すごい会議

MENU

CASE STUDY すごい会議の実施例

売上達成率130%、単価は昨対比150%超。いかにして幹部の“目標達成OS”を書き換え、組織を次のステージへと進化させたのか?

株式会社すがコーポレーション

設立
2001年10月
資本金
1,000万円
従業員数
50名
事業内容
熊本県を拠点に、不動産の売買仲介、賃貸、管理からリフォーム、新築まで、住まいに関するトータルソリューションを提供する。
特に中古住宅の買取再販事業を強みとし、地域に根差した独自のサービス展開で顧客の豊かな暮らしづくりに貢献している。
「世界一働きがいのある会社をつくる」というビジョンを掲げ、常に組織全体の進化と成長を追求し続けている。
担当コーチ
大野 栄一

組織全体の進化と社員の主体性を引き出すために「すごい会議」を導入して1年。経営の在り方を根本から見直し、社員が自ら考え行動する文化を醸成することで、新たな成長ステージへと踏み出した株式会社すがコーポレーション。

この取り組みは、単なる業績向上に留まらず、組織の在り方そのものに大きな変化を生み出しているという。今回は、同社を率いる管社長、そして組織変革の中心を担う両事業部長にもご同席いただき、導入後から現在の成果、そして今後の展望について詳しく伺った。

「責任感の場所が変わった」— 経営者が半年で実感した幹部たちの劇的な成長

目標は単に「立てるもの」から「達成するもの」へ。トップが語る、幹部の意識が根底から変わった瞬間と、その背景に迫る。

インタビュアー:前回お話を伺ってから約半年、事業年度も変わり新たなスタートを切られたことと存じます。

「すごい会議」の導入から1年が経過した今、管社長の目には、組織の進化はどのように映っていますか?

管氏(代表取締役):この半年を振り返って、まず直感的に感じるのは幹部たちの驚くべき成長ですね。一言で表現するならば「責任感」が格段に増しました。

もちろん、彼らにはもともと責任感がありました。しかし、その「責任感の及ぶ場所」が、まったく違う次元に変わった…これが最も大きな変化だと感じています。

インタビュアー :「責任感の場所が変わった」とは、非常に示唆に富んだ言葉ですね。多くの経営者が、幹部の当事者意識や視座の向上に課題を感じていると思います。

その「場所」の変化とは、例えば個人の目標達成への責任感からチームや事業全体へのそれへと、視点が引き上がったということでしょうか?

管氏(代表取締役):まさにおっしゃる通りです。最も顕著なのは「目標達成」に対する彼らの根本的な意識変革です。

以前の彼らにとって、目標はどこか「達成するため」というより「会社から与えられ立てるもの」というニュアンスが拭えませんでした。

私自身は「目標は必達である」と考えていましたが、そこには明確な意識の隔たりがあった。

それが今では、経営者である私と同じように「目標は何としてでも達成するものだ」という強烈な当事者意識に変わったんです。

インタビュアー:なるほど。多くの営業組織では、目標がいつしか単なる数字、いわば「やらされ仕事」の象徴となり、形骸化してしまうという話をよく伺います。

管社長の会社でも、そうした側面が少なからず存在したということでしょうか。

管氏(代表取締役)はい。恥ずかしながら、以前は『君の目標はいくつだ』と問いかけても、即座に、あるいは自信を持って明確に答えられないケースも散見されました。

しかし今は違います。全部長が自らの、そして組織の目標数値を完全に自分のものとして捉え、明確に語ることができる。

この変化は、組織が次のステージに進む上で非常に大きな一歩だったと感じています。

なぜ彼らは、達成可能な120%ではなく、もっと高い目標を"ワクワクしながら"本気で追えるようになったのか。

「前年比50%アップ」から「そうなれば楽しい数値」へ。トップセールスたちが語る目標設定の概念を覆した思考法とは?

インタビュアー: 管社長のお話で、幹部の皆様の「目標達成」への意識が根本から変わったことがよく分かりました。その意識変革に伴い、目標の「設定方法」そのものにも変化があったのではないでしょうか。 

現場の最前線で事業部を率いる荒木さんにお伺いしたいのですが、以前はどのように目標を設定されていたんですか?

荒木氏(売買事業部部長):はい。これまでの目標の立て方を一言でいうと「前年を超えること」が目的になっていました。

例えば、前年比で50%アップといった数値を掲げるのですが、「目標は高い方がいい」という理屈だけが頭にあって、正直なところ、その目標を達成するための具体的な中身が追いついていなかったんです。

インタビュアー:「理屈はあっても中身が追いつかない」

これは多くの管理職が抱えるジレンマだと思いますが、 その状態から「すごい会議」を経て、目標設定はどのように進化したのでしょうか?

荒木氏(売買事業部部長):大きく変わったのは、目標達成へのプロセスそのものです。

ただ闇雲に高い数値を掲げるのではなく、「今の自分たちが知らなくても、新しいやり方を実践して結果を取りにいく」という攻めの姿勢が身についたんです。

大野コーチのセッションで「達成の仕方を今知らなくても、言葉が変われば達成できる」という考え方に触れて視界が拓けたんです。 

それ以来、「この目標を達成できたらどんなに楽しいだろう」と心から思える数値を立てるようになった。これが一番大きな変化ですね。

このマインドセットのおかげで、掲げた数値が他人事ではなく、完全に「自分のもの」になった感覚があります。

インタビュアー:なるほど。「自分のものになった」という感覚は非常に重要ですね。 釼羽さんはいかがでしょうか。目標設定において、何か変化はありましたか?

釼羽氏(売買事業部部長):私も以前は「目標は絶対に達成しなければならない」という思いが強すぎました。

その結果、無意識に自分の達成可能な範囲、例えば前年比110%〜120%といった「安全圏」の目標を設定してしまっていたんです。

インタビュアー:非常に堅実なアプローチですが、裏を返せば、大きな飛躍には繋がりにくい側面もあったかもしれませんね。 その「安全圏」から一歩踏み出すきっかけは何だったのでしょうか?

釼羽氏(売買事業部部長):大野コーチから教わった、「その目標を作らなければ起こらなかったことの実現可能性が最大化する」という言葉がすべてでした。

それからは、過去のデータや経験則といった事実は一旦横に置いて「これぐらいやりたい」という純粋な願望を目標として設定できるようになったんです。 

できるかどうかは正直わからない。でも、その高い目標に向かって本気で取り組めるようになった。これが、以前との決定的な違いだと思います。

大野コーチ:補足すると、釼羽さんは今、社内コーチを養成するトレーニング(ICTC)の真っ只中なんです。ただでさえ多忙な中で、さらにご自身の成長に時間を投資することを厭わず、自ら志願されました。

荒木さんもそうですが、トップランナーであり続ける方は、こうした姿勢が本当に素晴らしいですね。

売上22億、達成率130%はゴールへの通過点に過ぎない。「世界一働きがいのある会社」への道筋

急成長の裏で生まれた目標達成意識の歪み。会社が次のステージに進むために、管氏が今、社員に最も求める「誠実さ」と「人間性」とは?

インタビュアー: セッションを通じて目標設定のOSが書き換わり、組織が大きく変化していることが分かりました。その上で、管社長が今、社員の皆様に対して、単なる数字以上に最も望むものとは何でしょうか?

管社長:もちろん売上も重要ですが、それ以上に、一番最初に大野コーチと出会って立てたビジョン「世界一働きがいのある会社をつくる」ということを実現することです。 

そのために、社員には常々「誠実であれ」と伝えています。お客様に誠実に向き合い、貢献すること。これは単なる綺麗事ではなく、事業の再現性に繋がる最も重要な要素だと考えています。

しかし、目標達成への意識が強くなるあまり、一部でその「誠実さ」から少し道が外れてしまう、いわば「疎外」とも言える状況が生まれたことも事実です。今後はその部分を修正し、社員一人ひとりの「人間性」を高めていくことが不可欠だと感じています。

インタビュアー:人間性を高めることは大事ですよね。

管社長:はい。例えば、素晴らしい成果を出した社員がいたとして、教育が伴わなければ『自分の力だけでやったんだ』と天狗になってしまう危険性がある。

そうではなく、『誰かのおかげだ』と周りに感謝できる文化を醸成することで、組織はさらに良い循環で成長できる。今、私が最も望んでいるのは、そうした人間性の土台の部分です。

インタビュアー:今おっしゃった「疎外」という言葉が非常に気になります。それは、高い成果を出す社員と、そうでない社員との間に生まれた、一種の断絶のようなものでしょうか?

管社長:もちろん会社全体として底上げはできています。ただ、一部にまだ花開ききれていないチームがあるのも事実です。

分析すると、チームのムードが悪かったり、我々の問いかけが足りていなかったりする。 

現実として、そのチームのメンバーもセッションを受ける前と比較すれば1.5倍から2倍の売上を上げているんです。

しかし、彼らが元々いたのは、赤字ギリギリの場所だった。まだまだやれるはずだという期待を込めて、彼らの成長にさらに向き合っていくのがこれからの課題です。

インタビュアー:なるほど…。課題と向き合いながらも、会社全体としては大きな成果が出ていますが、改めて今期のグループ全体の実績を教えていただけますか?

管社長:グループ全体の売上としては、今期は目標をはるかに超えて約22億円、粗利自体も11億2,500万円で着地しました。売上の達成率で言うと130%を超えています。

売上達成率130%の裏側。「嫌な苦しみ」が「乗り越えたい挑戦」に変わった思考の転換点。

「知らない世界」への挑戦を阻む見えない壁。トップセールスマンはいかにして“嫌な苦しみ”を“乗り越えたい苦しみ”に変え、成果を出したのか?

インタビュアー:「ワクワクする目標」を掲げられた一方で、その達成の道のりは決して平坦ではなかったと思います。

荒木さんは、その高い目標と向き合う中で、どのような壁に直面されたのでしょうか。

荒木氏(売買事業部部長):はい、まさに壁だらけでした。

特に、Day2かDay3の導入初期のセッションだったと思いますが、非常に高い目標が立ったとき、『これを一体、どのようにすれば達成できるんだ?』と、思考が完全に停止してしまったんです。

これまでのやり方では到底届かない。でも新しいやり方はわからない。

そんなとき、大野コーチが『苦しい人は手を挙げていいですよ』と言ってくださって。私は真っ先に手を挙げて『正直に困っています。単価がこれ以上は上がらず答えが出ません。手伝ってください』と白旗を揚げたんです。

インタビュアー:トップセールスマンである荒木さんから『手伝ってください』という言葉が出るのは、相当な葛藤があったのではないでしょうか。

その、答えの出ない苦しさは、どのように乗り越えられたんですか?

荒木氏(売買事業部部長):その苦しみの捉え方を変えてくれたのが、まさに大野コーチのセッションでした。

そこで出てきたのが、『トライアスロンを完走した直後の選手に、もう一度フルマラソンを走れと言うようなものだ』という例え話だったんです。

前年比110%や120%の達成は、いわば慣れたレースを走るようなもの。

でも、今までとは次元の違う目標を目指すには、同じ身体、同じ思考のままでは戦えない。その例えを聞いた時、不思議と「その考え方、面白いな」と思えたんです。

インタビュアー:なるほど。無理難題を突きつけられた、というネガティブな感覚ではなく、新しい挑戦への「お題」としてポジティブに捉えられた…と。

荒木氏(売買事業部部長):おっしゃる通りです。この高い目標を本気で満喫するには『中途半端な覚悟ではダメだ!』と。そう思った瞬間、苦しみの質が変わったんです。

『達成できないかもしれない…』というネガティブな苦しみではなく、『どのようにすれば手が届くだろうか』と考える。この乗り越える過程を楽しむ苦しみに変わりました。

もちろん知らないことだらけなので、どうしていいか分からないという苦しさはありましたが、決して嫌なものではなかったですね。

インタビュアー:その『助けてください』という一言と苦しみの質の転換が、売上達成率130%という成果に繋がる大きな分岐点だったわけですね。

荒木氏(売買事業部部長):間違いなくそうです。あのセッションでチームの知恵を借り、問いの立て方が変わったことで、その後の施策がすべて変わりました。

あれがなければ、今頃も前年比110%の世界で満足していたと思います。

「一人で何とかしなければ」という呪縛からの解放。トップマネージャーが掴んだ組織の力を最大化する思考の転換。

目の前の問題に忙殺される日々からの脱却。「現状と目標とのギャップ」のみを問題として扱うことで、本当に向き合うべき課題が見えてきた。

インタビュアー:荒木さんのお話、大変興味深かったです。一方で、同じく事業部を率いる釼羽さんは、目標を達成できた最大の要因をどのようにお考えですか?

釼羽氏(売買事業部部長):私にとって一番大きかったのは、「現状と目標との間にあるギャップだけを、解決すべき問題として扱う」という考え方を学んだことです。

以前は、目の前で何か困ったことが起きると、それがすべて「問題」に見えてしまい、何でもかんでも改善しようと躍起になっていました。

インタビュアー:いわゆる「モグラ叩き」のような状態で、日々の業務に追われてしまっていたと。

釼羽氏(売買事業部部長):はい。しかし「できるかどうかわからない高い目標」を立てたことで、現状との間に途方もないギャップが生まれたんです。

そうなると、目の前の小さな問題よりも、その巨大なギャップを埋めることの方が遥かに重要な問題だと気づかされた。この視点を持てたのが、本当に大きかったですね。

インタビュアー:高い目標が、取り組むべき問題の優先順位を明確にしてくれたわけですね。 その結果、ご自身の行動に変化はありましたか?

釼羽氏(売買事業部部長):ええ。「なんとなく達成できそう」な目標を立てていた頃は、結局、今までのやり方の延長線上で物事を考えていました。

でも目標が大きくなったことで、自分一人では到底解決できないような問題が起きるようになったんです。

ただ、その問題は目標達成に必要なものだという意識が芽生えてからは、「目標のための問題なら、むしろ起きた方がいい」とさえ思えるようになりました。

インタビュアー:「一人では解決できない問題」に直面した時、以前の釼羽さんであれば、どのように対処されていたのですか?

釼羽氏(売買事業部部長):当時は、結局『自分で何とかしなければならない…』と思い込んでいました。ですから、自分の経験の範疇で思いつくことしか実行できていなかったんです。

それが今では、チームや他部署に「協力をお願いできる」ようになった。

全社目標達成のためには、どこのチームが欠けても「自分の責任」という当事者意識が生まれたことで、自分の手に負えないと感じた時は、責任を持って周りに相談できるようになったんです。

インタビュアー:なるほど。かつて釼羽さんを縛っていた「自分で何とかしなければ」という考えは、もうなくなったんですね。

釼羽氏(売買事業部部長):はい、今は全くないですね。

大野コーチ:今のお話は非常に重要ですね。

つまり、本来活用できたはずのリソース(人や情報)はすぐ側にあったのに、ご自身の「一人で何とかしなければ」という視点が、それにアクセスすること自体を妨げていた。

その制約にご自身で気づき、打ち破ることができたということだと思います。

「自力より他力」

この本質が腹落ちした瞬間に、チーム力の次元は全く新しいステージに変わります。

単価は昨対比150%超、でも仕事は「楽になった」。常識を覆した「プロセスチェンジ」の威力とは。

「億単位の仕事は難しい」という思い込みを捨て、事業の常識を覆したことで売上は倍増。その劇的な変化を生んだ「プロセスチェンジ」の本質に迫る。

インタビュアー:マインドセットが変わり、チームで課題解決できるようになった結果、具体的な業務の進め方、いわゆる「プロセスチェンジ」も数多く生まれたのではないでしょうか。

特にインパクトの大きかった事例を教えていただけますか?

荒木氏(売買事業部部長):はい。私のチームでは、事業の根幹から覆すような変化がありました。

高い目標を立てたとき、『どのようにすれば達成できるか?』を突き詰めた結果、扱っている物件の単価が圧倒的に足りないという結論に至ったんです。

そこで、これまでの「良い物件を仕入れて売る(売主開拓)」という常識を捨て、「高単価な物件を求めているお客様を先に見つける(買主開拓)」という、まったく逆のアプローチに切り替えたんです。

インタビュアー:「売主」から「買主」へ。まさに180度の方向転換ですね。 その視点の転換は、どのような結果に繋がったのでしょうか。

荒木氏(売買事業部部長):すべてが変わりました。狙う的(顧客)が変わったことで、探すべき商品(物件)が変わり、仕事の進め方も変わった。結果、面白いように単価が上がっていったんです。

例えば、仲介手数料の単価は昨対比151%に、再販粗利の単価も昨対比131%へと大きく成長しました。

以前は「100回打てば1回当たるかもしれない」という感覚だったホームランが、今では再現性を持って狙えるようになった。

不思議なことに、物理的な大変さは変わらないのに、むしろ仕事は楽になった感覚さえあります。

管氏(代表取締役):まさに、彼が言ってくれた通りなんです。以前の荒木は「億単位の仕事は難しい」と思い込んでいた。

でも、実は「億単位の仕事のほうが簡単だ」ということに、このプロセスチェンジを通じて気づいてくれたんです。これは会社にとって革命的な発見でしたね。

インタビュアー:事業の常識が覆った瞬間ですね。釼羽さんのチームでは、どのようなプロセスチェンジがあったのでしょうか?

釼羽氏(売買事業部部長):私のチームでは、リフォーム再販事業のリードタイム短縮に取り組みました。

目標を3倍に設定したことで、リフォームのスピードも3倍にする必要に迫られたんです。以前は『なぜリフォーム事業部がもっと速く動いてくれないんだ』と、どこか他人任せに考えていました。

それを『リフォーム事業部の仕事も100%自分の責任だ』と捉え直したんです。

具体的には、物件の仕入れが完了してからリフォームの打ち合わせを始めるという従来のプロセスを捨て、仕入れの決裁が下りる前から打ち合わせを始め、仕入れた瞬間に着工できる準備を整えました。

部門間の壁を越えて、プロセス全体を「自分事」として捉え直したことで、劇的なスピードアップが実現できるようになりましたね。

管氏(代表取締役):会社全体で、そうしたプロセスチェンジが無数に起きています。扱う物件の世界観が変わり、以前は固執して捨てきれなかった土地を損切りする判断もできるようになった。

その結果、買取再販事業の年計売上は、5億円だったものが10億円へと、ちょうど倍になった。これもすべて、現場の彼らが起こしてくれたプロセスチェンジの成果です。

「無理です」を「どのようにすれば?」に変えた、”問いの力”

曖昧な「憶測」を排し最強の実行力を生む「事実と解釈」を問う文化。その本質を管社長が語る。

インタビュアー:具体的なプロセスチェンジが次々と生まれている様子がよく分かりました。

そうした現場の変化を見て、管社長ご自身は、組織のコミュニケーションや文化の面で、どのような進化を感じていらっしゃいますか?

管氏(代表取締役):幹部たちが本当に成長していると感じます。特に、コミュニケーションの質が劇的に変わりました。

私は以前から『「大きい」や「たくさん」といった形容詞ではなく数字で話せ』と言い続けてきたのですが、正直、私自身の問いの立て方が下手だった。

それが今では、彼らが自ら部下や同僚に対して『あなたの解釈ではなく事実は何ですか?』と、ファクトをベースにした対話を徹底してくれるようになったんです。

インタビュアー:ファクトベースで様々な問いが日常的に交わされる。

それはつまり、感覚的な議論やごまかしがなくなり、組織全体で事実に基づいた、より精度の高い仕事ができるようになったということでしょうか?

管氏(代表取締役):まさしく。やっていないことや言い訳を膨らませて報告するようなことが一切なくなり、正直に言える風土ができたんです。

そして何より驚いたのは、やっていることのレベルは以前より格段に上がっているにもかかわらず、みんな本当に楽しそうに仕事をしているように見える。以前とは雰囲気が全く違いますね。

インタビュアー:社員の皆様だけでなく、管社長ご自身のコミュニケーション、特に「言葉の力」に対する考え方にも変化があったのでしょうか?

管氏(代表取締役):私自身も大きく変わりましたね。

以前は私もよく「仕組みを作ろう」と口にしていたんですが、今思えば「仕組み」という言葉自体が非常に曖昧で、彼らにとっては形容詞のように聞こえていたんだと思います。

つい最近も、リフォームの値下げに関する話があったんです。以前の私なら、ただ「もっとうまくいく仕組みを作れよ」と、漠然と指示していたでしょう。

しかし今は違います。「ここの構造そのものが問題だ。誰が誰に報連相するのか、このリフォームの承認構造を具体的に変えよう」と、はっきり伝える

このように具体的な「構造」で語るようになって初めて、彼らが腹落ちして動いてくれるようになったので、私自身の「問いの力」が、間違いなく変わったと感じています。

インタビュアー:抽象的な指示ではなく、具体的な問いかけが組織を動かすということですね。

管氏(代表取締役):ええ、まさにその通りです。そして、その「問いの力」が組織に浸透したことで、私にとって何より嬉しい変化が生まれました。

それは、彼らが自ら現状を打破するチャレンジャーであり、パイオニアになってくれたことです。

例えば、今では誰かが『それは無理です』と言えば、間髪入れずに『では、どのようにすればできますか?』という言葉が返ってくる。

この『どのようにすれば?』ということが組織の共通言語になったんです。

以前の私が『できないことはないだろう?』と詰問していたのとは、同じ問いでも意味が全く違います。

彼らが、組織を前進させる問いの使い方をマスターしてくれたんです。

インタビュアー:素晴らしい変化ですね。その「問いの力」や思考法は、日常的に何かインプットがあるのでしょうか?

管社長:あります。それは、大野コーチから毎日来るLINEコーチングへの向き合い方です。最初は正直、何を言っているのか分からないことも多かった笑。

ですが、必死で考えているうちに、物事を3手先まで深く考えられるようになったり、他社の安易な戦略を見抜けるようになったり、明らかに思考が高度になりました。

大野コーチ:そのLINEでお伝えしている日々の問いや視点が、いわば「伏線」になっているんです。一つひとつは小さな問いでも、それが皆さんの頭の片隅に残り続ける。

そして、次のセッションという場で議論が白熱した時に、その伏線が見事に回収され、「ああ、あの時の言葉はこういうことだったのか!」という大きな気づきやブレークスルーに繋がる。

このサイクルが、思考のOSを書き換えていく上で非常に重要なんです。

「血が通っている」組織へ。過去の組織マネジメント手法との比較から見えた社員が自発的に躍動する理由。

トップダウンでも機能重視の分断でもない。経営者と現場が一体となり、"知らないこと"に喜んで飛び込める組織はいかにして作られたのか。

インタビュアー:最後に、組織の在り方そのものについてお伺いします。

以前、「役割やルールを明確に定義する組織マネジメント手法」を導入されていた時期があったそうですね。

当時と今とでは、組織全体の雰囲気や管社長と現場の関わり方に、どのような違いがあるか幹部お二人の視点からお聞かせいただけますか?

荒木氏(売買事業部部長):以前の手法では、組織の「機能」を突き詰めることを重視していました。

その一環で、管も意図的に現場と距離を置き、決められた報告だけを受けるスタイルを取っていた時期があります。

もちろん、それによって整理された部分もありましたが、一方で組織の自発的な動きやアイデアが生まれにくくなり、成長が止まってしまったような感覚がありました。

大野コーチ:当時のことを直接知っているわけではありませんが、外部から拝見していると、今は明らかに「血がより通っている」状態に見えますね。

インタビュアー:今、大野コーチが「血が通っている」と表現されましたが、荒木さんのお話は、まさにその「血の巡り」が以前は滞っていたということでしょうか?

荒木氏(売買事業部部長):まさにその通りです。それが今は、管自身が楽しそうに事業全体に関わってくださる。

だからこそ、私たち現場から生まれる新しいアイデアや「まだ知らないこと」への挑戦を、管が面白がってくれるんです。

その結果、チーム全体で気兼ねなく新しい挑戦を試せるようになり、組織の根本的な構造が変わった。

今の方が間違いなく、会社として健全で強い状態だと断言できます。

インタビュアー:釼羽さんは、一人のプレイヤーとして、目標への向き合い方にどのような違いを感じますか?

釼羽氏(売買事業部部長):当時は、会社から与えられた目標を責任として「こなす」という意識でした。

しかし今は、自分たちで立てた戦略的な目標を、大野コーチという強力なパートナーと共に「達成しにいく」という感覚です。

一つひとつのアクションに対する当事者意識も、そこから生まれる熱量も比較になりません。

大野コーチ:組織マネジメント手法は色々ありますが、最大の要因は管社長ご自身が「驚ける」方だからだと思います。

どんなに優れた手法を導入しても、トップが「どうせこんなものだろう」と構えていては機能しません。

社長ご自身が、社員の成長や新しいアイデアに心から驚ける。その「みずみずしさ」が、組織全体に伝播しているのではないでしょうか。

インタビュアー:なるほどですね。お二人のお話を聞いて、管社長ご自身のリーダーシップスタイルにも大きな変化があったように感じます。

ご自身では、この変化をどのように捉えていらっしゃいますか?

管氏(代表取締役):そうですね。以前のやり方は、いわば組織を精巧な「機械」として捉え、その設計図通りに動かすことを目指していました。

しかし、そのやり方では設計図以上のものは決して生まれない。人の持つ可能性や情熱に、蓋をしてしまうことに気づいたんです。

今は、組織を一つの「生命体」だと考えています。日々変化し、進化する生き物です。

私の役割は、完璧な設計図を描くことではなく、この生命体が自らの意思で、時に形を変えながらも、より良く生きようとする環境を整えること。

社員たちが自走し、楽しそうに挑戦を繰り返している今の姿は、私が目指したかった組織の姿そのものです。

インタビュアー:組織を「機械」から自ら進化する「生命体」へ。そのダイナミックな変革の過程が、皆様のお話から非常によく理解できました。

本日は、貴重なお話をありがとうございました。

結論(まとめ)

売上達成率130%、買取再販事業の売上倍増。株式会社すがコーポレーションが一年で達成したこの目覚ましい成果は、単なる戦術の成功物語ではない。

それは、経営者と幹部が一体となり、組織のOS、すなわち思考の前提やコミュニケーションの様式そのものを根底から書き換えた変革の記録である。

「目標は達成するもの」「事実は何か、解釈は何か」「できない理由ではなく、どのようにすればできるのか」。

彼らが手に入れたのは、こうした原理原則に基づいた問いを、組織の共通言語として根付かせたことだった。

その結果、かつて社員を縛っていた「一人で何とかしなければ」という呪縛は解かれ、部門の壁を越えた協力体制が生まれ、常識を覆すプロセスチェンジが次々と実現した。

管社長が語った、組織を精巧な「機械」から自ら進化する「生命体」へというビジョン。

今回の取材で目の当たりにしたのは、まさにその言葉を体現し、困難な挑戦さえも楽しむように躍動する組織の姿だった。

株式会社すがコーポレーションの進化の旅は、まだ始まったばかりである。

大野 栄一 おおの えいいち

株式会社一番大切なこと

私のコーチとして使命は、『苦悩に値する働く意味』の創出です。

地球は平らだと信じていたがために出帆しなかった船は、どれくらいあるだろう?

信じているものが見えるものを限定し、見えるものは打ち手を限定し、打ち手は当然のことながら、望でいる結果が手に入るかどうかを決定付けます。あなたは何を信じてビジネスしてる?

導入実績は1,000社以上 すごい会議を実施したい! 御社で実施するにはこちら