株式会社ピグマ
創業19期目。すごい会議マネージメントコーチ10年目。バリューファクター認定トレーナー。MBTI認定ユーザー。桁を変える経営者倶楽部「レバレッジ 倶楽部」主催。兵庫県明石市出身。毎朝10年間ランニング継続中。中小企業の営業支援と組織開発支援実績多数。日本の中小企業の経営に違いを起こすことがミッション。
石坂:当社は2006年の設立以来、順調に発展を続けてきました。しかし、コロナ禍の影響もあり、昨年に成長の踊り場を迎えました。時を同じくして、同格の代表取締役を務めていた副社長の退任も内定。さらなる成長をめざすには、マネジメントチームの強化が欠かせません。そこで「すごい会議」を導入し、役員陣の意識と行動を改革しようと考えました。
石坂:タレントマネジメントシステムの導入、ハイクラス専門の人材紹介など、他の選択肢も検討しましたよ。しかし、ITツールは現状分析で終わりがち。新たな人材登用も大事ですが、既存メンバーの成長のほうが先決です。
「すごい会議」を選んだ決め手は、太田コーチの存在です。経営会議において、これまでは創業社長の私がリーダーシップを発揮してきました。もし外部の方にファシリテーションを依頼するなら、それなりの存在感や説得力が必要です。その点において、太田さんは適任。キャッチアップの能力も高いので、導入支援をお願いしました。
石坂:まずは昨年11月、役員合宿で「すごい会議」のキックオフ(Day1)を行いました。役員合宿は毎年2回の恒例ですが、議論が散発的になりやすい。仲間意識は醸成されるものの、チームの目標統合や責任按分などが不十分でした。
石坂:「担当と責任」という概念が浸透し、役員陣の意識が変わりました。担当部署に対するコミットメントだけでなく、会社の全体最適を考えるようになったのです。つまり責任範囲の認識が変わり、思考の幅が広がった。社長や副社長のような目線で考える役員へ進化しつつあります。
太田:普通の役員は担当事業部のことを考えます。その目線をさらに上げようとしたのですね。
石坂:ええ。当社は東証一部からプライム市場に残りましたが、成熟した大企業とは自認していません。将来の事業承継や権限移譲を混乱なく進めるためにも、多くのメンバーに担当と責任の概念や全体感が必要です。
太田:石坂社長の意図を理解して、参加者を巻きこむことです。そのうえでコーチングのアプローチを徹底しました。IBJの役員陣は優秀な方ばかり。もしも私が‟コンサルタントの先生”のように上から指導したら、反発を招きかねません。ですから、重要な概念や枠組みをお伝えして、みなさんの気づきを促しました。
石坂:たとえば「会議の発言の大半は状況コメント」という実態があります。それを太田さんに説明されて「提案しなければ」「意味のある質問をしなければ」と気づかされる。そんなふうに意識と行動が変わっていきました。
石坂:ある役員が新しい会議体の枠組みを提案してくれました。それは副社長退任後の新体制を見据えたもの。従来の経営会議を「タテ会議」「ヨコ会議」の2種類に分け、それぞれの目的と機能を明確化する案です。そのアイデアを採用し、今年4月に主要な会議体を再編しました。
以前は「私が発案して他の役員が同意する」という流れがほとんどだったので、大きな変化です。
石坂:「タテ会議」は月次の状況やアクションプランなどを共有し、短期的なPDCAサイクルを回すための会議です。各事業部の部長、担当役員、社長の私が出席し、縦のラインで報告を受けています。
「ヨコ会議」は各事業部の担当役員が横一線に並び、中長期的な目標を達成するための会議です。「すごい会議」のメソッドを活用し、事業戦略や問題解決などについて長時間議論しています。
太田:経営の仕組みを変えるのは簡単ではありません。それを社長以外の方が主導したのは素晴らしいですね。
石坂:短期的な売上アップよりも、会社のカルチャーやフレームワークを変えるほうが難しい。どちらも大切ですが、後者に「すごい会議」の本質的な価値を感じています。
太田:業績面のインパクトも求めるために、私からご提案しました。
石坂:主力である連盟事業部の担当役員や各エリアの営業部長らを集めて、今年1月に「すごい会議」を行いました。すると、担当と責任の意識が芽生えたのでしょう。各エリアのライバル意識が弱まり、全体目標に向かって一緒に数字をつくる意識が強くなりました。実際、3月から数字が好転しています。
石坂:社長や役員に主体性のある会社ですね。「お金を払ったんだから、やってくれるんでしょ」なんてコーチに丸投げしてはダメ。自分たちでものにしようという姿勢がなければ、効果は望めません。
また、成長の踊り場を迎えた会社にも適しています。企業規模にかかわらず、勢いが鈍化する時期は必ず訪れる。そこから次のフェーズに進むために「すごい会議」は有効でしょう。
インタビュー実施:2022年4月
創業19期目。すごい会議マネージメントコーチ10年目。バリューファクター認定トレーナー。MBTI認定ユーザー。桁を変える経営者倶楽部「レバレッジ 倶楽部」主催。兵庫県明石市出身。毎朝10年間ランニング継続中。中小企業の営業支援と組織開発支援実績多数。日本の中小企業の経営に違いを起こすことがミッション。