって現れた。
外部コーチングを“困ったときの処方箋”ではなく、“インフラ”として組み込む発想は、経営者にもコーチにも共通する普遍的な学びである。
ビジネスパーソンが自分の生き様を問い直し、ピークな状態を保ち続けるための仕組みとして、外部の問いは不可欠だ。
大野コーチの価値を「生き様」と表現した尾崎コーチの言葉が象徴するように、最も強い影響を与えるのは、技術ではなく、その人の在り方である。
組織の成長は、トップの成長を追い越すことはない。
ならば、自らの内側を磨き続けるための「問いの場」を持つことこそ、変革を望むリーダーにとって最大の投資なのかもしれない。

私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。
地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?
信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?